リスキルラボ 伝え方を磨くポイントを紹介【円滑なコミュニケーションをとる】

伝える力研修
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働いていると、「伝えたはずなのに、相手にうまく伝わっていない」などの状況に悩むことは無いだろうか。「伝える」というスキルは、仕事やビジネス、人間関係をうまくいかせるための必須事項だ。

「伝え方」をきちんと学んでおけば、伝えたい内容が、その事実と感覚どおりに伝わる。

本記事では、うまく伝えられない方の特徴を解説しつつ、伝え方を磨くポイントについて紹介していく。

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「伝えた」と「伝わる」の違い

「伝えた」とは、自分が話したいことを相手へ言う状態だ。相手が理解していなくても、話したいことを相手へ言うと「伝えた」ことになる。

一方、伝わるとは自身の言った内容を相手が理解し、行動変容が起きた状態を指す。たとえば「上司に教えてもらった技術を実践に落とし込む」「上司に注意されて行動を改善する」状態は「伝わった」と言える。

相手へ伝えたとしても、伝わっていないケースもある。そのため「伝えた」と「伝わる」は、別物だと考えた方がいい。

伝え方を磨くべき理由

ここからは、伝え方を磨くべき理由を解説する。

コミュニケーションコストを減らせる

伝え方が上達すれば、少ないやり取りで相手に話の内容を理解してもらえる。無駄なやり取りが減るため、コミュニケーションコストの削減に役立つ。

相手に誤解を与えずに済む

上手な伝え方ができれば相手の勘違いするような誤解を与えずに済む。また、相手に悪い印象を与えずに済むため、コミュニケーションがとりやすい。相手と良好な関係性を築けるため、人間関係による悩みも起こりづらくなる。

信頼・信用を得られる

伝え方を磨けば、説得性のある話し方ができるため、相手からの信頼や信用を得ることができる。その結果、営業や商談において優位な状態をつくりやすくなる。

うまく伝えられない人の特徴

うまく伝えられない人には、いくつかの特徴がある。ここでは、代表的なものを紹介していく。

相手の顔を見ずに話す

相手の顔を見ずに話すのは表情が見えないため、うまく伝わらない。たとえば「普段と同じ話し方なのに、怒っているように聞こえる」といった形で、相手に誤解を与えてしまう。

話にまとまりがない

伝えたい情報が多すぎて要点をまとめきれていないというのも、うまく伝えられない人の特徴だ。無駄な情報も紛れているため、相手に伝わりづらい。

主語がない

主語がないと、誰についての話か分からない。話の流れが理解できなくる。

難しい言葉が多い

会話の中で専門用語など難しい言葉を多く使うと、話の内容が難しく聞こえる。相手に理解してもらえず、うまく伝わらない。

時系列で話していない

時系列で話を進めなかった場合、会話の中で行ったり来たりが繰り返される。それが何度も起こると、相手は話についていけない。それが原因で、話が伝わらなくなる。

相手の視点に立ってない

相手の視点に立たないと、自分の視点でのみ話してしまう。自分は話の流れが分かっても、相手は話の情景をイメージできない。話し手の独断場となり、伝わらなくなる。

伝え方のポイント

うまく伝えるには、様々なポイントがある。最後に伝え方のポイントを紹介していく。

一文を短くする

一文を短くする理由は、話の内容を理解してもらうためだ。長い文章には、色々な情報が詰め込まれている。そのため、内容を理解するまでに時間がかかってしまう。

しかし一文が短ければ長文と比べて情報量が減る分、理解しやすい。一文を短くする際は、以下のポイントを抑えるといい。

一文を40~70文字にする

一文は40~70文字がベストだ。一文が長い場合は「、」の箇所を「。」に置き換えると、文を削りやすくなる。

接続詞を活用する

「ただし」「しかし」「さらに」などの接続詞を活用する理由は、文章をつなげるためだ。つながりがあると話に流れができて理解しやすい。したがって、接続詞の活用は大切だ。

不要な話を削る

優先順位の低い話など不要な話を削ると、一文を短くしやすい。削る箇所を見つけられないときは「必要最低限の話のみを伝える」という視点で文をチェックすると、削るのが楽になる。

