リスキルラボ リーダーになったら「権力」をどう使うか?上手く使うコツを紹介【組織を腐敗させない】

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社内で活躍できるリーダーになれるかは、権力の使い方によって決まる。仮にプレイヤーとしての能力が高くても、権力の使い方が下手だと会社は悪い結果に転がるし、上手に使えば良い結果へと導かれていく。

本記事ではリーダー、リーダー候補の従業員向けへ、どのように権力を使うべきか紹介していく。

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そもそも権力とは

権力とは、他人を強制し服従させる力のことを指す。権力は使い方によって、良い結果を生み出す場合もあれば、悪い結果となる場合もある。

権力を使うのが下手だと、周囲から人がどんどん離れていき、リーダーとしての役割を発揮しづらくなるだろう。しかし上手く使えれば、従業員たちの心をつかめて社内で活躍するリーダーになれる可能性が高い。

権力の使い方が適切でないリーダーの特徴と具体例

ここからは、権力の使い方が適切ではないリーダーの特徴は以下の通りだ。

自己利益のために使っている

自分の利益だけのために使っているのは悪い例だ。他の従業員に辛い思いをさせてまで、権力を振りかざすリーダーが該当する。

部下の成果を自分のものにしようとするために権力を使ったり、自分のミスなのに権力を使って部下のせいにしたりするのが具体例だ。

主に、自分が楽をしたり自己顕示欲を見せつけたりするために権力を使う行為が当てはまる。

組織を腐敗させている

権力を使ったことで、組織を腐敗させているのも悪いケースだと言える。権力の使い方が悪くて社内業務の効率が落ちて、チームの業績が下がっていくのが具体例だ。

組織を腐敗させている自覚がなくても、会社を弱体化させているケースもあるため権力の使い方を変えた方がいい。

従業員を退職させている

権力を行使することで、従業員を退職させるのも悪いケースの一例だと言える。たとえば管理職である立場を悪用して、部下に理不尽な指示を出す行為が挙げられる。

リーダーに失望する場面が起こり、従業員の退職につながってしまう。 職場を人材不足の状況にしているため、権力の使い方が下手なリーダーだと言える。

上手く権力を活用できているリーダーの特徴と具体例

ここからは、権力を上手く使っているリーダーの特徴と具体例も紹介していく。

TPOに合わせて自分の行動をコントロールできる

TPOに合わせて、権力の使い方を変えられるのは良いリーダーの特徴だ。たとえば状況をわきまえて、権力の行使の仕方を変えられるリーダーが当てはまるだろう。

柔軟に対応できるため、時代の波に襲われても対処することが可能だ。結果、社内で生き残れるリーダーになれるはずだ。

利他主義を意識している

相手の利益を考える「利他主義」を意識しているのも特徴だ。たとえば、部下の働きやすさを実現させるために権力を行使できる人材が当てはまるだろう。

周囲の気持ちや立場を考えながら権力を使うため、従業員から好かれやすい。したがって、権力の使い方が上手なリーダーだと言えるだろう。

チーム内の離職率が低い

権力を使うことで、チーム内の離職率を低くしているリーダーも権力の使い方が上手だ。他のメンバーが働きやすい環境をつくったり、会社に愛着心を持ったりするような環境を自身の権力によって整えているのが、具体例として挙げられる。

従業員が働き続けたいと思える職場を実現させるために権力を行使しているため、上手い使い方だと言えるだろう。

リーダーに必要なスキルや素質を習得させることで権力の使い方が変わる

権力を上手に使わせるには、リーダーに何が必要か理解させて、それを習得させることが大切だ。ここではリーダーに必要なスキルや素質をつけさせるために、会社として何に焦点を当てるべきか解説する。

権力によって周囲に大きな影響を与えることを自覚させる

権力を使うことで、周囲に多大な影響を与えるのを意識させた方が良い。リーダーにとっては影響がないと思っても、権力の行使によって数十人・数百人に大きな影響を与えるケースもある。

仕事への向き合い方や会社に対する信頼度、モチベーションが変わるきっかけにもなるため気を付けた方が良い。

何気なく権力を行使しただけで、メンバーの人生を狂わせる場合もある。よって、権力の大小に関わらず周囲に大きな影響を与える場合があることを認識させるべきだ。

目標設定の仕方を習得させる

目標設定を間違えると、権力の使い方を間違える恐れがあるからだ。本来はAというゴールに向かうべきなのに、Bという目標を立てるとBを達成するために権力を行使してしまう。

