リスキルラボ 接遇マナー研修の内容とは | カリキュラム例と効果を高めるポイント

接遇マナー研修
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「顧客対応の質にばらつきがある」「リピーター率が低下している」このような課題感から、接遇マナー研修やその内容について気になる人も多いのはないでしょうか。同時に、具体的にどのような内容を、どんな順番で取り入れたら良いのかと悩む人も多いでしょう。

本記事では、実際のカリキュラム例をもとに、接遇マナー研修に取り入れたい要素、研修をより効果的にするポイントを紹介します。接遇マナー研修の導入を検討している方はぜひ参考にしてください。

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接遇マナー研修とは

接遇マナー研修とは、一般的な接客マナーに加えて、お客様の心に寄り添った対応力を身に付けるための研修です。挨拶や身だしなみといった基本を押さえるだけでなく、相手の状況を汲み取り、寄り添った対応ができるようになることまでを目指します。

新入社員や若手社員が接遇の基本を身に付ける目的で受講することが多い一方、接客業務に慣れてきた中堅社員が、自身の対応を客観的に見直すために受講するケースも少なくありません。

接客と接遇の違い

接遇マナー研修の内容を考えるうえで、まず押さえておきたいのが「接客」と「接遇」の違いです。接客は、来店したお客様に対して必要なサービスを提供する対応を指すのに対し、接遇はそこから一歩進み、相手の立場や状況を踏まえたアプローチまでを含みます。

たとえば飲食店で「注文された料理を運ぶ」のは接客の範囲です。一方、お子様連れのお客様に気づいて、頼まれる前に子ども用の椅子を用意するような対応は接遇にあたります。つまり、接客は誰に対しても同じ対応をすることであり、接遇はそこから相手や状況に合わせて対応を変えていくことです。

接遇マナーが求められる背景

商品やサービスが世の中に溢れ、機能だけで顧客を惹きつけることが難しくなった今、企業が選ばれ続けるためには、対応する社員一人ひとりの接遇マナーが欠かせない要素になっています。顧客満足は、あらかじめ抱いていた期待値を、実際に感じた価値が上回ったときに生まれるものです。どれほど良い商品やサービスを扱っていても、対応の質が伴わなければ、期待値を超える満足は生まれにくくなります。

実際に、接遇マナー研修の内容を検討している企業からは、次のようなお悩みをよく耳にします。

接遇マナー研修が検討されるきっかけ

  • 社員の接客対応にばらつきがあり、標準化したい
  • クレームの件数が増えており、対応方法を見直したい
  • 自己流のやり方に慣れ、客観的に接客を振り返る機会がない

こうした課題は、担当者一人の意識だけでは解決しにくく、研修という場を通じて組織全体の対応レベルを揃えていくことが効果的です。

接遇マナー研修のカリキュラム例

接遇マナー研修の内容は実施企業によって異なりますが、基本マナーの習得から、コミュニケーションスキル、電話応対まで、段階を踏んで組み立てられるケースが多く見られます。ここでは、よくあるカリキュラム例を紹介します。

一般的な接遇マナー研修のカリキュラム例

ステップ 内容 ゴール
①顧客満足の基本を理解する ・現状認識の明確化
・CSの考え方と背景の確認
・自身の対応の振り返り
顧客満足についての基礎知識を持ち、自分の現状を把握する
②接客・接遇の基本マナーを身に付ける ・相手の立場に立つことの重要性
・挨拶・表情・身だしなみ・態度・言葉遣いの確認
顧客に適切に対応するための基本的なマナーを習得する
③聴く力・伝える力を高める ・コミュニケーション課題の振り返り
・傾聴・質問の仕方の確認
・伝わりやすい話し方の習得
顧客との会話で必要な「聴く」「伝える」スキルを高める
④電話応対の基礎とクレーム対応をおさえる ・電話応対の意識ポイント
・受電・架電の流れとマナー
・クレーム対応の基本ステップ
電話応対の基本を身に付け、印象の良い対応やクレームへの適切な対応ができるようになる

1ステップあたり1時間程度を目安に、基礎理解から実践的なスキルへと段階を踏んで進める組み立て方は、接遇マナー研修の内容としてよく採用される形です。半日から1日かけて実施されることが多く、演習やロールプレイを交えながら進めることで、知識だけでなく実践力の習得を目指せます。