具体的な表現を使う

具体的な表現を使う理由は、相手にイメージさせるためだ。

抽象的な表現よりも具体的な表現の方がイメージしやすい分、理解度は高くなる。よって話が伝わる状態をつくるのであれば、具体的な表現を使った方がいい。

数字を使う

具体的な表現をするのに必要となるのが、数字を使うことだ。たとえば「会社説明会の申込者が多かった」と伝えても、人によってイメージする人数は違う。しかし「申込者が100人いた」と数字を盛り込めば、内容が具体的になる。結果、伝わりやすくなる。

例を挙げながら話す

たとえば「〇〇をしたときと比べて、〇倍もの効果を得られた」「〇〇よりも、××をした方が参加者数の増加につながった」というように例を挙げれば、相手はイメージしやすい。相手の理解度が高まるため、話が伝わっていく。

固有名詞を使うときは説明を加える

説明を加える理由は、固有名詞について相手が理解していない場合があるからだ。たとえば「井上さんが〇〇をした」と伝えても、井上さんを知らない方からすると、話の内容が分からない。結果、話しても伝わらない。

しかし「〇〇社〇〇部の井上さんが」と説明すれば、どの井上さんについて話しているか分かる。話の流れが見えるため、相手に伝わりやすくなる。

主語・述語をはっきりさせる

主語・述語をはっきりさせる理由は、誰が何をしているか明確にするためだ。たとえば「事務作業をした」だけでは、誰がした作業か分からない。

しかし「Aさんが事務作業をした」といった形で、主語と述語が明確であれば、誰が何をした文章か分かる。結果、伝わりやすくなる。ちなみに主語・述語をはっきりさせるときは、以下のことを意識すると良い。

主語と述語を離しすぎない

一文の中で主語と述語を離しすぎると、話の内容が分かりづらくなる。そのため、主語と述語の位置関係は極力、近い方がいい。

述語の箇所で「指示語」を多用しない

指示語とは「これ」「それ」「あれ」「どれ」に該当する言葉のことで「こそあど言葉」とも呼ばれる。指示語を使わない方がいい理由は、話の内容が抽象的になる場合があるからだ。

たとえば、何の前触れもなく「私はこれをした」と伝えても、相手は理解できない。しかし「私は仕事をした」と伝えれば、相手に理解してもらえる。話が混乱する恐れがあるため、述語の箇所で指示語を多用すべきではない。

伝わっているかの確認をする

確認する理由は、相手に伝わっていない場合があるからだ。理解できていない状況で仕事を振ると、大きなミスにつながる。上司がミスをフォローしたり、再度同じ説明をしたりなど、余計な手間がかかってしまう。その状況を防ぐ意味でも確認した方がいい。なお確認時は、以下のポイントを抑えることが大切だ。

質問がないか上司から聞く

質問がないか上司から聞く理由は、質問しやすい状態をつくるためだ。従業員の中には、自分から質問するのが苦手な方もいる。そのタイプの社員は自分から質問しないため、分からないまま放置してしまう。それを防ぐ意味でも、質問がないか上司から聞いた方がいい。

伝えた内容を相手に説明させる

伝えた内容を、相手に説明させるのも効果的だ。正しく説明できれば、うまく伝わっている可能性が高い。反対に、説明できなかった場合は伝わっていない可能性が高いと判断できる。相手の理解度を見極めるのに役立つ。

PREP法を意識する

PREP法とは、「Point(結論)、Reason(理由)、Example(例)、Point(結論)」の順で話を伝える方法のことだ。以下の流れで話を進めていく。

①Point(結論)

最初に結論を述べる理由は、相手に話の概要を理解させるためだ。結論を述べずに話し始めると、聞き手は何のための話か分からない。時間の経過と共に集中力が途切れて、話についていくのを諦めてしまう。

しかし最初に結論を述べれば、話の大枠を理解できている分、話の内容が入りやすい。結果、最後まで話を聞いてもらえる。

②Reason(理由)