すると権力を行使しても、いつまで経ってもゴールにたどり着けない。しかも、Bをゴール設定にして権力を行使したが故、他のメンバーを不幸にしてしまう恐れがある。

それを防ぐ意味でも、正しく目標を設定させるスキルを習得させた方が良い。ちなみに目標設定の仕方を教えるときは、以下のポイントを抑えることが大事だ。

フレームワークを活用して目標設定させる

フレームワークを活用して目標設定させる理由は、正しい目標を設定できる状態をつくるためだ。

たとえば「具体的、計量・達成可能、会社の目標との関連性、期限」の視点で物事を考えていく「SMARTの法則」を活用すれば、良質な目標を設定することが可能だ。

したがってフレームワークを有効活用できれば、目標設定の仕方を間違わずに済むだろう。

なお、「SMARTの法則」については別のコラムでも解説している。→上手に指示出しする方法を解説【SMARTの法則~部下の業務効率を上げる】

ゴールまでの計画を考慮した上で目標を決めさせる

ゴールまでの計画を考慮した上で目標を決めさせる理由は、目標達成までの道筋を漠然とイメージさせるためだ。

少しでもイメージできれば、従業員はイメージを辿りながら目標達成に向かってアクションを起こしていける。結果、目標達成までの期間が短くなるかもしれない。

ハードルが高すぎる目標を設定しない

ハードルが高すぎる目標を設定すると、メンバーたちがついていけなくなる可能性があるからだ。志を高く持つのは大事だが、あまりにも高すぎると目標達成に向かっている最中に、息切れしてしまう恐れがある。

メンバーが最後まで突っ走れる環境をつくる意味でも、ハードルは高くしすぎない方がいい。

部下が効率よく成果を挙げられる方法を考えさせる

部下が効率よく成果を挙げられる方法を考えさせる理由は、自分だけのために権力を使わせないためだ。

自分だけのために権力を行使させると、ろくでもない結果になってしまう。会社や従業員が恩恵を受けられる雰囲気を壊さないためにも、部下が効率よく成果を挙げられる方法を考えさせるべきだ。

なお、効率化について考えさせるときは以下のことを意識させると良い。

業務にどのくらいの時間がかかっているか把握させる

部下の効率性を考える上で必要なのが、業務に割いている時間を知ることだ。現状を知れば、効率化に関するベストな方法が出やすくなる。

各従業員の業務時間を把握できれば、従業員ごとに各方法を考えていくことが可能だ。そのため、従業員の中身を知ることに力を入れた方がいい。

ECRSの原則を用いて業務効率化を図らせる

ECRSの原則とは、業務の効率化を実現させるために用いられるフレームワークを指す。「業務の削減」「業務の合体」「手順の入れ替え」「作業内容の簡素化」の4つの視点から、業務の効率化を実現させるのが特徴だ。

4つの項目に沿って確認できれば、業務の無駄を省きやすくなる。結果、業務効率化に役立つ。

なお、ECRSの原則についてはこちらのコラムでも詳しく解説している。→ECRSの原則とは?【具体例も多数紹介】業務最適化をもう一歩先へ。

リーダーとして適切なコミュニケーションの取り方を習得させる

コミュニケーションが上手くとれないと、権力の使い方を間違える恐れがあるからだ。意思疎通ができないと相手のことを決めつけてしまい、間違った権力の使い方をするかもしれない。

なお、適切なコミュニケーションをとるには以下のことが重要だ。

誠実さを大事にする

メンバーに対して誠実に接することは必須だと言える。なぜならリーダーであることを部下に威張り散らしていると、何を言っても信頼してもらえない恐れがあるからだ。

たとえば自分が間違っていたときに謝ったり、メンバーの目線に立って話したりすることなどを心掛けると、誠実な人間に見えやすくなるだろう。

非言語コミュニケーションを大事にする

非言語コミュニケーションとは、言語に頼らないコミュニケーションのことだ。たとえば、喜怒哀楽をハッキリさせて接したり、身振り手振りを調整したりすることが該当する。非言語的コミュニケーションを普段から習慣づけることで、質が高まっていくはずだ。

聞き役に徹する

相手が思っていることを引き出す意味で聞き役に徹するのは大切だと言える。メンバーへの指導はもちろん、悩みや不安を抱えているメンバーの気持ちをスッキリさせるのもリーダーの役目だ。