接遇マナー研修の内容を詳しく見る

先ほどのカリキュラム例で紹介した4つのステップについて、それぞれどのような内容を扱うのか、もう少し詳しく見ていきます。

①顧客満足の基本を理解する

最初のステップでは、顧客満足(CS)とは何かという基本の考え方を確認します。

用語

顧客満足(CS)とは

Customer Satisfactionの略。あらかじめ抱いていた期待値を、実際に感じた価値が上回ったときに生まれる満足感のこと。

顧客満足は「期待値<感じた価値」という関係で生まれ、感じた価値と期待値の差が大きいほど、満足度も大きくなるとされています。この考え方を押さえておくと、なぜ接遇マナーが必要なのかを、社員自身の言葉で説明できるようになります。

あわせて確認したいのが、顧客満足がこれほど重視されるようになった背景です。1990年代後半以降、商品やサービスが世の中に行き渡り、モノを所有すること自体に価値を感じにくくなったことで、顧客は商品やサービスそのものよりも、そこで得られる体験や満足感を重視するようになりました。いわゆる「モノ消費からコト消費への変化」です。

モノ消費

製品やサービスが持つ機能的な価値を消費する

コト消費

体験や満足感といった精神的な価値を重視して消費する

機能だけで顧客を惹きつけることが難しい今、企業が選ばれ続けるためには、商品力に加えて対応の質、つまり接遇マナーによる顧客満足の向上が欠かせません。このステップでは、自身が普段行っている対応を振り返り、お客様の期待値に対して十分に応えられているかを見直す時間を設けることも多く、研修を「自分ごと」として捉えるきっかけになります。

②接客・接遇の基本マナーを身に付ける

2つ目のステップでは、接遇の土台となる基本マナーを一つずつ確認します。前提として大切にしたいのが、相手の状況を見て、それに合わせたアプローチをすることです。そのうえで、一般的には「挨拶・笑顔・身だしなみ・態度・言葉遣い」の5つが、基本原則として扱われます。

1

挨拶

自分から、相手に届く声で行う

2

笑顔

口角と目もとの両方で自然な表情をつくる

3

身だしなみ

相手からどう見えるかを基準に整える

4

態度

立ち方・お辞儀・物の渡し方に気を配る

5

言葉遣い

正しい敬語とクッション言葉を使いこなす

それぞれの項目をより詳しく実践したい場合は、以下の記事で意識すべきポイントを紹介しています。

③聴く力・伝える力を高める

3つ目のステップでは、お客様との会話の質を高めるスキルを扱います。ポイントとなるのが「アクティブリスニング(積極的傾聴)」です。相手やその話に興味関心を持ち、次の3つの姿勢を意識しながら聴くことが基本とされています。

アクティブリスニングの3つの基本姿勢

  • 受容:相手の話を評価や否定をせず、全面的に受け入れる
  • 共感的理解:相手の立場に立ち、同じ目線で理解しようとする
  • 自己一致:聴き手自身が嘘やごまかしのない状態で相手と向き合う

あわせて、はい・いいえで答えられるクローズド・クエスチョンと、自由に答えられるオープン・クエスチョンを使い分ける質問力も確認します。

伝え方については、「伝えた」ではなく「伝わった」を目指すことが最大のポイントです。要点を先に伝え、そのあとに理由や根拠を添えるという順番を意識することで、伝わりやすさは大きく変わります。

「伝えた」例

人気商品のため入荷までにお時間をいただいており、確認にも時間がかかっております。恐れ入りますが、ご注文いただいた商品のお届けは、3日ほど遅れる見込みです。

「伝わった」例

ご注文いただいた商品のお届けが、3日ほど遅れる見込みです。人気商品のため、入荷までにお時間をいただいております。ご不便をおかけし申し訳ございません。

ワークで実際に聴く・伝える練習をしながら進める研修が多く見られ、知識だけでなく体感的にスキルを身に付けられるように組み立てられています。

④電話応対の基礎とクレーム対応をおさえる

最後のステップでは、電話応対の基本と、クレームが発生した際の対応方法を確認します。電話は表情やジェスチャーが伝わりにくいため、話すスピードや声のトーン、相づちの打ち方といった聴覚情報だけを頼りに対応する必要があります。

受け方の基本は2コール以内に出ることで、待たせてしまった場合の言葉選びもあわせて確認します。

場面目安となる時間
電話に出るまで2〜3コール以内
保留の時間「少々お待ちください」は30秒以内が目安
折り返しの連絡「後ほど」は30分〜1時間以内が目安

会話の中では相づちと復唱も欠かせないスキルです。相づちは「話をきちんと聴いている」ことを伝えるサインになり、復唱は聞き間違えてはいけない情報を確認することで、相手に安心感を与える効果もあります。

