リスキルラボ 【メンタル不調は二刀流で守る】セルフケアとラインケアの実践ポイント

【メンタル不調は二刀流で守る】セルフケアとラインケアの実践ポイント
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職場でのメンタルヘルス対策は、一部の従業員に限った問題ではない。ストレスを抱えやすい現代社会の中では、多くの人に必要だ。

本記事では、セルフケアとラインケアの違いや定義、具体的な内容、実践のコツなどを解説する。

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セルフケア・ラインケアとは何か

はじめに、セルフケアとラインケアとは何かを見ていこう。

セルフケアとは

セルフケアとは、「不調を早期に察知し、悪化する前に対処すること」だ。厚生労働省が示すセルフケアは、主に3つの要素から構成されている。

ストレスに気づく

ストレス反応は、分かりやすい感情のみが現れるわけではない。見えづらい症状として、次の症状が現れることもある。

  • 集中力の低下
  • 些細なことでイライラする
  • 仕事への意欲が湧かない
  • 睡眠の質が下がる

多くの人が経験する一般的な症状であるがゆえに、見過ごされやすい。たとえ些細に感じる症状であっても、いつもと違う状態に気づいて行動することが、メンタルヘルスの維持につながる。自分の変化を客観的に捉える視点を持つことで、不調を早期に察知できるようになるだろう。

生活習慣や体調を管理する

業務の忙しさを理由に後回しにされがちだが、生活習慣が乱れた状態では、ストレスへの抵抗力が著しく低下する。仕事の成果だけでなく「回復できる状態を保てているか」の視点を持つことが重要だ。

必要に応じて相談する

「自分で何とかしなければならない」「弱音を吐くのは良くない」などの思い込みは、不調を長期化させる要因になりやすい。一人で抱え込まず、上司や同僚、産業医などへの相談が大切だ。

ラインケアとは

ラインケアとは、管理職や上司が日常的なマネジメントの中で部下の変化に気づき、職場としてメンタルヘルスを支える取り組みのことだ。具体的には以下のような取り組みが当てはまる。

部下の変化を早期に発見する

表情・声のトーン・発言量・仕事の進め方・ミスの増加・遅刻や欠勤の頻度など、不調の兆候は日常業務の中に現れる。異変が明確になってから対応するのではなく、小さな違和感の段階で関心を持つことが大切だ。

声かけと状況把握を行う

ここでの声かけとは、指導や評価を目的とするものではない。「最近どう?」「体調大丈夫?」などのコミュニケーションを通じて、部下が話しやすい雰囲気をつくることだ。さらに、必要な配慮や相談窓口への連携も重要だ。管理職が一人で抱え込むのではなく、人事部門や産業医、社内外の相談窓口につなぐことが求められる。

一目でわかる!セルフケアとラインケアの違い

セルフケアとラインケアの違いは以下の通りだ。

項目 セルフケア ラインケア
主体 従業員本人 管理職・上司
目的 自分の不調に気づき整える 部下の不調を予防・早期発見・支援
役割 自己管理 組織としての責任
主な行動 気づく/整える/相談する 観察/声かけ/配慮/連携

セルフケアとラインケア実施時のコツ

セルフケアやラインケアは、制度や知識を理解しているだけでは十分に機能しない。重要なことは、継続的に実践できる形に落とし込むことである。それぞれの実施時のコツを見ていこう。

セルフケア実践時のコツ

セルフケアでは限界が来る前に、数分の小さな習慣で自分を労うことが大切だ。

不調の初期サインを把握しておく

セルフケアを機能させるには、「違和感」を見逃さない視点が欠かせない。初期サインの例として、次の症状が挙げられる。

  • 眠りが浅い日が続く
  • 朝の立ち上がりが重い
  • ミスが増える
  • 些細なことで焦る
  • 気分の波が大きい

上記の症状が現れた場合、不調のきっかけである可能性がある。ポイントは、症状の強さではなく継続性だ。長く続くほど、メンタル不調に陥っている可能性が高い。初期サインをあらかじめ把握しておけば、早い段階で自分の変化に気づきやすくなり、適切にケアできるだろう。

話すことで回復しやすい状態を作る

不調の初期段階で誰かに話すと、気持ちの整理ができたり、周囲に理解してもらう機会をつくったりできるため、回復しやすくなる。話す相手は同僚のほか、社内相談窓口担当者、家族、友人など選択肢は広い。

大切なのは、完璧に説明できる状態になってから話すのではなく、完璧に言語化できていなくても、違和感を持った段階で話すことだ。言葉にすると現状が明確になりやすくなり、適切な支援を受けやすくなる。

