タイムマネジメントは、ゲームや演習を使えば体験的に身に付きます。制限時間の中で実際に動くぶん、座学で知識を入れるだけよりも、時間の使い方が実感として残りやすいのが強みです。
この記事では、遊び感覚のチームゲームから実務に近い演習型まで、タイムマネジメントを体験しながら習得できる3つの研修を紹介します。
目次
タイムマネジメントは、知識というより“習慣”に近いスキルです。「優先順位をつけましょう」「段取りが大事」と聞けば頭では理解できますが、いざ忙しくなると、目の前のことから手をつけてしまう人は多いです。
つまり、時間の使い方は「わかる」と「できる」の差が大きい領域です。だからこそ、講義で知識を入れるだけでなく、実際に手を動かして試すことが近道になります。
ゲーム型研修には、制限時間が組み込まれています。参加者は「時間が足りない」状況を実際に味わい、その中でどう動くかを試すことになります。
さらに、ゲームのあとには振り返る時間があるため、「最初に手を動かしすぎた」「情報共有が遅れた」といった“時間の使い方の癖”に自分で気づけます。楽しみながら取り組めるので、前向きに参加してもらいやすいのも利点です。
ひと口にゲーム型といっても、幅があります。マシュマロチャレンジや脱出ゲームのように、チームで盛り上がりながら取り組む“遊び感覚のゲーム”もあれば、インバスケットのように、実務をリアルに疑似体験する“演習型”もあります。
どちらが上ということではなく、目的が違うだけです。楽しく協働の感覚をつかみたいのか、実務に近い形で判断力を鍛えたいのか。次の章から、それぞれの研修を具体的に見ていきます。
ゲームや演習を通じて時間の使い方を体験できる3つの研修を紹介します。遊び感覚で取り組めるものから、実務に近い演習型まで、目的に合わせて選べます。
マシュマロチャレンジ研修は、限られた材料と時間で「マシュマロを頂点にしたタワー」をチームで組み立て、高さを競うビジネスゲームです。単純そうに見えて、協力して成果を出す難しさや役割分担のコツを、手を動かしながら体感できます。
楽しみながら取り組めるため、チームビルディングや若手の協働体験の入り口に向いています。

制限時間の中で「段取りをどうつけるか」を体でつかめます。ポイントは次の3つです。
4〜5人のチームに分かれ、メンバーで意見を出し合いながら1つのタワーをつくります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 材料 | パスタ20本/テープ90cm/ひも90cm/マシュマロ1個/はさみ1丁 |
| 制限時間 | 18分(多くは2ラウンド制) |
| ルール | マシュマロを頂上に載せ、自立させる。足場の固定・材料の追加は不可。倒れたら記録なし |
| 目標の目安 | 世界記録は99cm |
2ラウンド制では、1回目のあとにチームで振り返り、改善して2回目に挑むため、試行錯誤そのものが練習になります。
対象は新入社員から管理職まで、チーム単位で参加します。所要時間は約1.5時間と短めで、他の研修と組み合わせたり、チームビルディングの一環として取り入れたりしやすいのも特長です。
▶研修ページ:マシュマロチャレンジ研修
深海探索艇からの脱出ゲームは、海底で立ち往生した探査艇から、制限時間内にチームで脱出を目指すビジネスゲームです。役割ごとに持っている情報がバラバラなので、メンバーで連携し、情報を共有し合いながら課題を解いていきます。
ストーリー性があり没入して取り組めるため、内定者フォローや新入社員研修など、まだ関係のできていないメンバーの相互理解にも向いています。

「残り時間40分」という設定そのものが、時間の使い方を試します。ポイントは次の3つです。
4人1組で役割を分担し、それぞれが持つ情報を持ち寄りながら脱出を目指します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 設定 | 水深8,000mの海溝で立ち往生した探査艇からの脱出。制限時間は40分 |
| チーム | 4人1組。地形学者・通信士・医療担当者・技術者の役割を分担 |
| 進め方 | 各自が持つ情報を口頭で共有し、3つの課題(物資の選択→ロック解除→脱出)を順に解く |
| ポイント | 情報は原則“口頭のみ”で共有。時間管理は医療担当者が担当 |
役割ごとに情報が分かれているため、「誰が何を持っているか」を早く把握し、素早く集約できるかが脱出の分かれ目になります。
対象は内定者から中堅社員まで。所要時間は約1時間(ゲーム本体は40分)で、限られた時間の中でチームが連携する感覚を、楽しみながらつかめます。
▶研修ページ:深海探索艇からの脱出ゲーム
インバスケット研修は、架空の管理職になりきり、制限時間内にできるだけ多くの「未処理の案件」を処理していく演習型の研修です。メール対応や依頼、トラブルなど、実務で起こりうるタスクが次々と出てくるため、遊びというより“実務のシミュレーション”に近いのが特徴です。
3つの中では一番タイムマネジメントに直結しており、優先順位づけと判断のスキルを、実務に近い形でじっくり鍛えたいときに向いています。

制限時間の中で「何を優先し、どう素早く処理するか」を鍛えます。ポイントは次の3つです。
架空の管理職になりきって個人で取り組み、グループでの共有や講師のフィードバックを通じて、自分の判断の傾向を確認します。
| ステップ | 内容 |
|---|---|
| 1. 基礎理解 | インバスケットの考え方を押さえる |
| 2. 実践 | 架空の管理職になり、制限時間内に複数の未処理タスクを処理する |
| 3. 仕事のこなし方 | 緊急度×重要度で優先順位をつける方法を確認する |
| 4. 問題解決 | なぜなぜ分析・ロジックツリーで、本質的な原因に対処する |
| 5 .トレーニング | ケースワークで問題発見・問題解決力を高める |
管理職を中心に、幅広い階層で受講できます。所要時間は6時間ほどとしっかりめで、時間管理の判断力を実務に近い形で鍛えたいときに適しています。
▶研修ページ:インバスケット研修
3つの研修は、目的と対象者で選ぶと迷いません。
楽しい雰囲気で時間感覚を養いたいチームには、マシュマロチャレンジ研修や深海探索艇からの脱出ゲームがおすすめです。盛り上がりながら、制限時間の中で段取りや連携を体験できます。新入社員・若手・内定者のチームビルディングにも向いています。
主な違いは次のとおりです。
| マシュマロチャレンジ | 深海探索艇からの脱出ゲーム | |
|---|---|---|
| 鍛えられる要素 | - プロトタイピングの姿勢 - コミュニケーション - 失敗から学ぶ改善力 |
- 合意形成力 - 協働する力 - 情報を上手く伝える力 |
| タイムマネジメントの絡み | 「作って・試して・直す」を制限時間内で回し、時間配分の感覚をつかむ | 分かれた情報を限られた時間で共有・集約し、時間を意識した連携が身に付く |
| 主な対象 | 管理職まで含めた全社員 | 内定者〜中堅 |
現場に近い状況で、限られた時間での意思決定力を高めたい場合には、インバスケット研修がおすすめです。架空の管理職として、優先順位づけと素早い判断をじっくり鍛えられます。管理職や、実務で時間の使い方に課題を感じている方にうってつけです。
タイムマネジメントは、知識だけでは身に付きにくいスキルです。ゲームや演習で「限られた時間の中で動く」体験をすると、時間の使い方が実感として残ります。
今回紹介した3つのうち、マシュマロチャレンジと脱出ゲームは、チームで楽しく段取りや連携をつかめるタイプ。インバスケットは、実務に近い形で優先順位づけと判断を鍛える演習型です。
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