変容学習とは、従業員の思考や行動を変えるための学習のことをいいます。しかし、無意識の価値観や考え方、行動を変容するのは簡単なことではありません。
変容学習は、従業員自身が批判的な振り返りを行うことによって、価値観や行動を変えることが可能になるといわれています。
変容学習は従業員のリーダーシップを引き出すのに役立ちます。従業員の思考や行動を変えるには、別の角度から物事を考えられるように提案することが重要です。
例えば、対象となる従業員の思考とは別の考え方を提案し、質問を重ねていきます。もし、従業員の思考や行動に矛盾があればそれを提示するなど、気づきのためのサポートを行いましょう。
従業員によっては、自分自身が行った評価と周囲の評価が違うことを受け止められないこともあります。しかし、質問を繰り返し、自分に対する批判的な振り返りを行うことで、今までの自分や現状を肯定的に受け止められるようになります。
以下は、成人教育学者のP.クラントンが提唱した意識変容の学習プロセスの一般的なモデルです。
上司または部下、同僚との関係性や企業をとりまく環境の変化などをもとに、従業員自身が自分の思考や行動を見つめ直す機会を設けます。
周囲の評価をもとに自分自身を批判的に振り返り、今までの自分の価値観や行動を問い直します。
従業員自身が、今までどうしてそのように考えるようになったのかという思考や行動の源を吟味します。新しい局面を迎えたときに、現状のままでそれに対応できるのかなどを検討します。
もし、前提の源と結果の吟味によって、自分の思考や行動を変えなければならないと従業員自身が認識することによって、思考や行動を変容することができます。
