内定者研修の内容とは|4つの目的別に実施内容と具体例を紹介

内定者研修を企画する際、「辞退を防ぎたい」「入社前に基礎を身に付けてほしい」といった目的はあっても、具体的に何を実施すればよいか決められない担当者も多いのではないでしょうか。目的が変われば、扱う内容や向いている時期も変わります。

この記事では、内定者研修の内容を4つの目的別に整理し、実施内容とワーク例、向いている時期を紹介します。複数の目的を組み合わせた半日・1日の構成例も示すため、自社の研修内容を検討する際の参考にしてください。

作成者
株式会社リスキル

東証グロース上場(291A)・研修実績 年間3,900社以上

会社情報・IR情報を見る>

更新日:

内定者研修の内容は4つの目的で整理できる

内定者研修の内容は、何を目的とするかによって大きく変わります。同じ内定者研修でも、辞退防止を重視する企業と、入社後の早期戦力化を重視する企業では、実施する内容が異なります。

内定者研修で設定されやすい4つの目的

内定者研修で設定されることが多い目的は、次の4つです。

  1. 内定辞退の防止・同期とのつながりづくり
  2. 入社前の不安解消
  3. 社会人への意識の切り替え
  4. 入社後の早期戦力化

4つの目的のうち、どれを優先するかを決めると内定者研修の内容を具体化しやすくなります。目的の決め方や、内定者教育を成功させるための原則については、次の記事で紹介しています。

目的別の内容と時期の早見表

内定者研修は、内定式当日から1か月以内の10月ごろと、入社直前の1〜3月に実施されることが多い研修です。4つの目的と主な内容、ワーク例、向いている時期の対応は次のとおりです。

目的 主な内容 ワーク例 向いている時期
辞退防止
つながりづくり
会社と仕事の理解
同期との共同作業
自己紹介
ビジネスゲーム
10月ごろ
入社前の不安解消 入社後の働き方の共有
入社前の準備
準備の現状チェック
準備計画づくり
10月ごろ
1〜3月
社会人への意識の切り替え 学生と社会人の違い
会社の仕組み/仕事の進め方
違いの比較ワーク
ケーススタディ
1〜3月
早期戦力化 コミュニケーション
PCスキル
聴き方・伝え方の実践
発表ワーク
1〜3月

ここからは、目的ごとに実施内容とワーク例、向いている時期を見ていきます。

内定辞退の防止・同期とのつながりづくりを目的とした内容

会社と同期への理解を深める内容を実施する

内定から入社までは半年ほど空くことが多く、その間に会社や同期とのつながりが薄れると、入社への意欲が低下する場合があります。周囲から他社の話を聞くことで、入社に迷いが生じることもあります。そこでこの目的では、会社への理解と同期との関係づくりの両方を扱います。

  • 事業内容や仕事の流れを紹介し、自社で働く姿をイメージしてもらう
  • 先輩社員から入社後の仕事や成長の過程を聞く時間を設ける
  • 同期と協力して1つの課題に取り組む時間をつくる

会社への理解と同期とのつながりの両方を深めることで、入社への意欲を保ちやすくなります。どちらか一方だけでは、「会社に興味はあるが同期を知らない」「同期とは打ち解けたが仕事のイメージがない」といった状態にとどまりやすいためです。

つながりづくりのワーク例

同期とのつながりをつくるワークには、次のような例があります。

  • 自己紹介:一人ひとりが自己紹介をする時間を設け、同期の顔と名前を知る
  • 協働型のビジネスゲーム:チームで役割を分担し、限られた時間で1つの成果物を完成させる
  • 合意形成型のビジネスゲーム:与えられた課題について、チームで話し合って1つの結論を出す

ビジネスゲームは、チームで協力して課題に取り組む中で会話が自然に生まれるため、初対面の内定者同士でも打ち解けやすい形式です。協働型ではチームワーク、合意形成型では話し合いの進め方と、ゲームによって身に付く力も異なります。ビジネスゲームの種類や当日の進め方は、次の記事で紹介しています。

内定式前後の10月ごろに向いている

つながりづくりを目的とする研修は、内定式当日から1か月以内の10月ごろに実施するのが向いています。内定式など内定者が集まる機会を活用でき、顔を合わせた直後に関係を深められるためです。

入社までの期間が長く残っている時期だからこそ、会社や同期とのつながりを感じられる機会が意味を持ちます。

入社前の不安解消を目的とした内容

入社後の働き方と入社前の準備を整理する内容を実施する

内定者の不安は、入社後の生活が具体的に見えないことから生まれる場合が多くあります。「仕事についていけるか」「職場の人とうまくやれるか」といった不安は、情報が少ないほど膨らみやすいものです。

この目的では、入社後の働き方を具体的に伝える内容と、入社までにできる準備を整理する内容を扱います。

内容 具体例
入社後の働き方の共有 入社後の研修日程
配属までの流れ
1日の仕事の流れ
入社前の準備の整理 就職先の情報収集の方法
PCスキルの現状把握
生活リズムや体調の整え方

