リーダー向けに研修を検討する際、「具体的に何をやるのか」という疑問を持つ研修担当者は多いのではないでしょうか。本記事では、リーダー研修で扱われる代表的な学習内容と流れを紹介します。あわせて、目的や課題に応じたおすすめのリーダー研修や、効果的な研修にするためのポイントも取り上げています。今後の研修企画の参考にしてください。
目次
リーダー研修とは、チームを率いるための実践的なスキルとマインドを身に付ける研修です。これからリーダーになる候補者から、新任リーダー、すでにチームを率いているリーダー・管理職まで、幅広い層が対象になります。
リーダー研修の学習内容は「役割理解」「マネジメント力」「判断力」「分析力」の4つで構成されるのが一般的です。それぞれの内容を簡単に整理すると、以下のようになります。
| テーマ | 内容 |
|---|---|
| 役割理解 | リーダーとして求められている役割と責任を再認識する |
| マネジメント力 | チーム運営・コミュニケーション・部下育成など成果を上げるためのスキルを強化する |
| 判断力 | 複雑な状況でも迅速かつ的確に意思決定する力を高める |
| 分析力 | 市場や競合の動きを踏まえて戦略を立てる力を養う |
このうち、研修時間の多くを占めるのが「マネジメント力」の強化です。マネジメント力の中には、方向性の提示・チーム運営・コミュニケーション・部下育成など複数の要素が含まれており、研修時間の大半はここに配分されます。ここからは、代表的な学習の流れを見ていきます。
リーダー研修の内容は、次のような5つのステップで構成されていることが多いです。リーダーとしての心構えを理解するステップから始まり、方向性の提示や部下とのコミュニケーションといった実践的なスキルへと、段階を踏んで進んでいくのが特徴です。
| ステップ | テーマ | 内容 |
|---|---|---|
| 1 | リーダーシップの理解 | リーダーシップの基本的な考え方を確認したうえでリーダーとしての役割を理解する |
| 2 | 方向性を示す | チームの目的や目標を明確にし、それをメンバーに浸透させる考え方を確認する |
| 3 | チームをまとめて成果を出す | メンバーの主体性を引き出す関わり方やチーム運営に必要な基本スキルを習得する |
| 4 | コミュニケーション | 部下との信頼関係を築くコミュニケーションの取り方や育成につながる関わり方を身に付ける |
| 5 | 働きやすい環境づくりに関わる | 心理的安全性など安心して力を発揮できる環境づくりの考え方を確認する |
それぞれのステップについて、もう少し詳しく見ていきます。
最初のステップでは、「リーダーシップとは何か」を自分の言葉で定義するところから始めます。リーダーシップは資質やカリスマ性ではなく、誰でも後天的に身に付けられる「行動」だと捉える点がポイントです。あわせて、マネジメントとの違いも整理し、リーダーに求められる視点を共有します。
こうしてリーダーシップの考え方を確認したうえで、自分自身がリーダーとして果たすべき役割を理解することが、このステップの最終的なゴールになります。
ステップ2では、チームの目的をどう設定し、どう浸透させるかを扱います。目的がなければメンバーがバラバラの方向に動いてしまいます。
目的が定まったら、それを具体的な目標に落とし込み、計画を立てて進捗を管理する方法へと進みます。目的が曖昧なままだと個々のメンバーがバラバラの方向に動いてしまい、逆に目的が定まれば施策の優先順位も判断しやすくなります。目的の有無がチームの動き方を大きく左右することがわかる内容です。
ステップ3では、メンバーの主体性を引き出しながら成果を出すための関わり方を身に付けます。権限や責任を明確にして委譲すること、会議をスムーズに進めるファシリテーションの基本、重要な業務に時間を集中させる考え方などが含まれます。
主体性を引き出す関わり方
マイクロマネジメントを避け、メンバー自身の判断で動ける余地を残す
権限と責任の明文化
委譲する範囲をあいまいにせず、文書として残しておく
会議のファシリテーション
目的を明確にしたうえで会議を進行し、結論を出す
ステップ4は部下育成のためのコミュニケーションがテーマです。関係性を構築するコミュニケーションの基本は傾聴・承認・感謝であり、特に「話す」より「聴く」の比率を高めることが重要だとされています。
褒め方については結果だけでなく行動(プロセス)に注目すること、叱り方については人格ではなく行動を指摘することがポイントとして扱われます。曖昧な言葉で伝えるのではなく、具体的な行動として伝え直す練習を行うのも、このステップの特徴です。
最後のステップでは、優秀なチームに共通する特徴として、心理的安全性の重要性を確認します。「無知だと思われたくない」「無能だと思われたくない」といった不安がチーム内にあると、報告や発言が減り、成果にも影響が出てしまいます。
