リスキルラボ 【5分でわかる】部下が進んで行動する上手い指示の出し方

後輩指導研修
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部下のスキルが高いのにも関わらず、部下の業務が進まないケースもある。それは上司の指示出しに問題があるかもしれない。指示出しが下手だと、部下を混乱させてしまい、チームとしての成果を挙げづらい状態になってしまう。

部下に仕事をスピーディーに進めてほしいと思うのであれば、上手な指示出しの方法を身につけた方が良い。本記事では、上手に指示出しする方法やポイントを解説していく。

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指示出しは部下の行動を決める

指示出しによって、部下の働きぶりは変わる。指示出しが上手ければ、部下は内容を理解でき、自分で順序だてて作業を進めていける。そのため、上司を困らせることも少ない。

しかし部下への指示出しが悪いと、部下はどのように業務を進めるべきか分からなくなる。その結果、部下のみでは作業をこなすことができず、上司が手伝わなければいけない状態が起きてしまう。この状態が起こると、上司は自分の業務に時間を割けなくなる。その状態に巻き込まれないためにも、上手な指示出しを覚えておくべきだと言える。

指示出しが下手な方の特徴

指示出しが下手な上司には、いくつかの特徴がある。ここでは、指示出しが下手な方の特徴を紹介していく。

指示の内容が抽象的

指示の内容が抽象的だと、部下はどのように進めればいいかイメージできない。すると業務が滞ったり、仕事のミスが増えたりする。その結果、他の社員がリカバリーする状態が起きてしまい、周囲に迷惑をかけてしまう。

複数の指示を一気にする

複数の指示を一気にするのも、指示出しが下手な方に見られる。一気に指示出しをすると、部下は対応できなくなる。その結果、業務がストップしてしまう。

部下のスキルを考えずに指示を出す

部下によって、スキルの習得状況は違う。指示出しが下手な上司は、部下のスキルを認識せずに、難易度の高い指示を出す。部下はスキルが身についておらず、業務をこなせない。最終的には、部下の可能性を潰すことになる。

上手に指示出しする方法~SMARTの法則~

ここからは、上手に指示出しする方法を解説していく。

ゴールをハッキリさせる

ゴールをハッキリさせると、部下に分かりやすい指示を出せる。ゴールを設定するときはSMARTの法則を意識すると良い。SMARTの法則とは、目標を設定するときに用いられる法則のことで、5つの項目が設定されている。

Specific

Specificは「具体的」を意味する単語だ。具体性に欠ける目標だと、ゴールへの進み方が分からなくなる。ゴールまでの道筋を描きやすくするためにも、具体的な内容を設定した方が良い。

Measurable

Measurableは「計測可能」であることを意味する。計測できない目標だと進捗状況を把握しづらい。軌道修正の仕方が分からなくなり、ゴールを目指すのが難しくなる。数字を入れたり可視化したりすることで、計測可能な目標を設定できる。

Achievable

Achievableは「達成可能」であることを意味する。達成できない目標を設定すると、部下にとって高いハードルを感じてしまう。すると部下のモチベーションは落ちてしまい、業務効率も悪くなる。

部下に仕事を頑張ってもらうには、達成できる希望があると思わせなければならない。よって、部下のスキルを把握して達成できそうな目標を設定することが大事だ。

Relevant

Relevantは「関連性」を意味する。会社が目指す方向とは違うゴールを設定しても、会社の利益にはならない。会社の目標達成に関係するゴールを設定すべきだ。

Time-bound

Time-boundは「期限」を意味する。ゴールを設定しても、永遠に達成されないゴールでは意味がない。達成させるには、いつまでに終わらせるか決めることが大事だ。

期限を設定すれば、期日までに達成しようとする意識が部下に芽生える。よって、先延ばししない状態をつくるのに役立つ。

部下との目線を合わせる

部下との目線を合わせながら、指示出しをすることも大事だ。目線を合わせると、指示出しの内容が部下に伝わりやすい。その結果、部下は業務をこなしやすくなる。ちなみに部下と目線を合わせるときは、以下のことを意識すると良い。

