リスキルラボ 新入社員フォローアップ研修の内容|8つのテーマとカリキュラム例

新入社員フォローアップ研修
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「新入社員フォローアップ研修を任されたけれど、何をテーマにすればいいのだろう」「入社時の研修と同じ内容にならないか」。研修を企画するとき、最初に迷いやすいポイントです。フォローアップ研修の内容は、配属後に見えてきた新入社員の課題によって変わります。

この記事では、よく扱われる8つのテーマとワーク例、半日・1日のカリキュラム例、自社に合った組み方のポイントを紹介します。

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新入社員フォローアップ研修で扱う内容の全体像

新入社員フォローアップ研修は、配属後の仕事でつまずいたところを、基本に立ち返って見直す研修です。入社時の研修が「新しいことを一通り覚える場」だとすると、フォローアップ研修は「実際にやってみてどうだったか」を振り返る場です。研修の目的や実施時期は、以下の記事で詳しく紹介しています。

研修で扱う主なテーマは、大きく分けると次の8つです。

  • ビジネスマナー・基本動作の見直し
  • 報連相(報告・連絡・相談)
  • コミュニケーション(聴く力・伝える力)
  • 仕事の進め方・タイムマネジメント
  • ロジカルシンキング・わかりやすい説明
  • 仕事への向き合い方・主体性
  • 自己理解・目標設定
  • レジリエンス

8つすべてを扱う必要はありません。自社の新入社員のつまずきに合わせて選べば大丈夫です。

どのテーマを選んでも、研修の中身には次の3つの共通点があります。

1

実務の場面が素材

配属後の経験をケースとして使う

2

基本の型と照らす

自己流になった点に気付く

3

明日の行動を決める

職場で続けられる形にする

新入社員フォローアップ研修の主な内容8つ

ここからは、8つのテーマでそれぞれどんなことをするのかを見ていきましょう。どのテーマにも共通しているのは、新入社員が自分の経験を振り返りながら進めることです。「うちの新入社員にも当てはまりそう」と思うものがないか、探してみてください。

ビジネスマナー・基本動作の見直し

入社時に身に付けたビジネスマナーや基本動作が、現場で崩れていないかを確かめるテーマです。電話の受け方やメールの書き方、来客対応などは、先輩のやり方をまねするうちにいつの間にか自己流になりやすいところです。研修ではまず普段の行動をチェックして、基本の型と比べながら直すところを決めていきます。

ワークでは、電話応対やクレーム電話への対応をロールプレイで練習します。身だしなみも見直しの対象です。おしゃれは自分の好みで選べますが、身だしなみは「相手からどう見えるか」で判断されます。清潔感を軸に、職場の誰から見ても好感が持てる状態になっているかを確かめます。

報連相(報告・連絡・相談)

報連相は、配属後につまずく新入社員がとても多いテーマです。頭ではわかっていても、報告が遅れてしまったり、自分の考えを持たないまま相談に行ったりしがちです。研修では、実際に報告が遅れた場面などを思い出して、なぜ遅れたのかを探ります。報告は「経過報告」「結果報告」「トラブル報告」の3つに分けて見直します。

相談の練習には、場面を決めたペアワークがよく使われます。ペアの相手を上司に見立てて状況を伝え、自分の案を示して判断を仰ぎます。実際にやってみると、相談には自分の案を持っていくことの大切さを実感できます。

コミュニケーション(聴く力・伝える力)

上司や先輩、社外の人と信頼関係を築くためのテーマです。報連相が「何を、いつ伝えるか」を扱うのに対して、こちらは相手の話の聴き方と、相手に合わせた伝え方が中心です。

聴く力のパートでは、相手の話にじっくり耳を傾ける「傾聴」を扱います。ペアで話し手と聴き手に分かれ、質問攻めになっていないか、話をそらしていないかを確かめます。伝える力のパートでは、否定的な言葉を前向きな表現に言い換えます。ただ断るのではなく、代わりの案を添えるのがコツです。

