リーダーシップ研修の導入を検討するとき、実際に受講した方がどのような感想を持つのか気になる研修担当者の方は多いのではないでしょうか。
本記事ではリーダーシップ研修を受けた方の感想を、良かった声・物足りなかったという声の両方から傾向別に紹介します。研修を設計するうえでの対策もあわせてまとめているので、研修の企画や見直しの参考にしてください。
目次
リーダーシップ研修は、組織の目標達成に向けて周囲を牽引するスキルとマインドを習得する研修です。
リーダーシップとは、周囲に働きかけながら目標達成へ導く行動や姿勢そのものを指します。カリスマ性と捉えられることも多いですが、誰でも後天的に身に付けられるスキルです。
リーダーシップ研修の目的は、周囲によい影響を与えながら目標達成に導く行動を身に付けてもらうことです。組織の成果はリーダーひとりの力ではなく、周囲を巻き込みながら進める行動によって生まれます。対象者は管理職に限らず幅広い階層が含まれます。
対象者
管理職・中堅社員・若手社員
目的
行動によってリーダーシップを発揮できるようになること
階層によって求められる力の重点は、次のように異なります。
管理職
組織全体を牽引する力
中堅社員
チームや周囲を巻き込む力
若手社員
主体的に行動する力
すでにリーダー経験がある方にとっても、部下や時代に合わせたリーダーシップが取れているかを見直す機会になります。
ここからは、実際に寄せられた感想を傾向別に紹介します。研修内容だけでなく、実務への活用や今後の行動につながる気づきについての声も多く見られました。
以下で紹介する感想は、実際のアンケート回答をもとに、個人が特定できないように表現を一部加工しています。
もっとも多く挙がったのが、リーダーシップに対するイメージが変わったという感想です。カリスマ性がなければリーダーになれないと思い込んでいた方ほど、その変化を大きく感じているようでした。
自分はリーダーに向いていないと感じていましたが、リーダーシップはカリスマ性ではないのだと研修の早い段階で知って驚きました。
リーダーシップとは資質ではなく行動だと知り、自分にも身に付けられるものだと前向きに捉えられるようになりました。
自分ではリーダーシップを発揮しているつもりでも、実際には行動できていなかったことを研修で発見できたのが有益でした。
「自分には向いていない」と感じていた方が、行動次第で誰でも身に付けられるという考え方に触れることで、前向きな気持ちに変化していく様子もうかがえました。漠然と捉えていたリーダーシップという言葉を、具体的な行動として言語化できたことがこうした気づきにつながっているようです。
部下やメンバーへの仕事の任せ方について、新たな視点を得たという感想も数多く見られました。
どこまでを任せてどこまでを任せないのか、線引きの重要性を学びました。ちょうどよいラインを委譲し続けることが成長につながると感じています。
部下に仕事を任せる際は、必要最低限のアドバイスにとどめて成長の機会を残すことが大事だと気づきました。
すべてを教えるのではなく、あえて任せることが部下の成長につながるという考え方は、多くの受講者にとって新しい発見だったようです。
Before
気づいたことをその場で指摘し、答えをすぐに教えていた
After
一度立ち止まり、相手に考えてもらう時間を意識してつくる
部下や後輩の成長を促す行動として、承認や褒め方、加点主義の考え方に触れる感想も多く見られました。
自分は減点主義だったとわかりました。加点主義に変えて、ポジティブな思考でメンバーと接していきたいと思います。
これまでは結果ばかりを褒めていましたが、行動そのものや存在に対しても言葉をかけていきたいと思いました。
小さな行動から取り組みやすいテーマだからこそ、実務への活用イメージを持ちやすいのかもしれません。「このリーダーとなら頑張れそうと思ってもらえる存在になりたい」、という感想も複数見られました。また、「相手への期待値を上げすぎないことがイライラせずに落ち着いて接することにつながる」という気づきもあわせて語られていました。
研修を受けた感想として、一部「もう少しこうだったら」という声も見られます。どのような場面で出やすいかをあらかじめ知っておくと、企画の段階で対策を打ちやすくなります。
研修に何を求めるかは、もともと受講者ごとに異なります。特に、受講経験や役職によって次のような声が一部に見られました。
もっと深く知識を得たいタイプなので、自分としては話し合いの時間より座学の時間をやや長めに感じました。
以前に近いテーマの研修を受けたことがあったので、初めて聞く内容はやや少なく感じました。
こうした声は、研修内容そのものの良し悪しというより、受講者の経験年数や志向による受け止め方の違いから生まれるものです。事前に対象者の受講経験や役職を把握したうえで、扱う内容の分量や時間配分を調整することも重要です。
特に、リーダー経験が長い方は、基礎的な内容を「知っている」と感じやすいです。対象者によって研修内容を調整することもできますし、「今回は見直しを目的としている」と事前に周知するだけでも受け止め方は変わります。
実務への活用可能性が高く評価される一方で、受講時点の立場によっては次のような声もありました。
現在は部下がいない立場のため、学んだ内容をすぐに直接活用できる場面が少ないと感じました。
現場では一番下の立場のため直接の活用は難しいと思いました。
部下を持たない受講者にとっては、内容が管理職向けに寄って感じられることがあります。同僚や横のつながりの中でも実践できる行動を具体的に示すことや、対象者の階層に応じてカリキュラムを分けることで、当事者意識を持ちやすくなります。
階層でカリキュラムを分けるのが難しい場合は、フォロワーシップの視点を盛り込むのも一つの方法です。部下がいない立場でも、リーダーを支える側としてどう動くかという切り口であれば、自分ごととして捉えやすくなります。
フォロワーシップとは
役職や立場に関わらず、リーダーを支えながら組織やチームの目標達成に主体的に貢献しようとする姿勢のこと。
ここまで紹介してきた感想を、良かった声・気になった声に分けて振り返ります。
良かった声
気になった声
気になった声は、研修内容そのものの質というより対象者の経験年数や役職への配慮で解消できるものが中心です。対象者の属性に応じて内容や進め方を微調整することが、満足度を高めるポイントといえます。
ここまでの感想を踏まえて、リーダーシップ研修を設計・実施する際に押さえておきたいポイントを整理します。自社に合ったリーダーシップ研修を考えるうえで参考にしてください。
リーダーシップ研修を設計する際に確認したい3つのポイント
対象者の階層や業種によって受け止め方に差が出やすいテーマだからこそ、事前の対象者理解が満足度を左右します。自社の対象者に近い感想や実施実績を研修会社に事前に確認しておくと安心です。
リーダーシップ研修の感想を見ていくと、リーダーシップを行動として捉え直せたという声や、権限委譲・加点主義といった具体的な行動のヒントを得られたという声が多く見られました。一方で、内容のボリュームや受講時点の立場によって活用しづらさを感じる声も一定数ありました。事前の設計次第でこうした声は減らせるでしょう。
これから研修を検討する際は、対象者の階層や現場の状況を踏まえて実務に直結する内容を選ぶことが、満足度の高いリーダーシップ研修につながります。今回紹介した感想を、研修の企画や見直しの参考にしてください。
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