クレーム対応は、相手に与えてしまった不快感など対象を絞ってお詫びする「部分謝罪」から始め、話を丁寧に聴き、心情理解、事実確認を経て解決策を提示し、最後にあらためてお詫びと感謝を伝えるという流れが基本です。実際にありそうな事例をもとに対応を考えるワークを通して、初期対応の勘所を確認する研修が多く見られます。

クレーム対応で結論を急がない

初期対応では「解決すること」よりも先に「話をしっかり聴くこと」が優先されます。説明や言い訳を先にしてしまうと、かえって相手の感情を刺激してしまうため注意が必要です。

接遇マナー研修を効果的にするためのポイント

接遇マナー研修の内容を一通り押さえたうえで、実施の効果を高めるためのポイントも確認しておきます。ポイントは下記の通りです。

  1. 座学だけで終わらせず、ロールプレイやペアワークの時間を組み込む
  2. 自社で実際にあった問い合わせやクレームの事例をワークに取り入れる

接遇マナーは、知識として理解するだけでは、現場でとっさに実践するのが難しいスキルです。ロールプレイやペアワークを通じて、実際に声に出したり体を動かしたりする時間を組み込むことで、研修後も現場で使えるスキルとして定着しやすくなります。

女性イメージ

随所にワークがあることで、受身ではないことが良かった。また、他の方の意見を聞くことで理解も深めやすかった。

また、一般的な接遇マナー研修の内容に加えて、自社で実際にあった問い合わせやクレームの事例をワークに組み込むと、受講者が「明日から使える」と感じやすくなります。業種によって求められる対応は異なるため、ホテル業界であれば多様な国籍のお客様への対応、医療機関であれば患者様やご家族への対応など、現場に即した事例を用意できるかどうかが、研修の実感値を左右します。

目的別の接遇マナー研修カリキュラム紹介

接遇マナー研修には、基本のステップをベースにしながら、目的に応じた複数のパターンがあります。自社の課題に近いものを確認して、利用することも効果的です。

接遇の基本を一通り整理したい場合

接遇の基本がまだ定着していない、あるいは自己流になっている部分をあらためて整理したい場合は、挨拶から電話応対まで一通り扱う基礎的な研修が向いています。

障がいのある方への対応を強化したい場合

障がいのある方への対応など、基本の接遇マナーだけでは対応しきれない場面が想定される場合は、対応編として用意された研修を組み合わせるとよいでしょう。

訪日外国人に対応できる体制を整えたい場合

インバウンド需要の高まりとともに、言葉や文化の違いを踏まえた対応が求められる場面も増えています。接遇マナーの土台に加えて、異文化理解の視点を現場に取り入れたい場合は、インバウンド対応に特化した研修が向いています。

医療現場のホスピタリティを底上げしたい場合

病院や医療機関では、体調がすぐれない患者やその家族への対応など、一般的な接客とは異なる配慮が求められます。医療現場ならではのホスピタリティを、スタッフ全体に浸透させたい場合は、病院・医療機関向けの研修が候補になります。

ホテル業界としての顧客満足度を高めたい場合

ホテル業界は、宿泊客一人ひとりの期待値を超える対応が、リピートや評価に直結しやすい業種です。業界特有の接遇マナーとあわせて顧客満足の高め方をスタッフに習得させたい場合は、ホテル業界向けの研修が向いています。

このほかにも、リスキルではさまざまな接遇マナー研修をご用意しています。

接遇マナー研修の一覧を見る

まとめ

接遇マナー研修の内容は、顧客満足の基本理解、接客・接遇の基本マナー、聴く力・伝える力、電話応対とクレーム対応という4つの柱で組み立てられることが多く、1章あたり1時間程度を目安に、段階的に進める形が一般的です。座学だけでなくロールプレイを取り入れ、自社の事例を反映させることで、研修後も現場で活きるスキルとして定着させやすくなります。

接遇マナーは、特別なテクニックではなく、日々の対応の積み重ねによって磨かれていくものです。自社の課題や対象者に合わせて、基礎的な内容から専門的な内容までを組み合わせながら、研修内容を検討してみてください。

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この記事の監修者
リスキル事務局

リスキル事務局が記事の執筆・監修をしています。人材育成にまつわるお役立ち情報を分かりやすく解説します。

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会社名:株式会社リスキル
(「リスキル」は株式会社リスキルの登録商標です。)
設立:2022年5月2日
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