Before

「その日は対応できません」

→

After

「その日は難しいのですが、翌日の午前であれば対応できます」

仕事の進め方・タイムマネジメント

仕事をいくつも任されるようになると、「どれから手をつければいいのか」「締め切りに間に合わない」と悩む新入社員が増えてきます。このテーマでは、仕事を「言われたことをこなす作業」ではなく「目的のあるもの」として捉える視点と、時間の使い方を扱います。たとえば、仕事を頼まれたら締め切りだけでなく「何に使うのか」も聞いておく、といった行動につなげます。

時間の使い方では、取りかかる前に「何分で終わらせるか」を決める方法を扱います。仕事を1つのToDoリストにまとめる方法も紹介します。どれを先にやるか迷ったら、ToDoリストを上司に見せて「どれからやるべきでしょうか」と聞くのが近道です。

ロジカルシンキング・わかりやすい説明

「説明が長くて、結局何が言いたいのかわからない」「問題が起きても、原因を整理できない」。こうした悩みには、筋道を立てて考え、わかりやすく伝える力を扱います。研修でよく使われるのがPREP法です。結論(Point)、理由(Reason)、具体例(Example)、結論(Point)の順に話す方法です。

たとえば、商談の結果を上司に報告する場面では、PREP法を使うと次のように変わります。

Before

「A社に伺ったら担当の方が不在で、課長とお話ししました。最近は予算が厳しいそうで、他社の提案とも比べているようで……」

→

After

「A社の受注は来月に持ち越しです。先方で予算の見直しが入ったためです。課長からも『他社と比べて来月決めたい』と伺いました。受注の判断は来月になる見込みです」

説明の抜け漏れを防ぐ5W3Hも扱います。5W3Hは、5W1H(何を・なぜ・誰に・いつ・どこで・どのように)に、「どれくらい(How many)」と「いくら(How much)」を足したものです。

仕事への向き合い方・主体性

「指示を待ってしまう」「仕事の意味を感じられない」といった悩みには、仕事への向き合い方を扱います。配属から時間がたつと、任された仕事はこなせるようになる一方で、その先の一歩がなかなか出なくなることがあります。研修では、仕事の目的や自分の役割を確かめ、自分から動くための判断の軸を考えます。

題材としてよく登場するのが「3人のレンガ職人」の話です。同じようにレンガを積んでいても、「命令だから積んでいる」と答える人と「大聖堂を建てている」と答える人とでは、仕事への取り組み方がまったく違います。この話をきっかけに、自社の商品やサービスをどんな思いで届けたいかを考えます。単純なデータ入力を、工夫次第でどう面白くできるかを話し合うワークもあります。

自己理解・目標設定

自分の強みと弱みを整理して、次の目標を立てるテーマです。研修では、これまでの経験を振り返って今の自分を客観的に見つめ、次の目標を決めます。

自己理解のワークでは、「急な変更にも柔軟に対応できる」「上司にわかりやすく説明できる」といった行動の一覧に、自信の度合いを◎○△×で付けていきます。目標設定では、具体的で、達成できたかどうかを測れて、期限がある目標を立てます。

レジリエンス

配属後は、失敗したり、叱られたり、思い描いていた仕事とのギャップに戸惑ったりと、気持ちが揺れやすい時期です。厚生労働省の新規学卒就職者の離職状況によると、2022年3月に大学を卒業して就職した人の33.8%が、3年以内に仕事を辞めています。この時期を乗り越える力をつけるのが、レジリエンスのテーマです。スキルを高めるだけでなく、つまずいたときに立て直す力を養うのが特徴です。

用語

レジリエンスとは

困難や失敗に直面したときに、そこから立ち直り、状況に適応していく力のこと。

研修では、入社してからの経験を振り返り、失敗や不安とどう付き合うかを考えます。同期と経験を話し合う時間があると、「悩んでいるのは自分だけじゃない」と気付けるのも大きなポイントです。