不安を解消するには、情報を伝えるだけでなく、入社までに自分で何をすればよいかを内定者が把握できる状態にすることが大切です。

入社前の準備を進めるワーク例

不安解消のワークでは、入社までに必要な準備を内定者自身が確認し、取り組むことを明確にしていきます。何を準備すればよいかがわかると、漠然とした不安が具体的な準備に変わるためです。

入社前の準備として確認したい項目には、次のようなものがあります。

入社前に確認したい準備の項目

  • 就職先の事業や仕事について、自分で情報を集められているか
  • 社会人として必要な意識や心構えを理解しているか
  • 入社後に使うPCスキルの現状を把握しているか
  • 入社後の生活リズムに合わせて体調を整えられているか

これらの項目を扱うワークには、次のような例があります。

  • 準備の現状チェック:上記のような項目について、自分がどこまで準備できているかを確認する
  • 就職先の情報収集:企業のWebサイトやニュースなどを使い、就職先の事業や業界の動きを調べる
  • 入社までの準備計画づくり:PCスキルや生活面の現状をふまえ、入社までに取り組むことを書き出す

たとえばExcelの操作に自信がない内定者は、入社までに基本操作を練習するという具体的な目標を立てられます。準備の現状と、入社までに取り組むことが明確になることで、内定者は落ち着いて入社日を迎えやすくなります。

10月ごろ・1〜3月のどちらにも向いている

不安解消を目的とする研修は、10月ごろ・1〜3月のどちらでも実施できます。

10月ごろに実施すると、入社までの期間を使って情報収集やスキルの準備に取り組めます。一方で1〜3月は入社が近づき、内定者が仕事や生活の変化を意識し始める時期です。入社直前に実施する場合は、生活リズムや体調の整え方など、入社直後に関わる準備にも目を向けるとよいでしょう。

社会人への意識の切り替えを目的とした内容

学生と社会人の違いを理解する内容を実施する

学生と社会人では、時間の使い方や責任の範囲、評価のされ方が異なります。入社前にこの違いを理解しておくと、新入社員研修や現場での指導を受け入れやすくなります。

この目的では、主に次のような内容を扱います。

  • 学生と社会人の違い:責任の範囲、時間の使い方、評価のされ方
  • 会社の仕組み:会社が存在する理由、売上と利益の関係
  • 仕事の進め方:指示の受け方、報告・連絡・相談の意味

意識の切り替えでは、「社会人らしくしなさい」と伝えるより、なぜ行動を変える必要があるのかを内定者自身が理解できる内容にすることが大切です。

たとえば報告・連絡・相談の意味を理解すると、内定者の行動は次のように変わります。

Before

締め切りに間に合えば、途中経過は誰にも伝えない

→

After

締め切り前に進捗を共有し、遅れそうなときは早めに相談する

意識の切り替えを促すワーク例

意識の切り替えを促すワークには、次のような例があります。

  • 学生と社会人の違いを書き出す:時間やお金、人間関係などの観点で違いを挙げ、グループで共有する
  • 一人前になるまでのコストを考える:1人で仕事ができるようになるまでに、会社がどれくらいの費用をかけているかを試算する
  • ケーススタディ:頼まれた資料の提出が間に合いそうにない場面などで、どう行動するかを考える
  • 気付きと行動の落とし込み:研修で気付いたことを振り返り、入社までと入社後に取り組む行動を書き出す

内定者研修で学生と社会人の違いを考えるワーク

ワークでは正解をすぐに伝えるのではなく、まず内定者自身に考えてもらうことが効果的です。自分で出した答えと講師の説明を比べることで、学生時代の考え方との違いに気付きやすくなります。

入社直前の1〜3月に向いている

意識の切り替えを目的とする研修は、入社直前の1〜3月に実施するのが向いています。入社が近づくと社会人になる実感が高まり、内容を自分事として受け止めやすくなるためです。

10月ごろに実施する場合は、入社までの期間が空くため、意識が学生時代に戻ってしまうこともあります。その場合は、1〜3月にも短時間の研修を設けるなど、意識を保つ工夫を検討するとよいでしょう。

入社後の早期戦力化を目的とした内容

入社後すぐに使う基礎スキルを身に付ける内容を実施する

内定者研修で扱うスキルは、業務に直結する専門スキルではなく、入社後すぐに使う基礎スキルが中心です。

  • コミュニケーション:相手を尊重した聴き方と伝え方/発表を通じた伝える力
  • PCスキル:WordやExcelなど、入社後すぐに使う基本操作

コミュニケーションの内容としては、アサーティブな聴き方・伝え方を扱う企業もあります。

用語

アサーティブとは

相手の立場や気持ちを尊重しながら、自分の意見や気持ちを率直に伝えるコミュニケーションの考え方のこと。

入社前に基礎を身に付けておくと、新入社員研修や配属後の指導がスムーズに進み、指導する側の負担を減らすことにもつながります

早期戦力化のワーク例

早期戦力化につながるワークには、次のような例があります。

  • 聴き方の実践:ペアで相手の話を聴き、相手を尊重した聴き方ができているかを確認し合う
  • 伝え方のロールプレイング:言いづらいことを伝える場面を設定し、自分の意見を伝える練習をする
  • 発表ワーク:おすすめの本を短時間で紹介するブックピッチなどを通じて、伝える力と聴く力を磨く
  • PCスキルの演習:WordやExcelの基本操作に取り組み、入社までに身に付けることを明確にする