横のつながりを保険として持っておく

周囲とのつながりは、セルフケアを支える土台となる。孤立すると、状態の変化を客観視する機会が減り、判断が内向きになりやすい。日常の雑談や軽い相談ができる関係性は、深刻な不調に至る前にブレーキをかける役割を果たす。中でもテレワークや分業が進む職場では、社員間でのコミュニケーションが減りやすいため、業務連絡以外のコミュニケーションも取った方が良いだろう。

「無理をしない」を判断として扱う

無理をしないことは精神論ではなく、業務を継続するうえで欠かせない。例えば、次のようなアクションが挙げられる。

  • 休養を入れる
  • タスクの優先順位を見直す
  • 期限や量の調整を相談する

短期的に見ると「手を止める」選択に見えるかもしれないが、長期的にはパフォーマンスの維持とメンタル状態の悪化防止につながる。「頑張るか休むか」ではなく「どう調整すれば持続的に仕事ができるか」と考えることが大切だ。

ラインケア実践時のコツ

ラインケアでは、上司が部下の違和感にいち早く気づき、対話と環境調整を通じて、不調の悪化を未然に防ぐことが大切だ。

日常との比較から始める

ラインケアでは、日常との比較が大切だ。表情・話し方・返信速度・仕事の抜け漏れ・遅刻や欠勤・周囲との関わり方など、普段を知っているからこそ、わずかな差分がメンタル不調のサインになる。相手の異変を断定するのではなく、違和感を掴むことを目的とした方が、早期対応につながりやすい。

声かけは指導ではなく「状況確認」として行う

ラインケアの声かけで避けたいのは、詰問や評価の場にしてしまうことである。部下が相談できない原因として、「叱責されるのではないか」「能力不足と思われるのではないか」などの不安が挙げられる。

声かけは、原因追及ではなく状況確認として行うことが望ましい。短時間でも構わないので、落ち着いて話せる場を確保し、話を聴く姿勢を示すことが大切だ。

解決者ではなく接続者として行動する

ラインケアの核心は、管理職が当事者意識を持って迅速に動き、本人の意向を汲んだ具体的な解決案を提示したうえで、必要に応じて専門機関と連携する「伴走型」の支援にある。管理職を単なる「相談窓口への取次役」と認識するのは危ない。現場で起きている不調の兆しに最も早く気づけるのは直属の上司であり、初期対応のスピードが予後を大きく左右するからだ。

まずは「自分のチームの課題」として正面から向き合い、放置せずに速やかに対話の場を設けることが不可欠だ。面談では、単に話を聴くだけでなく管理職の権限で実行可能な解決策を具体的に提案すると良いだろう。業務量の削減や納期の調整、役割の分担変更など、現場環境の改善案を自ら提示し、本人の同意を得ながら進めていくことが重要だ。上司が自ら解決のために動く姿勢を示すことで、本人の孤立感や不安は軽減されやすくなるだろう。

そのうえで、医学的判断や高度なカウンセリングが必要だと判断される場合にのみ、(本人の同意を得てから)産業医等の専門機関へと繋ぐと良い。専門家の助言をマネジメントにどう反映させるかを考え、解決まで見守り続けることが大切だ。

制度・窓口の体制を理解しておく

社内の相談窓口・人事部門・産業医・外部支援など、利用できる支援資源を把握していないと、どうすればいいか分からなくなり、対応が遅れる可能性がある。対応の遅れは部下の状態悪化を招き、選択肢を狭めることにつながる。迅速な対応を可能にするためにも、支援体制の理解は不可欠だ。

属人的対応から「仕組み」へ落とし込む

ラインケアが機能しない典型例は、特定の管理職だけが取り組み、他の管理職は何もしない状態である。組織全体としての再現性がないため、担当者が変わると仕組みが崩れてしまう。ラインケアは、面談の頻度、声かけの基準、相談ルート、情報共有の範囲などを一定のルールとして整え、属人的対応に依存しない形にしていくことがおすすめだ。

まとめ

職場のメンタルヘルス対策では、従業員自身が取り組むセルフケアと、管理職が担うラインケアの両輪が不可欠だ。両者は主体も役割も異なるが、いずれも人が健康を保ちながら安心して働き続けるための基盤であり、どちらか一方だけでは効果を発揮しづらい。

違いを正しく理解したうえで、日常業務の中に継続的に組み込むことが、メンタルヘルス対策の要点となる。セルフケア研修ラインケア研修を受講しておくと、知識を身に付けたうえでアクションを起こせるため効果を発揮させやすい。知識をアップデートし続け、実践し続けることが大切だ。

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この記事の監修者
リスキル事務局

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会社名:株式会社リスキル
(「リスキル」は株式会社リスキルの登録商標です。)
設立:2022年5月2日
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