新入社員の課題別に見る、重点を置く内容

8つのテーマのどこに力を入れるかは、新入社員が実際に抱えている課題から考えると迷いにくくなります。よく聞く課題とテーマの例は次のとおりです。

現場で聞かれる課題 重点を置くテーマ 研修での主な取り組み
報告が遅れる、相談せずに進めてしまう 報連相 報告の3つの種類の確認・相談のペアワーク
説明が長く結論が伝わらない ロジカルシンキング・わかりやすい説明 報告をPREP法で組み立て直すワーク
仕事が重なると順番を決められない 仕事の進め方・タイムマネジメント ToDoリストの作成と優先順位付け
職場の人と話しにくい コミュニケーション 傾聴のペアワーク・伝え方の見直し
電話やメールの対応が自己流になっている ビジネスマナー・基本動作の見直し 基本の型との照合・ロールプレイ
指示を待ってしまう 仕事への向き合い方・主体性 仕事の目的と自分の役割の確認
自分の成長や今後の方向が見えない 自己理解・目標設定 強みと弱みの整理・目標設定
ミスの後に落ち込みが続く レジリエンス 失敗経験の振り返り・立て直し方の整理

表はあくまで一例です。同じ「報告が遅れる」という課題でも、タイミングがわからないことが原因の人もいれば、相談しにくい職場の雰囲気が原因の人もいます。原因が違えば、力を入れるべき内容も変わります。自社の状況に合わせて調整してみてください。研修の目的から内容を決める手順は、こちらの記事で紹介しています。

新入社員フォローアップ研修のカリキュラム例

研修を行う時期や時間によって、カリキュラムの組み合わせは変わります。ここでは、カリキュラム例を3つ紹介します。どの例もワークが中心で、最後は振り返りや目標設定で締めくくります。

例1:職場でのコミュニケーションを見直す半日研修

聴き方と伝え方、報連相に絞って、職場での毎日のやり取りを見直す半日(約3時間)の研修です。「上司や先輩との会話がぎこちない」「報告がうまくできていない」といった様子が見えてきたときにおすすめです。

テーマ 研修でやること
コミュニケーションとは 仕事でコミュニケーションが大切な理由を確認する
コミュニケーションは練習で伸ばせると知る
聴く力 傾聴の基本姿勢を確認する
質問の使い分けを押さえる
ペアで傾聴を実践する
伝える力 相手の状況に合わせた話し方を考える
否定的な言葉を前向きに言い換える
結論から話す練習をする
報連相 報告・連絡・相談のポイントを確認する
上司への相談をロールプレイで練習する
研修全体を振り返る

例2:配属後の仕事の進め方を見直す1日研修

仕事への姿勢から時間の使い方、報連相、目標設定まで、仕事の基本を幅広く見直す1日(約6時間)の研修です。配属から数か月がたち、基本をひととおりおさらいしたい時期にぴったりです。

テーマ 研修でやること
仕事とは 社会人に求められる6つの意識を確認する
身だしなみを見直す
「仕事」と「作業」の違いを考える
自分を知る 仕事のやりがいについて考える
これまでの経験を振り返り、価値観を整理する
会社にどう貢献できるかを書き出す
タイムマネジメント 時間とコストの関係を考える
ToDoリストで仕事を管理する方法を確認する
優先順位の決め方を押さえる
コミュニケーション 報告と相談のポイントを確認する
クレーム対応の相談をペアで練習する
わかりやすい説明のコツを出し合う
目標達成 目標達成までのステップを確認する
職場の課題から目標を見つける
行動を習慣にする方法を考える
まとめ 3年後・5年後になりたい姿を書き出す

例3:1年目を振り返り、2年目につなげる1日研修

入社1年目の終わりごろ、2年目に上がる前に行う1日(約6時間)の研修です。1年間の経験を整理して、「教わる立場」から「自分で考えて動く立場」へ気持ちを切り替えるきっかけをつくります。

テーマ 研修でやること
入社後の1年間を振り返る 担当した業務と身に付いたことを書き出す
成功と失敗の経験をグループで共有する
1年目と2年目で求められることの違いを確認する
仕事への取り組み方を振り返る 2年目に求められる意識を確認する
「仕事」と「作業」の違いを自分の経験から考える
自社の商品やサービスを提供する目的を考える
ビジネスパーソンの理想像を考える キャリアとは何かを考える
なりたいビジネスパーソン像を描く
自己理解を深める 自分の能力を棚卸しする
大切にしている価値観を確認する
職場で求められている役割を考える
目標設定 目標達成までのステップを確認する
今の仕事の課題から目標を見つける
気付きを明日からの行動に言い換える