聴き方・伝え方のワークは、入社後に上司や先輩とやり取りする場面を想定して行うと、研修の内容を実際の行動に移しやすくなります。

入社直前の1〜3月に段階的に進める

早期戦力化を目的とする研修は、入社直前の1〜3月に実施するのが向いています。入社までの期間が短いほど、身に付けたスキルを入社後に活かしやすいためです。

扱う範囲が広い場合は、eラーニングで基礎を押さえ、集合研修で実践するなど、段階的に進める方法もあります。

入社前の課題を詰め込みすぎない

早期戦力化を急ぐあまり研修や課題を増やしすぎると、内定者の負担が大きくなります。卒業準備と重なる時期でもあるため、負担感が不安や辞退につながるおそれもあります。入社前は基礎の習得にとどめ、入社後の研修と役割を分けることが大切です。

複数の目的を組み合わせる場合の構成例

実施時期によって優先する目的を変える

1回の研修で4つの目的をすべて扱おうとすると、どの内容も浅くなりがちです。辞退防止とスキル習得のどちらを優先するか迷う場合は、実施時期を基準に優先する目的を決めると整理しやすくなります。

実施時期 優先する目的 組み合わせやすい目的
10月ごろ
(内定式前後)
辞退防止
つながりづくり
入社前の不安解消
1〜3月
(入社直前)
意識の切り替え
早期戦力化
入社前の不安解消
つながりづくり

10月はつながりづくり、1〜3月は意識の切り替えと早期戦力化を軸にし、不安解消はどちらの時期にも組み合わせると、無理のない構成になります。

半日で実施する場合の構成例

内定式後の時間を使い、つながりづくりと不安解消を組み合わせる例です。所要時間は約3時間を想定しています。

所要時間 内容 主な目的
15分 オープニング/研修の目的共有 ー
30分 自己紹介 つながりづくり
30分 事業紹介/会社と仕事の理解 つながりづくり
15分 休憩 ー
60分 ビジネスゲーム つながりづくり
30分 入社前の準備の現状チェック
入社までの準備計画づくり
不安解消

冒頭の自己紹介で緊張をほぐしておくと、その後のビジネスゲームで会話が生まれやすくなります。ビジネスゲームの種類と進め方は、内定者研修で使えるグループワークで紹介しています。

1日で実施する場合の構成例

1〜3月に、意識の切り替えと早期戦力化を中心に実施する例です。休憩を除いて約6時間を想定しています。

所要時間 内容 主な目的
午前 60分 自己紹介/研修の目的共有 つながりづくり
午前 120分 学生と社会人の違い
会社の仕組みと売上・利益
意識の切り替え
昼休憩 ー ー
午後 60分 仕事の進め方/ケーススタディ 意識の切り替え
午後 90分 聴き方・伝え方の実践 早期戦力化
午後 30分 気付きと行動の落とし込み 意識の切り替え

1日の研修では、午前に考え方を理解し、午後に実践する流れにすると、内容を関連付けて理解しやすくなります。最後に気付きを行動に落とし込むことで、研修の内容を入社後の行動に結び付けられます。

オンラインで実施する場合は、長時間の集中が難しいため、1日分の内容を複数日に分けるなどの工夫が必要です。同期との交流を重視する場合は、対面を選ぶ企業も多くあります。

まとめ

内定者研修の内容は、目的によって変わります。4つの目的ごとの要点は次のとおりです。

  • 辞退防止・つながりづくり:会社への理解と同期との共同作業を、10月ごろに実施する
  • 入社前の不安解消:働き方の共有と入社前の準備を、時期に合わせたテーマで実施する
  • 社会人への意識の切り替え:学生と社会人の違いや仕事の進め方を、1〜3月に実施する
  • 早期戦力化:基礎スキルを中心に、1〜3月に段階的に進める

1回の研修ですべてを扱おうとせず、実施時期に合わせて優先する目的を決めることが、内容を具体化する近道です。

自社の内定者の状況と実施時期をふまえて、内容を組み立てていきましょう。

リスキルの内定者研修はこちら

研修1108種類 / 動画講座497種類

TOPへ

研修のお問い合わせはこちら

リスキルの社員研修に関する
お見積り、お問い合わせはこちらから

お電話はこちら

0120-299-194

0120-299-194

電話受付:月〜金 9:00-19:00(土日祝も研修実施)