ハラスメント研修の導入を検討している研修担当者の中には、「実際に受けた人はどう感じるのか」「効果はあるのか」と気になっている方も多いのではないでしょうか。本記事では、実際にハラスメント研修を受講した方の感想をもとに、良かった点と改善を望む声の両方を紹介します。あわせて、感想から見えてくる研修の効果や、研修担当者が設計時に押さえておきたいポイントも整理していきます。
目次
ハラスメント研修とは、職場でのパワハラやセクハラを未然に防ぐための知識と対応方法を身につける研修です。単に法律上の定義を覚えるだけでなく、日々の指導やコミュニケーションのなかで無意識に相手を傷つけていないかを振り返る機会としても位置づけられています。
一口にハラスメントといっても、その種類はパワーハラスメントやセクシャルハラスメントだけでなく、マタニティハラスメントやカスタマーハラスメントなど多岐にわたります。それぞれ発生しやすい場面や注意すべきポイントが異なるため、自社で特に起こりやすい場面に落とし込んで理解を深めていくことが重要です。
まずは、ハラスメント研修を受講した方から寄せられた、好意的な感想を紹介します。「知識が整理できた」「実践的な内容だった」「今後の行動していきたい」といった声が中心です。
本記事で紹介するアンケートのコメントは、実際に研修を受講した方の回答を基にしていますが、個人が特定できないよう文言や属性情報を加工しています。
もっとも多く挙がったのが、ハラスメントの定義やグレーゾーンについて理解が深まったという感想です。「なんとなく知っているつもり」だった内容が、研修を通じて整理されたと感じる方が多いようです。
ハラスメントに対する心構えや定義だけでなく、具体的な対応方法までワークを交えて確認できたのが良かったです。
これまで何気なく行っていた言動が、受け手や周囲の状況によってはハラスメントに該当しうると気づかされました。
また、管理職向け研修の受講者からは、グループディスカッションを通じた気づきについての声も多く見られました。
グループディスカッションを通じて、他のメンバーの考え方に触れられたことが大きな気づきになりました。同じ組織にいるからこそ得られる視点だと感じます。
座学だけでなく、事例をもとにしたワークやディスカッションを取り入れたことで、理解が深まったという感想も目立ちました。
具体例が多く盛り込まれていて実践的な内容だったので、とても参考になりました。定期的に参加者同士で発表する時間もあり、他の人の意見が聞けたのも良かったです。
半日という限られた時間のなかで、ワークを挟みながら進行してもらえたので理解がしっかり深まりました。
実際の判例に基づいた説明もあり、根拠を持って理解できたのでとても分かりやすい内容でした。
管理職向け研修では、「明日から何をすればよいか」まで具体的にイメージできたという感想が多く見られました。
心理的安全性という観点から、自分自身の言動を改めて見直す良いきっかけになりました。今回の内容は全従業員にとっても重要だと感じたので、対象を広げて実施しても良いのではと思いました。
部下への声かけの仕方について、具体的に見直すきっかけになりました。まずは自分が率先して行動することで、部下にも姿勢を示していきたいと思います。
ここまで紹介したように、ハラスメント研修の感想としては「知識が整理できた」「実務にすぐ活かせそう」といった前向きな声が中心です。一方で、改善の余地を感じたという意見も一定数寄せられています。次の章で詳しく見ていきます。
ハラスメント研修の受講者の声のなかには、内容や進め方に関する改善要望もあります。ネガティブな感想であっても、研修をより良くするためのヒントとして参考になります。ここでは代表的な意見と、その対応策をあわせて紹介します。
もっとも多かったのが、時間配分やボリュームに関する意見です。特に、内容多くワークまで時間が足りなかったという感想が見られました。
内容自体は良かったのですが、情報量が多くやや消化不良に感じました。
ケースに沿ったヒアリングの実践ワークがありましたが、時間が短く途中で終わってしまったのが少し残念でした。
ハラスメントは種類が多く、満遍なく全てを取り扱ってしまうとこのような意見が出ることも多々あります。この場合は、研修の目的に応じて時間配分や内容を事前に調整しておくことが有効です。座学部分をコンパクトにまとめ、ワークの時間を厚めに確保する、あるいは研修自体を半日型と1日型で使い分けるといった工夫が考えられます。
管理職向け研修を中心に、「どこからがハラスメントに該当するのか」という線引きについて、もう少し具体的な事例がほしいという声や、内容がやや基本的で物足りなかったという声が見られました。
ハラスメントに該当する・しないの具体的な線引きについて、もう少し事例を紹介してもらえるとさらに良かったです。
ベーシックな内容が多く、意見交換も深まらなかった感じがした。
管理職としてはすでに理解している内容も多く、やや易しい印象を受けました。
このような声に共通しているのは、画一的な内容では物足りなさを感じやすいという点です。そもそもハラスメントの判断は状況や関係性によって変わるため、現実には「ここから先はNG」という完全な境界線を引くことは難しくなっています。だからこそ研修では自社の実情に近い事例を扱うことが重要になります。業種や職種に合わせたケーススタディを増やすことや、対象者の経験値や役職に応じて内容の難易度を調整することが、効果的な解決策になります。
アンケートに寄せられたコメントを分類すると、受講者が研修の効果として感じているポイントを大きく3つに整理できます。
知識の整理
ハラスメントの定義や種類、グレーゾーンについて体系的に理解できる
行動の見直し
自分の普段の言動を客観的に振り返るきっかけになる
組織風土への波及
心理的安全性や傾聴の重要性が共有され、職場全体の雰囲気づくりにつながる
「知識の整理」と「行動の見直し」は、受講者自身にとって大きな価値を持ちます。ハラスメントへの理解が曖昧なまま指導やコミュニケーションを続けると、本人に悪意がなくても加害者になってしまったり、逆に必要な指摘さえ躊躇してしまったりするリスクがあります。研修を通じて知識が整理され、自分の言動を振り返る習慣が身につくことで、こうした被害者・加害者双方のリスクを減らし、安心して周囲と関わり続けられるようになるのです。
そしてこの変化が受講者一人ひとりに積み重なることで、職場全体に心理的安全性が根付いていきます。心理的に安全な職場は、社員が萎縮せず率直に意見を言い合える環境であり、ハラスメントによる休職・離職の防止だけでなく、生産性の向上にもつながります。つまり企業にとっては、リスク管理と組織力強化を同時に実現できる点に価値があるといえます。
心理的安全性とは
チームや組織のなかで、意見や質問、ミスの報告などを、非難や拒絶といった対人関係のリスクを恐れずに発言・共有できる状態のこと。誰もが働きやすい環境になることで、チーム全体の生産性向上にもつながるとされる。
ここまでの感想を踏まえ、効果的なハラスメント研修を実施するためのポイントを整理します。
効果的なハラスメント研修にするための4つのポイント
下記のハラスメント研修も参考にしてみてください。
管理職向けに、より部下指導に踏み込んだ内容を検討している場合は、以下の研修もあわせて参考にしてください。
グレーゾーンの判断力を強化したい場合は、ケーススタディに特化した研修も選択肢になります。
時間配分やボリュームに不安があるという場合は、要点を絞った半日型の研修も参考にしてください。
ハラスメント研修の感想を見ていくと、「改めて理解できた」「行動を見直すきっかけになった」というポジティブな声が中心である一方、時間配分や事例に関する改善要望も一定数寄せられていることが分かります。ネガティブな感想は、研修そのものへの関心の高さの裏返しでもあり、次回以降の内容改善に活かせる貴重な材料です。
自社に合わせたハラスメント研修の導入を検討する際は、今回紹介したポイントを参考にしてみてください。
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