当日は「考える→共有する→行動を決める」の流れで進む

どの例も、講義を聞いて終わりの研修ではありません。個人で考え、ペアやグループで共有し、最後に明日からの行動を決めるのが基本の流れです。

1

個人で考える

今の自分の状況を書き出す

2

ペアで試す

場面を想定して練習する

3

グループで共有

考えを発表し合い視野を広げる

4

行動を決める

気付きを明日の行動に言い換える

研修の最後には、気付いたことを3つ挙げて、それぞれを「明日から何をするか」に言い換えます。意識が変わっても、それだけでは周りからは見えないからです。変えるのは行動だと確かめて、研修での気付きを職場での変化につなげます。

カリキュラムを組むときの3つのポイント

自社に合うカリキュラムを組むためのポイントを紹介します。

重点テーマを1〜2つに絞り、ほかのテーマは短く扱う

1日の研修で扱うテーマは、5〜6つが目安です。ただ、すべてを同じ深さでやろうとすると、どれも中途半端になり、受講者の記憶に残りません。課題に直結するテーマを1〜2つ選び、そこにワークの時間をたっぷり使うと、研修の軸がはっきりします。ほかのテーマは、要点をおさらいする程度で十分です。

研修の長さも、重点に合わせて選びましょう。1つのテーマをじっくり深めたいなら半日、いくつかのテーマを組み合わせたいなら1日が向いています。落ち込みやストレスが気になる場合は、レジリエンスなどのテーマで、別に半日の研修を設けるのもおすすめです。

振り返りから始め、目標と行動を決めて終える

カリキュラムは、振り返りから始めるのが基本です。最初に配属後の経験を書き出しておくと、そのあとのテーマを自分の仕事に重ねて考えやすくなります。そして最後は、目標設定や明日からの行動を決めるワークで締めくくります。研修をその場限りで終わらせず、職場での行動につなげるための順番です。

講義よりワークを多くし、自社の場面を題材にする

フォローアップ研修の受講者は、すでに基本の知識を持っています。だからこそ、講義で知識を伝えるより、ワークで実際にやってみる時間を多く取るほうが効果的です。ロールプレイやケースの題材に自社で実際にあった場面を使うと、受講者は「自分のこと」として考えやすくなります。

題材を用意するには、事前に新入社員や配属先の上司から「困った場面」を集めておくのが近道です。

カリキュラムを組むときの3つの確認

  • 重点テーマを1〜2つに絞ったか
  • 振り返りで始まり、目標と行動を決めて終わる順番か
  • ワークの題材に自社の場面が入っているか

まとめ|新入社員フォローアップ研修の内容は課題に合わせて重点を決める

新入社員フォローアップ研修の内容は、配属後の仕事で見えたつまずきを題材に、8つのテーマから重点を選んで組み立てるものです。大切なのは、全部を詰め込むことではなく、自社の新入社員に今必要なテーマを見極めることです。

カリキュラムを組むときは、重点テーマを1〜2つに絞り、振り返りから始めて目標と行動を決めて終える流れにしましょう。講義よりワークを多くし、自社で実際にあった場面を題材にすると、研修での気付きが職場での行動につながりやすくなります。

研修の費用相場や実施形式の選び方は、以下の記事で紹介しています。自社の新入社員に合う研修を探すときは、研修の一覧もぜひ確認してみてください。

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この記事の監修者
リスキル事務局

リスキル事務局が記事の執筆・監修をしています。人材育成にまつわるお役立ち情報を分かりやすく解説します。

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■プロフィール
会社名:株式会社リスキル
(「リスキル」は株式会社リスキルの登録商標です。)
設立:2022年5月2日
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■研修実績
・利用社数は年間3900社以上
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