タイムマネジメントとは?残業が減らない職場を変える4つの習慣

タイムマネジメントとは、限られた時間の中で何にどれだけ時間を使うかを決めて行動することで、「時間管理」とも呼ばれる。残業がなかなか減らない職場では、業務量だけでなく、社員一人ひとりの時間の使い方に原因があることも多い。

本記事では、残業を減らす4つの習慣と階層別の優先順位のつけ方、職場全体で取り組むためのポイントを紹介しよう。

作成者
株式会社リスキル

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タイムマネジメントとは

タイムマネジメントとは、時間の中で行動を管理することだ。「時間管理」とも呼ばれ、仕事を効率よく進めて成果を上げるための考え方を指す。

ビジネスでは、業務の効率化や生産性の向上、残業の削減を目的に取り組まれることが多い。個人の仕事の進め方だけでなく、チームや職場全体の働き方にも関わるテーマだ。

管理するのは時間ではなく「行動」

「時間管理」といっても、時間そのものを管理できるわけではない。時間は止めることも、延ばすこともできないからだ。

管理するのは、限られた時間の中での自分の行動だ。抱えている仕事を把握し、優先順位を決め、計画を立てて実行する。こうした一連の行動が管理の対象になる。

スケジュール管理・タスク管理との違い

似た言葉に、スケジュール管理とタスク管理がある。どちらもタイムマネジメントを支える手段だが、それぞれ扱う範囲が異なる。

用語 主な目的 管理する対象
タイムマネジメント 限られた時間で成果を最大化する 時間の使い方(行動の選択)
スケジュール管理 予定を立て、その通りに実行する いつやるかという時間の枠
タスク管理 やるべき仕事を漏れなく処理する 仕事の一覧と期限・進み具合

スケジュールやタスクを管理できていても、時間をうまく使えているとは限らない。例えば予定表がびっしり埋まっていても、成果につながらない会議ばかりでは意味がない。その時間の使い方で成果が出るかまで考えるのが、タイムマネジメントの役割だ。

残業が続くリスクと減らない原因

タイムマネジメントが特に求められるのは、残業がなかなか減らない職場だ。ここでは、残業が続くことのリスクと、残業が減らない原因を整理しておこう。

残業が続くことのリスク

残業が当たり前になっている職場は、次のようなリスクを抱えている。

リスク 内容
法令面 時間外労働の上限は原則として月45時間・年360時間。超えると罰則の対象になる
健康面 休息が十分に取れず、心身の疲労がたまっていく
仕事の質 疲れた状態では集中力が続かず、仕事の質やスピードが落ちやすい

特に法令面は、会社として放置できない。社員の健康を守るためにも、早めの見直しが必要だ。

原因は業務量だけではない

残業が減らない原因として、まず目が向きがちなのは業務量の多さだ。もちろん、それが原因のこともある。

ただ、同じくらいの業務量なのに毎日遅くまで残る社員もいれば、定時で仕事を終える社員もいる。この差は、能力や性格よりも、日々の時間の使い方の習慣から生まれることが多い。だからこそ、業務量の調整とあわせて、一人ひとりの仕事の進め方を見直すことが欠かせない。

残業を減らすために身に付けたい4つの習慣

時間の使い方が上手い社員が実践している習慣は、大きく次の4つに整理できる。いずれも、抜け漏れによるやり直しや締切直前の追い込みなど、残業につながりやすい時間を減らすものだ。

1

仕事を一か所で管理する

頭の中で覚えておかず、抱えている仕事と期限を決めた場所にまとめておく

2

すぐやる仕事を見極める

5分以内で終わるものはすぐ片付け、それ以外は「いつやるか」を決めて予定に入れる

3

余裕のある予定を立てる

所要時間を見積り、勤務時間いっぱいに仕事を詰め込まない

4

早めに相談・依頼する

迷ったら一人で抱え込まず、上司に確認したり周囲に任せたりする

習慣1:仕事を一か所で管理する

人の記憶には限りがあり、忙しいときほどやるべきことは抜け落ちやすい。上司に「あの件、どうなった?」と聞かれて慌てた経験がある人もいるだろう。

時間の使い方が上手な社員は、仕事を頭で覚えておこうとしない。頼まれた仕事は手帳やタスク管理ツールなど決めた場所にその場で記録し、期限も一緒に管理している。管理する場所を一か所に絞っておくと、漏れが出にくい。

習慣2:すぐやる仕事を見極める

抱えている仕事を前に、どれから手をつけるか迷っているうちに時間が過ぎてしまうこともある。そこで役立つのが、「5分以内で終わるものはすぐやる」という基準だ。

短いメールの返信や簡単な確認は、その場で片付けてしまう。一方、5分以上かかる仕事は「いつやるか」を決めて、カレンダーや予定表に入れておく。後でやる仕事も予定に入っているので、目の前の仕事に振り回されにくくなる。

習慣3:余裕のある予定を立てる

急ぎの依頼や問い合わせなど、予定外の仕事は毎日のように入ってくる。予定の立て方によって、こうした仕事への対応のしやすさは大きく変わる。

Before

仕事を詰め込んだ計画を立て、予定外の仕事が入ると計画が崩れる

→

After

余裕のある予定を立てておき、予定外の仕事が入っても計画全体が崩れにくい

余裕のある予定を立てるには、仕事ごとにかかる時間をある程度見積れることが前提になる。日ごろから所要時間を記録しておくと「この資料作成は2時間くらい」と見当がつき、無理のない計画を立てやすい。こうした見積りの目安を「標準時間」と呼ぶ。