メンバーたちが安心して働ける環境をつくる意味でも、聞き役に徹した方がいい。

アクションプランの立て方を習得させる

アクションプランの立て方を習得させる理由は、プランをもとに権力を上手く使う習慣を身につけさせるためだ。

頭の中のことを考えるだけでは意味がない。考えた内容を行動に移すからこそ、仕事での効果を発揮しやすくなる。それを実現させるためにも、アクションプランの立て方を習得させるのは大事だ。

ちなみにアクションプランを立てさせる際は、以下のことを心掛けると良い。

アクションの流れを明確にする

アクションの流れがわかっていれば、立てた後にどのような動きをすべきか理解できる。結果、行動に移すまでの流れがスムーズになって取り掛かりやすい。

たとえば1番目●●、2番目●●といった形で、手順を書いておくとプロセスが分かるため動きやすくなるはずだ。

アクションプランは具体的に立てる

アクションプランは抽象的ではなく具体的に立てることも大事だ。たとえば「営業活動を一生懸命行う」であれば、「一日に5件以上の営業活動をする」としておけば、その日にとるべきアクションの内容が明確になる。そのためスムーズに行動へ移せるだろう。

行動した内容は記録する

アクションプランをもとに動き出したら、行動した内容を記録させることが重要だ。なぜなら、記録をもとにアクションプランの内容が良いか判断できるからだ。

仮に芳しくない形であれば、軌道修正すべき箇所が分かるため、アクションプランの中身を磨きやすくなるだろう。

リーダーに必要なスキルを研修でまとめて習得させる

上記で確認してきたスキルについて、リーダーや管理職本人独自で学ぶことは難しい場合もある。また、組織や企業の思った方向性で学んでもらえるとも限らない。

そのため、リーダーシップ研修などを企業や組織で開催することが望ましい。本記事を作成している株式会社リスキルのように、外部研修会社に自社のニーズや背景をヒアリングしてもらってから実施することも良いだろう。
社内で研修を実施する場合は、講師として登壇する社員独自のものや考え方に偏らないような教材の作成・話し方が必要だ(その人だからできる、とならないようにする)

まとめ

リーダーは部下に指示をすることもある。そのため権力を行使しやすいポジションだと言っても過言ではない。権力を上手く使えば組織を良くするが、使い方が悪いと会社にダメージを与えてしまう。

ちなみに権力の使い方が下手なリーダーと上手なリーダーには、以下の特徴が見られる。

  • 権力の使い方が下手なリーダーの特徴
  • 自己利益のために使っている
  • 組織を腐敗させている
  • 従業員の退職が増えている

~権力の使い方が上手なリーダーの特徴~

  • TPOに合わせて自分の行動をコントロールできる
  • 利他主義を意識している
  • 自分にふりかかる責任を意識しながら活用している

会社に貢献できるリーダーを増やすのであれば、権力の使い方が上手な人材に育て上げた方がいいだろう。

しかし、権力の使い方だけを指示してもリーダーとして一人前になるのは難しい。なぜならリーダーに必要なスキルを持っていないと、権力を上手に行使してもメンバーから相手にしてもらえないケースがあるからだ。

そのため権力を上手に使わせたいのであれば、リーダーに必要な素質やスキルを持たせるべきだ。リーダーに必要なスキルや素質を習得させる際は、下記のポイントを抑えると良い。

  • 権力によって周囲に大きな影響を与えることを自覚させる
  • 目標設定の仕方を習得させる
  • 部下が効率よく成果を挙げられる方法を考えさせる
  • リーダーとして適切なコミュニケーションの取り方を習得させる
  • アクションプランの立て方を習得させる

上記の内容を意識させれば、素晴らしいリーダーとなり権力も使いやすくなるだろう。メンバーを引っ張れるリーダーを増やすためにも、会社として権力を上手く使わせる仕組みをつくっていただきたい。

この記事の監修者
リスキル事務局
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Q&A
  • 部下や同僚など他人を強制することを指します。使い方を間違えると会社の業績が悪くなりますが、上手く使えば良い方向に転がっていくでしょう。
  • 自分だけのために使ったり、組織を腐らせたりするのは下手なリーダーだと言えるでしょう。一方、状況に合わせて使い方を変えたり、周囲の人に尽くしたりするために使っている人は上手なリーダーだと言えます。
  • 権力を使うことで、周囲に影響を与えることを認識させた方がいいでしょう。その他に効率よく部下が成果を挙げられる方法を考えさせたり、アクションプランの立て方を習得させたりするのも大事だと言えます。
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