次に、①の結論に至った理由について話す。「〇〇の理由で××の結論に至った」「なぜなら××だからだ」といった形で理由を述べるといい。

ちなみに理由を述べるときに大切なのが、根拠をもとに話すことだ。説得性に欠ける理由を話しても、聞き手は納得しない。話に真実味を持たせるためにも、根拠を交えながら話した方がいい。

③Example(例)

②で話した内容を、さらに理解してもらうため、例を用いて話す。たとえば「海外では××のときに使われている」「他企業では〇〇を用いることが増えている」と話すと、情景をイメージできる。相手の理解度を高めることになる。

④Point(結論)

②や③を詳しく説明した後に、再度結論を述べる。①のときよりも説得力のある状態が生まれ、相手に伝わる。

演繹法と帰納法を意識する

演繹法とは、いくつかの事象を積み重ねながら結論を出していく方法のことだ。仮に「a・b・c」の事象があった場合、それらの内容を加味した上で結論を導き出す。

一方、帰納法では複数の事象から共通点を探し出し結論を出すのが特徴だ。事象「a・b・c」があった場合、3つの共通点を抽出し、それを結論とする。つまり事象が多くても、共通点がないと結論を出せない。

テーマによって演繹法と帰納法を使い分けて話せば、相手に伝えやすくなる。そのため、覚えておいた方がいい。ただし演繹法と帰納法を用いるときは、注意点もあるため紹介する。

演繹法の注意点

演繹法の注意点は、正しい事象をもとに結論を導き出すことだ。演繹法では積み重ねた事象をもとに結論を出すため、誤った事象が1つでも入っていると、間違った結論になる。したがって全ての事象が正しいか確認してから、結論を導き出した方がいい。

帰納法の注意点

帰納法の注意点は、共通点を決めつけずに情報を集めることだ。仮に共通点がAだと思い込んでいる状態で情報を集めると、誤った結論を導いてしまう。そのため、思い込みをなくした状態で、情報を集めることが大事だ。

まとめ

相手が理解してくれないと嘆く社員もいるが、伝える側に原因があることも多い。たとえば伝え方が下手な従業員には、以下の特徴が見られる。

  • 相手の顔を見ずに話す
  • 話にまとまりがない
  • 主語がない
  • 難しい言葉が多い
  • 時系列で話していない
  • 相手の視点に立ってない

相手に伝わる伝え方をするには、相手を観察し信頼関係を構築することがとても重要である。
(※参考:「会議HACK!」よりビジネスにおけるコミュニケーションの基本要素やポイントをご紹介

上記に該当する場合は、伝え方を磨いて克服した方がいいだろう。伝え方を磨けば誤解を与えずに話せたり、相手からの信頼・信用を引き出せたりするチャンスが生まれる。その結果、円滑なコミュニケーションがとれて、業務を進めやすくなる。ちなみに伝え方を磨くときは、以下のことを意識すると良い。

  • 一文を短くする
  • 具体的な表現を使う
  • 主語・述語をはっきりさせる
  • 伝わっているかの確認をする
  • PREP法を意識する
  • 演繹法と帰納法を意識する

これらの内容は、本記事を作成しているリスキルの伝える力研修でも学ぶことができる内容だ。ぜひ参考にしてほしい。

短時間で「伝え方」を身に付けたい人は、「伝え方」に特化した映像講座「伝え方が9割オンライン」もあわせて参考にしてほしい。

話の内容が相手に伝われば、無駄なやり取りをせずに済むため、目の前の作業に集中できる。その結果、生産性が生まれて、社内業務の効率化が期待できる。従業員たちが快適に働ける状態をつくるためにも、伝え方を磨くことに力を入れていただきたい。

この記事の監修者
リスキル事務局
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Q&A
  • 「伝えた」とは、自分が言いたいことを相手へ話した状態のことです。相手が理解しているかは問いません。たいして「伝わる」とは、相手が理解して、それを行動に反映させた状態のことを指します。
  • 話のまとまりや主語がなかったり、難しい言葉を多用したり、相手の立場に立っていなかったりする方に多いです。その他に、相手の顔を見ながら話せないのも特徴です。
  • 一文を短くしたり、具体的な表現を使ったりして、話の内容を分かりやすくするといいでしょう。その他に、PREP法や演繹法と帰納法を上手に使うのも効果的です。
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