習慣4:早めに相談・依頼する

優先順位に迷ったまま一人で仕事を抱え込むと、締切の直前になって問題が表に出やすい。時間の使い方が上手い社員は、迷った段階で上司に相談している。例えば、抱えている仕事の一覧を見せながら「AよりBを先に進めたいのですが、問題ないでしょうか」と確認する。自分の考えを添えておくと、的確な指示が返ってきやすい。

相談だけでなく、依頼も早めが肝心だ。任せられる仕事を前もってお願いしておけば、締切直前に慌てずに済む。

優先順位のつけ方は階層によって変わる

4つの習慣を実践するうえで欠かせないのが、優先順位をつけることだ。ただし、そのつけ方は立場によって変わってくる。仕事を自分で取捨選択できる範囲が、階層によって大きく違うからだ。

階層 仕事の取捨選択 優先順位のつけ方
新入社員・若手社員 任された仕事は基本的にすべて行う 期限と所要時間から、取りかかる順番を決める
中堅社員・管理職 やる・やめる・任せるを自分で判断できる 緊急度と重要度で判断し、無駄な仕事を減らす

新入社員・若手社員:期限と所要時間で順番を決める

新入社員や若手社員が任される仕事は、上司や先輩から依頼されたものが中心だ。どれも必要な仕事なので、「やるか、やらないか」ではなく「どの順番で、いつやるか」を考えることになる。

そこで大切なのは、抱えている仕事とそれぞれの期限を漏れなく把握することだ。そのうえで、5分以内で終わる仕事はすぐに片付け、それ以外は期限と所要時間から逆算して予定に入れていく。期限が重なって順番に迷うときは、一人で悩まずに上司に確認すればよい。

大きな仕事を任されたときのポイント

大きな仕事は、工程ごとに分けて計画する。例えば会社説明会の資料なら、「情報収集→構成案の作成→本文の作成→確認依頼」のように分け、工程ごとに期限を決める。進み具合が見えるので、上司も途中で助言しやすくなる。

中堅社員・管理職:緊急度と重要度で判断し、仕事を減らす

中堅社員や管理職になると、自分の仕事に加えて後輩やチームの仕事にも関わるようになる。何をやるか・やめるか・誰に任せるかを自分で判断できる場面も増える。ただ、急ぎの対応に追われて締切の近い順に動いていると、本当に大事な仕事が後回しになりやすい。

そこで役立つのが、緊急度と重要度の2つの軸で仕事を4つに分類する「緊急度×重要度マトリクス」だ。特に注目したいのは、左下の「緊急度が低く、重要度が高い仕事」だ。業務改善や後輩の育成などがここに入る。急ぎではない分後回しにされやすく、放っておくと左上の「緊急度も重要度も高い仕事」に変わってしまう。

優先順位を考える際に活用する緊急度×重要度マトリクス

重要な仕事の時間をつくるポイント

左下の仕事に時間を確保するには、右側の重要度が低い仕事を減らす必要がある。業務の見直しにはECRS(イクルス)の原則が役に立つ。後輩に任せられる仕事は任せることも考えたい。

用語

ECRS(イクルス)の原則とは

業務を「なくせないか(排除)」「まとめられないか(結合)」「順番や担当を変えられないか(交換)」「簡単にできないか(簡素化)」の4つの視点で見直す考え方を指す。

職場全体でタイムマネジメントに取り組むには

一部の社員だけでは職場は変わらない

4つの習慣も優先順位のつけ方も、考え方そのものは難しくない。しかし、一部の社員が個人的に取り組むだけでは、職場全体の残業はなかなか減らない。理由は大きく2つある。

  • 自己流では続きにくい:自分の時間の使い方の癖に気づきにくく、忙しくなると元のやり方に戻りやすい
  • 周囲と考え方がそろわない:仕事の多くは複数人で進むため、一人だけが進め方を変えても相談や依頼がかみ合わない

研修で職場の共通の考え方をつくる

社員がタイムマネジメントを身に付ける手段の一つに、研修がある。研修では考え方を知るだけでなく、自分の業務を題材にしたワークを通じて実際に試せる。同じ職場のメンバーで受講すれば共通の考え方がそろい、職場全体で取り組みやすくなる。研修を通じて目指したいのは、次のような職場の状態だ。

  1. 一人ひとりが自分の業務と所要時間を把握している
  2. 優先順位をつけ、余裕のある予定を立てている
  3. 共通の考え方をもとに、早めに相談・依頼し合っている

階層によって優先順位のつけ方が違うため、研修の内容も受講者の階層に合わせて選びたい。例えば新入社員・若手社員には、仕事の見極めやスケジュールの立て方を扱う研修が合う。短時間で基本を押さえたいなら半日の研修もある。

研修のテーマに悩んだ時や、社員が楽しく受講できる研修を実施したい場合は以下も参考にしてほしい。

まとめ

タイムマネジメントとは、限られた時間の中で何にどれだけ時間を使うかを決めて行動することだ。残業が続くと、法令面や社員の健康面でのリスクも大きくなる。その残業を減らす手立てになるのが、日々の時間の使い方の習慣だ。

社員に身に付けてほしいのは、「仕事を一か所で管理する」「すぐやる仕事を見極める」「余裕のある予定を立てる」「早めに相談・依頼する」の4つの習慣だ。階層によって優先順位のつけ方が違う点も押さえておきたい。研修なども活用しながら、職場全体で取り組んでほしい。

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