部下のスキルを把握する

部下のスキルを把握すれば、どのくらいの業務であれば振っても大丈夫か見極めやすくなる。その結果、目線を合わせやすくなる。

こまめにコミュニケーションをとる

部下とこまめにコミュニケーションをとれば、部下の情報が入ってくる。性格や仕事の状況など様々な情報を得ることができれば、どのような目線で接するべきかイメージしやすい。

目線を落としすぎない

目線を落としすぎると「上司に期待されていない」「自分は仕事ができない人間」と部下に思われてしまう恐れがある。上司と部下の関係性が悪くなることもあるため、目線を落としすぎるのは良くない。

仕事の全体像を伝える

仕事の全体像を伝えれば、部下はどのような立ち位置かイメージできる。広い視野で物事を捉えながら作業を進められるため、業務に対するモチベーションや責任感アップが期待できる。最終的には、仕事のクオリティ向上へつながっていく。

タイミングを見計らう

指示出しのタイミングが悪いと、部下は仕事を進めづらくなりストレスが溜まってしまう。その状態をつくらないためにも、上司は部下の様子を見て、良いタイミングで指示を出すことが大事だ。部下の仕事がひと段落した瞬間を狙うなど、話を聴いてもらえそうなタイミングで指示出しをすると良いだろう。

上司からの指示を断れずに、キャパオーバーしてしまう部下もいる。その状態をつくらないためにも、タイミングを見計らいながら指示出しすることが大事だ。

一度に指示する個数を意識する

同時に3つ指示されても業務をこなせる部下もいれば、1つずつ指示されないと処理できない部下もいる。そのため、一度に指示する個数は意識した方が良い。指示の内容や部下のスキルによって指示出しの量を変えるなど、マイルールを決めておくといいだろう。

部下の様子を確認しながら指示を出す

部下の様子を見ながら指示出しするのも大事だ。ここでは以下のことを意識すると良い。

部下の進捗状況を確認する

部下の進捗状況を確認すると、どのような指示を出せば良いかイメージしやすくなる。仕事が順調に進んでいれば、ヘビーな内容や時間を要する作業を指示してもいいかもしれない。しかし作業が順調ではないときに同じ指示を出すと、部下の業務に支障をきたす。よって、難易度が低かったり作業量が少なかったりする指示を与えた方が良い。

部下の進捗状況が分かれば、そのときにふさわしい指示を出せる。よって、部下の進捗状況を無視した状態で指示出しをしてはいけない。

フィードバックする

部下の状況を見て、上司としてフィードバックすることも大事だ。フィードバックすれば、部下は新たな気付きを得られる。その習慣が生産性アップにつながるため、行った方が良い。なおフィードバックのときは、以下のことを意識すると良い。

ポジティブなことも伝える

改善点のみを伝えるのは良くない。なぜなら、部下のモチベーションを落とす恐れがあるからだ。フィードバックは改善点だけではなく、自分の強みを知ってもらう目的もある。

ポジティブなことを伝えれば、仕事に対するモチベーションが上がり、業務において強みを発揮しようとする気持ちが生まれる。したがって、ポジティブな内容も伝えるべきだ。

早い段階で伝える

放置すると伝えるのを忘れたり、改善までに時間がかかったりする恐れがあるからだ。部下が成長するチャンスを奪うことになりかねないため、早めに伝えた方が良い。

事実をベースに伝える

主観をメインにしたフィードバックは、説得性に欠ける。部下に話を聴いてもらうには、説得力のある内容でなければいけない。それを実現させるには、事実をベースに伝えることが大事だ。説得性が増し、部下が反論しづらい状態ができる。フィードバックをスムーズに進める上で大事だ。

ミスが多い作業については指示出しのときに伝えておく

作業の中には、ミスが発生しやすいケースもある。その場合は、指示出しのときにミスが多い旨を伝えた方が良い。事前に伝えておけば、部下は意識しながら作業を行う。それが、ミスの減少につながる。

