その年の新入社員に合わせた研修カリキュラムを選び、実施することが理想です。しかし、どのような内容が適しているのかという部分や研修カリキュラムの組み立て方がわからないという悩みは多くあります。
本記事では、新入社員研修のカリキュラム作成方法を具体的に解説し、研修を効果的に行うためのポイントを整理します。
新入社員の早期戦力化や組織目標の浸透を目指す企業の皆様の参考になれば幸いです。
目次
新入社員研修の目的は、ビジネスパーソンに必要な基礎スキルとマインドを醸成することです。具体的には以下の通りです。
企業理念やビジョンをはじめ、組織が目指す方向性を新入社員に理解させることで、一体感とモチベーションを高められます。
企業のミッションやビジョン、パーパスや将来的な目標を研修初期に共有し、そのために必要なスキルをこれから学ぶという形で研修を進めていくことが理想です。その結果、早い段階から組織の方向性と自身の役割を結びつけ、主体的に動ける社員が育ちやすくなります。
研修内容が体系化されていると、新入社員が次に学ぶべきスキルを明確に把握できるため、スムーズな成長をサポートできます。一方で、場当たり的な指導だと重複や抜け漏れが起きやすく、新人への負担が増えることも多いです。
社会人として必要なスキルや学ぶべき内容を一覧で示すことで、新入社員としても「やるべきこと」が明確になります。「早く一人前になりたい」という思いは強くとも、何をしたら良いかわからず不安という新入社員は少なくありません。
新入社員研修を実施し、その内容やカリキュラムをあらかじめ提示することで、新人の不安を軽減し成長イメージを抱かせモチベーションを高めることが期待できます。
研修カリキュラムは、組織の目的と新人育成の狙いを踏まえて設計することが成功の鍵です。以下は一般的な流れです。
新入社員がいつまでにどのレベルへ到達してほしいのか明確な数値や指標を設定します。例としては、「入社後3か月で営業基本スキル習得」「半年後にチーム単位でプロジェクトを遂行できる能力」などで、具体的に組み立てることで研修の焦点を定めやすくなります。
ビジネスマナーや社会人に必要なマインドから業務上必須の専門知識までを網羅的に学べるようにテーマを選びます。リスト化の際には難易度や重要性の度合いを示すと、研修内容の優先順位がつけやすくなります。
職種が多様な企業では職種別のチェックリストを作成し、研修設計に反映させる方法もおすすめです。
学習目的に応じて手段や研修形式を考えるフェーズです。実務に近い体験を重視する企業ではロールプレイングやグループワークを大きく取り入れ、全体のバランスを図っています。
さらにeラーニングを導入すると、個人のペースで学習が進められ、理解度の均一化にもつながります。
洗い出したスキルと研修手法をもとに、実施の順序と日程を決めます。長期期間の研修の場合、途中でチェックポイントを設けるなど進捗と定着度合いを見極める仕組みが不可欠です。スケジュールの設定は、研修担当者や人事部だけでなく、現場の受け入れ部署との連携も大切になります。
社内で研修する場合は、この時点で講師役を社員に依頼します。実績がある社員以外にも、比較的年次が近い若手社員をアサインすることにより、直近の経験や「自身が新入社員だったときどう対応したか」などの経験談が活用できるためおすすめです。
研修会社については、本記事を作成しているリスキルのように多くの会社が提供しています。研修会社の選出方法は様々ですが、上記で設計した研修に希望する内容が自由にカスタマイズできることがおすすめです。複数の企業のサービス内容を確認しながら選びましょう。
実際に研修を実施する前に、受講者だけでなく現場の社員や管理職に向けても情報を共有します。教材の手配や会場準備など、細かな業務を抜け漏れなく進められるよう担当を割り振ることがポイントです。
社外へ研修を依頼している場合には、研修会場の確保などだけですむことが多いため、ここの手間を省くことができます。
研修終了後には、学習効果やスキルの定着度を定期的にチェックし、必要に応じて追加の研修(新入社員フォローアップ研修など)を取り入れます。