不安を取り除き、誰もが安心して発言できる環境をどう作るかが、このステップの中心的なテーマです。生産性の高いチームの特性を調べた調査でも、心理的安全性がほかの要素(信頼性・構造の明瞭さ・仕事の意味・社会的な影響)を支える土台になっているという結果が示されています。
ここまで紹介した内容は、リーダー研修の代表的な流れです。実際には、自社のリーダーが抱えている課題によって、重点を置くべきテーマは変わります。ここでは、目的別におすすめの研修を紹介します。以下の早見表もぜひ活用してください。
| 課題・目的 | おすすめの研修 |
|---|---|
| チームをまとめる力を基礎から身に付けてほしい | リーダーシップ研修 |
| チーム運営そのものに課題がある | チームビルディング研修 |
| 部下を支援する関わり方を習得させたい | 支援型リーダーシップ研修 |
| 女性リーダーの育成を強化したい | 女性リーダー向け研修 |
| リーダー候補を育てたい | 次世代リーダー研修 |
基礎的な内容を幅広く押さえたい場合は、役割理解から方向性の提示、コミュニケーションまでを1日で押さえられる基礎型のリーダーシップ研修がおすすめです。初めてリーダー研修を実施する企業や、対象者の受講経験にばらつきがある場合にも活用しやすい内容です。
「チームとしての成果が出ない」「メンバー同士の連携が弱い」といった課題がある場合は、チームビルディングに特化した研修が適しています。心理的安全性の高いチームづくりをより深く扱う内容です。
指示型のリーダーシップだけでは部下が育ちにくいと感じている場合は、部下を支援する姿勢を重視する支援型リーダーシップ(サーバントリーダーシップ)研修が向いています。傾聴や承認、部下の主体性を尊重する関わり方を重点的に扱います。
女性リーダーやその候補者に向けては、リーダー職に就くことへの不安を取り除きながら、自信を持ってマネジメントに取り組めるようにする研修が用意されています。女性活躍推進を経営課題として掲げている企業に適しています。
管理職一歩手前の中堅社員に対して、次のリーダー層としての意識づけを行いたい場合に適した研修です。管理能力に加えて、チーム全体を進化させる変革の視点も扱われます。
リーダー研修は実施すること自体が目的ではありません。明日からスキルアップできる、効果的な研修にするための視点を4つ紹介します。

自社のリーダーに求める役割やあるべき姿を明確にすることが重要です。「自社でどのようなリーダーになってほしいか」が明確であると、実施すべき研修内容(ギャップを埋めるために強化すべき能力)が見えてきます。
現状のリーダー(もしくはこれからリーダーとなる方)の状態と、あるべき姿のギャップから実施する研修テーマを選択していきます。研修テーマを選択する際は「実践的な内容か」「現場に即した内容か」の2点を確認しましょう。
研修の内容や扱う事例・ケースワークなどは、できるだけ現場や業界に合わせたものにすることがおすすめです。リスキルの一社研修では、ヒアリング時に業界独自のリーダーが持つ悩みや入れてほしい事例などを確認し、研修カリキュラムに反映させることができます。
若手社員と違い、リーダーレベルへの研修は座学のみではどうしても理解が深まりません。なぜなら、すでに理解していることが多いためです。そのため、部下役・上司役に分かれて実際に面談や1on1ミーティングをやってみてもらうワークなど、実践的な内容を入れると良いでしょう。
頭では理解できていたとしても、ロールプレイやワークを通してアウトプットしてみると「この部分ができていなかった」「気づかなかったけれどこういう癖があった」ということが発見できます。研修を通して改善点が見つかることで、明日からの行動変容が期待できます。
リーダー研修は、役割理解・マネジメント力・判断力・分析力という4つのテーマを軸に、チームを適切に率いる実践力を養う研修です。代表的な流れとしては、リーダーシップの理解から方向性の提示、チーム運営、コミュニケーション、環境づくりまでを1日でひと通り扱う構成が多く見られます。
自社のリーダーにどうなってほしいかを明確にし、現状とのギャップから研修テーマを選ぶことが、効果的な研修につながります。目的や課題に応じて内容を選びたい場合は、リーダー研修の一覧から自社に合ったカリキュラムを探してみてください。
リスキル事務局が記事の執筆・監修をしています。人材育成にまつわるお役立ち情報を分かりやすく解説します。
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■プロフィール
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(「リスキル」は株式会社リスキルの登録商標です。)
設立:2022年5月2日
上場市場:東京証券取引所グロース市場
■研修実績
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・年間受講者数 前年比157%
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