指示出しの内容を理解できているか確認する

理解できていないのにも関わらず「分かりました」と言う部下もいる。その状態で仕事をさせるのは、ミスや失敗を引き起こす原因になる。したがって、指示出しの後は内容を理解できているか確認すべきだ。

反省と改善を繰り返す

指示出しをしたときに、部下へ上手く伝わらない場合がある。そのときは部下を責めるのではなく、自分に非がないか考えるべきだ。

たとえば「指示出しのときに分かりやすく伝えられていたか」「無茶な要求をしていなかったか」という形で振り返ると、自身の改善ポイントを見つけやすい。その内容を意識しながら指示出しをすると、場数をこなすうちに指示出しのクオリティが上がっていく。このように反省と改善を繰り返していくのも、指示出しのポイントだ。

指示出しの注意点

最後に指示出しの注意点を紹介する。

相手の人格を否定しない

人格を否定するのは人権侵害にあたるためNGだ。人格を否定された社員の中には、自信を失くしてしまい、仕事に悪影響が出るケースもある。指導するときは、人格ではなく行動について伝えることが大事だ。

命令口調はNG

命令口調とは、上から目線で物事を伝えることだ。命令口調で指示を出すと、部下が委縮してしまい、仕事のパフォーマンスが落ちてしまう。

さらに上司へ対する信頼度も下がり、部下がついてこなくなる。チームとしての成果を挙げづらい状態になるため、命令口調で話さない方が良い。

誰に任せても良いという形で指示出しをしない

誰に任せても良いという形で指示出しをすると、他人事として聴かれる恐れがある。すると、仕事に身が入りづらい状態ができてしまう。仕事のやる気を出してもらうには、自分事として話を聴いてもらうことが効果的だ。

たとえば「スキルが備わっているから任せた」「〇〇さんだったら責任感が強いから指示を出した」といった形でポジティブに伝えると、部下は上司に信頼してもらったと感じる。結果、仕事に対するモチベーションアップにつながる。

まとめ

部下が仕事をするかは上司の指示出しにかかっている。指示出しが上手ければ、部下は自分で仕事をこなしてくれる。そのため、上司の負担が大きくなる場面は少なくて済む。

しかし指示出しが下手だと、部下の仕事が進まなくなる。その結果、上司が尻拭いをすることになり、余計な負担がかかってしまう。その状態を防ぐ意味でも、指示出しのクオリティは上げた方が良い。以下のことを実践すると、指示出しは上手くなっていく。

  • ゴールをハッキリさせる
  • 部下との目線を合わせる
  • 仕事の全体像を伝える
  • タイミングを見計らう
  • 一度に指示する個数を意識する
  • 部下の様子を確認しながら指示を出す
  • ミスが多い作業については指示出しのときに伝えておく
  • 指示出しの内容を理解できているか確認する

自身の立場ではなく、部下に寄り添って指示を出せるかがカギになるだろう。その他に、指示出しの注意点もあるため紹介する。

  • 相手の人格を否定しない
  • 命令口調はNG
  • 誰に任せても良いという形で指示出しをしない

これらのポイントを抑えれば、指示出しのクオリティも上がっていくはずだ。

なお、部下育成研修や、部下育成のための指示方法研修などを受講してもらうことも推奨される。上記で必要と伝えた内容を網羅的に学ぶことができる。ぜひ検討してほしい。

指示出しが下手だと部下との意思疎通ができなくなり、人間関係にヒビが入る場合もある。すると一緒に仕事を進めるのが難しくなってしまう。その状態をつくらないためにも、指示出しを磨き続けてほしい。

この記事の監修者
リスキル事務局
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Q&A
  • 指示の内容が抽象的だったり、一気に複数の指示を出したり、部下のスキルを把握せずに指示出しをしたりするのが、下手な指示出しの特徴です。
  • ゴールを明確にして、部下と目線を合わせることが大事です。その他に部下の様子を見たり、タイミングを考えたりしながら指示出しをするのも重要と言えます。
  • ミスが多い作業については、事前に伝えておくといいでしょう。その他に、指示出しの内容を理解できているか確認したり、命令口調で指示を出したりしないこともポイントです。
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