リーダー研修を検討するとき、実際に受講した方がどう感じたのかは気になるところでしょう。研修の内容がどれほど魅力的でも、受講した社員の反応が悪ければ導入したことが十分に活かされません。
本記事では研修担当者の方に向けて、リーダー研修の感想を良かった点・気になった点の両方から傾向別に紹介します。実際のアンケートをもとにした受講者のリアルな声を、研修の実施を検討する際の参考にしてください。
目次
リーダー研修は、チームを率いる立場にある方を対象に、役割理解やマネジメント力を身に付けてもらうための研修です。感想を見ていく前に、まずは研修の基本を確認しておきましょう。
リーダー研修の対象はチームリーダーや管理職が中心ですが、これからリーダーになる若手社員や中堅社員が受講するケースも増えています。役職があるかどうかにかかわらず、周囲を巻き込みながら物事を進める力を身に付けてほしいという理由で受講させる企業もあります。
研修の目的は、自身の役割や責任を改めて認識してもらい、チームの成果を最大化できる行動を取れるようにすることです。座学だけでなく、ケースワークやロールプレイを取り入れて、頭で理解した内容を実際の行動に結び付けやすくしている研修が多く見られます。
研修で身に付けたいスキルは、企業によって重視するポイントが少しずつ異なります。代表的なものを次の表にまとめました。
| 身に付くスキル | 内容 |
|---|---|
| 役割理解 | リーダーとしての立場や責任を正しく認識する |
| マネジメント力 | チームを適切に運営し成果を最大化する |
| 判断力 | 状況に応じて迅速かつ的確に判断する |
| コミュニケーション力 | 部下・上司・他部署と円滑に関わる |
なかでもコミュニケーション力は、後ほど紹介する感想の中でも特に多くの関心があったテーマです。指示の出し方や褒め方 ・叱り方など、日々のマネジメントに直結する内容だからこそ、関心の高さにつながっているのかもしれません。リーダー研修の詳しい内容については、下記の記事で紹介しています。
感想を紹介する前に、まずは全体の傾向を押さえておきます。複数回のリーダー研修で寄せられたアンケートを集計したところ、研修内容・実務への活用可能性ともに9割以上が満足という結果になりました。
高評価につながっている理由として、研修で扱う内容が現場の悩みに直結していたことが挙げられます。伝え方や叱り方など、直面しやすい場面を扱うことで、受講後すぐに試しやすいと感じる傾向にあります。
また、グループワークやロールプレイの時間があることで部署の異なるメンバーと意見を交換できたことを評価する声もよく見られます。普段あまり話さない相手と関わる機会は、リーダーとしての視野を広げるきっかけになりやすいようです。
ここからは、実際に寄せられた感想を傾向別に紹介します。なお、以下で紹介する感想は、実際のアンケート回答をもとに個人が特定できないよう表現を一部加工しています。
もっとも多く挙がったのが、部下や上司との接し方についての気づきです。結論から話すという基本的な型を知っただけで、伝わり方がぐっと変わったと感じる方が多く見られました。
聴く力や伝える力は自分でもわかっているつもりでしたが、研修を受けて思い込みだったと気づきました。相手への配慮や工夫がまだまだ必要だと感じています。
普段は聞き役に回ることが多かったのですが、結論から伝える型を知ったことで、要点を絞って話せるようになりそうです。
このように、話し方や聴き方といった日常の何気ないやり取りを見直すきっかけになったという感想は、部署や役職を問わず共通して見られました。
チームの成果を上げるための土台として、心理的安全性への気づきを挙げる声も目立ちました。メンバーが安心して意見や課題を共有できる環境があってこそ、主体的な行動や挑戦につながるという考え方は、多くの受講者の印象に残ったようです。
心理的安全性を高めることが、生産性の高いチームを作る土台になると実感しました。意見を言いやすい雰囲気づくりから始めていきます。
自分では周囲に気を配っているつもりでしたが、まだ足りない部分があると気づけたことが大きな収穫でした。
リーダーとしての自分のあり方を、改めて振り返る機会になったという感想も多くありました。普段なんとなく意識していたことも、研修という形で言葉にしてもらうことで、その大切さを再確認できたという声が印象的でした。
普段実施できていること、できていないことを改めて整理でき、今後の行動につなげやすくなりました。
リーダーは特別な資質を持った人がなるものだと思っていましたが、行動次第で誰でも身に付けられるものだと感じられました。