ここで得られたフィードバックを次回以降の研修設計に反映すると、採用後の教育体制をさらにブラッシュアップできます。
新入社員向けに実施したい研修は以下の通りです。一般的には、自己管理能力や仕事への姿勢などの土台を確立し、次いで業務上必要な技術やコンプライアンスの理解へ移行する流れが良いでしょう。
自社のビジョンや事業内容をしっかりと理解してもらうオリエンテーションは、会社とのつながりを実感させる絶好の機会です。内定者研修として実施している企業も多いですが、入社式後にあらためて実施することがおすすめです。具体的に自分が関わる業務が企業全体の中でどのようなポジションにあるのかを知ることで、仕事への意欲が格段に高まります。
社会人としての第一歩は基本的なマナーの習得から始まります。ビジネスマナー研修では、正しい挨拶や電話応対、名刺交換などは初対面の印象を大きく左右するため、丁寧に指導する企業が多いです
カリキュラムとしては、マナーの五原則などを中心にワークやロールプレイを取り入れて実施することが多いでしょう。これらが身につくと社内外での人間関係構築がスムーズになり、ビジネスの円滑化に直接貢献します。
責任感や協調性、主体性をもって仕事に取り組む姿勢は、あらゆる業種・職種に共通して求められます。新入社員の時期に価値観や仕事観を丁寧に共有しておくと、業務への取り組み方に一貫性が生まれやすいです。
円滑な業務を進めるうえで、報連相は欠かせない要素です。特に新入社員はタイミングや表現方法をつかみきれないことが多いため、コミュニケーション研修にて、ロールプレイなどで実践的に学ぶことが良いでしょう。チーム内外との連携がスムーズになり、ミスやトラブルを未然に抑制しやすくなります。
情報を整理し、論点をすばやく見極める能力は日々の業務改善に直結します。ロジカルシンキング研修では、問題発見から解決策の提案までを具体的に体験させるプログラムが好評です。こうした思考法を習得することで、組織全体の生産性向上にも貢献することが期待できます。
WordやExcelなど基本的なオフィスソフトのスキルはもちろん、オンライン会議ツールやメールの活用法などデジタルリテラシーの強化が必須となっています。
特にリモートワークやテレワークが普及している現在、社内外とのコミュニケーションを支える機能を活用できるかどうかが業務効率を大きく左右します。こうしたスキルを研修で学ぶことで、新入社員がどのような環境でも柔軟に対応できる基礎ができあがります。
企業の一員として法律や社内規定、道徳観を順守するのは当然ですが、その重要性を改めてレクチャーすることが研修では求められます。特に情報漏えいやハラスメント防止などは企業価値を守るうえで欠かせないトピックです。これらを正しく理解して行動できる社員が増えるほど、組織としての信頼度も高まります。
研修の実施後は、学習効果やスキルの定着度を評価し、必要に応じて追加フォローを行うことが重要です。面談やテスト、アンケートなど多角的な手法を活用し、研修終了後すぐだけでなく数か月後にもフォローアップを行うことで、理解度の持続や改善点の洗い出しが可能になります。
本記事では、新入社員研修のカリキュラムについて扱いました。効果的な研修は新入社員の成長と組織の発展を支えます。自社の状況や目標に合ったカリキュラムを構築し、継続的なフォローアップを通じて、人材を計画的に育成することを心がけましょう。
リスキル事務局が記事の執筆・監修をしています。人材育成にまつわるお役立ち情報を分かりやすく解説します。
■社員研修のリスキルとは?
社員研修のリスキルは、一人でも多くの人に人材育成を届けるために、利便性の高い研修サービスを提供しています。検索をすれば、一社で実施する研修、日程が決まっている参加型公開講座、eラーニング動画講座などをすぐに見つけ、簡単に申込みや見積書を作成することができます。
■プロフィール
会社名:株式会社リスキル
(「リスキル」は株式会社リスキルの登録商標です。)
設立:2022年5月2日
上場市場:東京証券取引所グロース市場
■研修実績
・利用社数は年間2900社以上
・受講人数は年間9万人以上
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