ジョブクラフティングは概念的には簡単ながら、実践が難しいというのが共通的な捉え方でしょう。そのため、研修は、講義形式よりもワークショップ形式で実施する方が効果を発揮しやすい研修といえます。
この記事では、ジョブクラフティング研修をワークショップ形式で行う場合の設計の流れ、具体的なワークの内容例、進行時に気を付けたいポイントについて、見ていきます。
目次
ジョブクラフティングとは
従業員が自らの意思で仕事の捉え方や進め方に工夫を加え、やりがいを見出していくアプローチのこと。
本記事は研修の実施方法の力点を置いているため、詳細の解説は割愛します。ジョブクラフティングそのものの意味や3つの要素については、こちらの記事で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
ジョブクラフティングとは?意味・3つの要素・メリットと実践方法を解説
ワークショップとは、講師が一方的に理論を説明する講義形式ではなく、参加者自身が手を動かし、話し合いながら学んでいく進め方のことです。
講義形式は、短時間で知識をインプットするのに向いていますが、参加者は聞き役に回りがちで、内容が自分の業務にどう結びつくのかを実感しにくいという課題があります。一方でワークショップ形式は、参加者が自分の業務を題材に手を動かすため、学んだ内容がそのまま行動につながりやすいという特徴があります。
講義形式
理論を聞いて理解するが、自分ごと化しにくい
ワークショップ形式
自分の業務に当てはめて考え、行動に移しやすい
実際に研修を実施するときは講義も必要となることが多く、4:6くらいの割合で構築すると理解と実践が進むでしょう。
ジョブクラフティングは、そもそも従業員自身が主体的に取り組むことで効果を発揮する手法です。そのため、研修そのものも参加者の主体性を引き出す設計にすることが重要になります。
実際にジョブクラフティング研修を受講した方の感想や、研修後にどのような変化があったかについては、こちらの記事で紹介しています。ジョブクラフティング研修を実施した感想のまとめ記事はこちら。
こちらの記事でも紹介した通り、時間は短いと消化不良になりやすく5〜6時間が推奨されます。
対象者
新入社員を除く全従業員
所要時間の目安
5〜6時間程度
ワークショップ形式のジョブクラフティング研修は、大きく6つのパートで構成すると進めやすいでしょう。
| パート | 内容 |
|---|---|
| 導入 | 研修の目的説明、アイスブレイク |
| インプット | ジョブクラフティングの基礎知識の説明 |
| ワーク | 間に個人ワークとグループワーク |
| 最終ワーク | 自身がやることをまとめる |
| 発表・共有 | グループごとの発表とフィードバック |
| まとめ | 振り返り |
インプットのパートは理論説明が中心になりがちですが、ここを長くしすぎると講義形式に近づいてしまいます。ワークショップ形式のよさを活かすには、インプットは少なめにとどめ、ワークの時間を十分に確保することがポイントです。
ワークの中身は、ジョブクラフティングを構成する3つの視点(タスク・クラフティング、リレーショナル・クラフティング、コグニティブ・クラフティング)に沿って設計すると、参加者にとってもわかりやすくなります。
ジョブクラフティングを促す3つの視点
まず、自分が担当している業務を書き出し、それぞれの業務にかけている時間や、感じているやりがいの度合いを可視化するワークです。現状を客観的に把握することで、どこに工夫の余地があるかが見えてきます。
今の仕事の捉え方(Before)と、工夫を加えた後の捉え方(After)を書き出し、言葉にするワークです。
Before
指示された作業をこなすだけの「やらされ感」
After
自分なりの工夫で意味を見出す「やりがい」
個人ワークで書き出した内容を、ペアやグループで共有し合うワークです。他の参加者からのフィードバックを受けることで、自分では気付けなかった業務の工夫点や、人間関係の築き方のヒントを得られます。
グループで話すことで、自分の仕事を他部署の人がどう見ているか知る機会にもなります。
発表を前提にすると、参加者も真剣にワークに取り組みやすくなります。
とくに、ジョブクラフティングは従業員本人の主体性が前提となる取り組みのため、研修の場で発言や工夫を否定しない雰囲気づくりが欠かせません。ワークの冒頭でアイスブレイクを取り入れ、参加者同士が話しやすい状態を作っておくことも効果的です。
メリット
デメリット
ワークショップ形式は効果が高い一方で、進行役には一定のファシリテーション力が求められます。グループの話し合いが停滞したり、一部の参加者だけが発言する状態になったりしないよう、適宜声をかけながら進める必要があります。社内にファシリテーションの経験が豊富な担当者がいない場合は、外部の研修サービスを活用するのもひとつの方法です。
ワークショップ形式の研修は、実施して終わりにせず、参加者がその後どのように業務に活かせているかを確認することが大切です。研修直後のアンケートだけでなく、数か月後に振り返りの機会を設けることで、学びが一過性のもので終わらず定着しやすくなります。
3ヶ月後か6ヶ月後に進捗を確認するのが良いでしょう。またそこまでに行う行動の目標も具体化し、「何%実施できたか」を確認していくことが大切です。
ジョブクラフティングの研修をワークショップ形式で実施すると、講義形式に比べて参加者が自分の業務を題材に手を動かしながら学べるため、研修後の行動につながりやすいという特徴があります。
設計の際は、インプットを最小限にとどめてワークの時間を十分に確保すること、そして研修後の行動計画作成や振り返りの機会まで含めて設計することがポイントです。自社での企画が難しい場合は、体系化されたプログラムを持つ外部の研修サービスを活用しながら、自社に合ったワークショップ形式の研修を検討してみてください。
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