「リーダーシップは才能ではなくスキルである」という考え方に触れて、リーダーという役割への捉え方が前向きに変わったという感想も見られました。
研修を受けて終わりではなく、次の一歩につながったという声も数多くありました。「何をどのくらいの頻度で行うか」まで具体的に決められていることが、行動の定着につながりやすいポイントだと考えられます。
1日1回はメンバーの良いところを見つけて伝える、という具体的な行動を決めることができ、明日からすぐに取り組めそうです。
部下との面談を月に一度は行うという目標を立てました。関係の質を高めることを日常的に意識していきます。
受講後の感想として「もう少しこうだったら」という声が一部見られることもあります。どんな場面で出やすいかをあらかじめ知っておくと、企画の段階で対策を打ちやすくなります。
初めて話す方とグループワークをする場面があり、最初は少し話しづらさを感じました。会場の座席配置も、もう少し動線に配慮があると良かったです。
初対面のメンバー同士でのワークは緊張から発言が減りがちです。冒頭に簡単な自己紹介やアイスブレイクの時間を設け、会場のレイアウトや座席配置を事前に確認しておくとよいでしょう。オンラインの場合は、ブレイクアウトルームの人数や時間配分も事前に調整しておくと安心です。
ワークの時間が多かったが、扱う内容が部署によってはやや難しく感じる場面もありました。
部署や職種によって業務内容が異なる企業では、同じワークでも受け止め方に差が出やすいです。対象者の業務内容を把握して事例を職種に近いものへ調整することや、階層・職種でグループを分けて難易度を調整することが有効です。
扱われている内容は基本的なものが多く、以前どこかで聞いたことがあると感じる部分もありました。
リーダー経験が長い方ほど、基礎的な内容を「知っている」と感じやすい傾向があります。経験年数や役職に応じて基礎編・応用編と内容を分けたり、自社の事例に置き換えて扱ったりすることで、経験者にも価値を感じてもらいやすくなります。
これまでの感想を踏まえると、リーダー研修には次のような効果が期待できます。表現には違いがあっても、傾向として整理すると大きく3つに分けられます。
行動の変化
挨拶や声かけなど、明日から実践できる行動が明確になる
自己認識の向上
できていること・できていないことを客観的に把握できる
チーム作りへの意識
心理的安全性など、チームの土台となる考え方が身に付く
Before
リーダーシップは一部の人が持つ特別な資質だと思っていた
After
意識と行動次第で、誰でも身に付けられるスキルだと理解できた
こうした意識と行動の変化は、アンケートからも繰り返し見られた傾向です。日々のマネジメントに直結する気づきが得られている点が、リーダー研修の特徴と言えます。
ここまでの感想を踏まえて、リーダー研修を設計・実施する際に押さえておきたいポイントを整理します。自社に合ったリーダー研修を考える上で、参考にしていただける内容です。
リーダー研修を設計する際に確認したい3つの視点
自社のリーダー像がはっきりしていると、扱うべきテーマも自然と見えてきます。また、受講者の経験年数や業務内容を事前に整理しておくことで、より現場に即した内容にカスタマイズしやすくなります。会場のレイアウトやグループ編成など、細かな点も確認しておくと当日の運営もスムーズです。
まずは標準的な内容で一度実施し、そこで挙がった感想をもとに調整していく進め方もおすすめです。
研修のテーマは、チームをまとめる力を強化するものから、次の世代のリーダーを育てるものまでさまざまです。すでに管理職として活動している方には実践的な内容を、これからリーダーになる方には基礎的な内容を用意すると良いでしょう。階層に応じて内容を分けることで、受講者にとって身近なテーマとして受け止めてもらいやすくなります。目的に応じて、以下のような研修から選んでいくと良いでしょう。
リーダー研修の感想を見ていくと、わかっているつもりだったことへの気づきや、明日実践できるスキルを習得できたという声が多く見られました。一方で、受講環境や難易度の差といった気になる声も一定数あり、事前の設計次第でこうした声は減らせるでしょう。
これから研修を検討する際は、自社のリーダー像を明確にし、現場に即した内容を選ぶことが、満足度の高いリーダー研修につながります。今回紹介した感想を、研修の企画や見直しの参考にしてください。
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