リスキルラボ 期待理論とは?活用時のポイントも解説【会社の状態を良くする】

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従業員たちのやる気が感じられない場合、期待理論を活用しながらモチベーションアップに勤しむといいかもしれない。期待理論を活用すれば、会社に大きな変化を与えられる可能性があるからだ。

期待理論を社内に取り入れることができれば、会社としての力が強くなるかもしれない。本記事では期待理論の概要を紹介しつつ、活用時のポイントを解説する。

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期待理論とは

期待理論とは、モチベーションに関する理論のことだ。ブルームが最初に唱えたと言われている。自分がアクションを起こしたことで、何か成果につながることを認識できれば、それがモチベーションのアップを実現させることを解説した理論のことだ。

目の前にある成果や報酬をポジティブに捉えればモチベーションは高くなり、ネガティブに捉えれば低くなっていく。それを細かく解説したのが期待理論だと言っていいだろう。

従業員を期待させたり、自分の思い描いているイメージが近づいていることを認識させたりすることで、期待理論を社内で活用しやすくなるだろう。

期待理論の具体例

ここからは、期待理論の具体例を解説していく。

①どれだけ成し遂げられたか

たとえば今月100個売り上げることができたとする。成し遂げた結果、自分の成果に満足できた場合はモチベーションが高くなっていく。しかし「100個しか売れなかった」と、自分の成果に納得できなかった場合はモチベーションが低くなりやすい。

自分の成果に対して、どのような捉え方をするかでモチベーションが変わるのが①のパターンだ。

②成し遂げた結果、何が得られたか

仮に今月100個売り上げたとして、報酬が30万円だったとする。成果に対して報酬が見合っていると感じれば、モチベーションは高くなっていく。一方、成果に対して報酬が見合っていないと感じると、モチベーションが低くなりやすい。

成果と報酬のバランスを、どのように捉えるかによってモチベーションが変化するというのが②のパターンだ。

③得られるものにどれだけの価値を感じているか

たとえば、1ヶ月間で30万円の報酬を得られるとしよう。その際、報酬に対して魅力的だと感じればモチベーションは上がっていく。一方、報酬が魅力的ではないと感じると、モチベーションは下がる。

つまり自分が得られるものに対して、どのくらい魅力的に感じるかでモチベーションが変化するというのが③のパターンだ。

期待理論と似ている理論

期待理論と似ている理論も存在する。ここでは、どのような理論があるか紹介していく。

マズローの欲求5段階説

欲求を5段階で表している説のことだ。生理的欲求、安全欲求、社会的欲求、承認欲求、自己実現の順で人間は欲望を満たそうとしていることを説明している。欲求を満たすにつれて、モチベーションが高まっていく。そのため、期待理論と似た理論だと言える。

ピグマリオン効果

ピグマリオン効果とは、相手に期待されることで成果が挙がることを指す。モチベーションの上昇が成果の向上につながることを解説している。そのため、期待理論と似た理論だと言えるだろう。

期待理論を活用するメリット

ここからは、期待理論を活用するメリットを見ていく。

生産性アップにつながる

期待理論を活用すれば、従業員たちのモチベーションが上がり社内の業務効率が良くなっていく。業務効率が良くなれば各業務の時間が削減されて、別の作業に時間を回せるようになる。結果、生産性アップへつながっていく。

新しいアイデアが生まれやすくなる

期待理論を活用できれば、モチベーションアップによって新たなアイデアが思い浮かぶかもしれない。アイデアが次々と出てくるチームになれば、新事業開発や業務に対しての改善案など、さまざまな場面で新しい意見が思いつきやすくなる。

社内に新しい風を吹き込んだり、業務改革を行ったりする上で役立つだろう。

退職者を減らすのに役立つ

期待理論を上手く使えば、従業員たちのモチベーションが上がっていく。結果、職場で働き続けたいと思う従業員が増えるため、退職者を減らせるかもしれない。

退職者が減れば、優秀な人材がいなくならずに済む。そのため、会社の戦力低下を防ぐのに効果的だ。

期待理論を活用するときのポイント

ここからは、期待理論を活用するときのポイントについて紹介していく。

従業員に目標を設定させる

従業員に目標を設定させる理由は、目の前の事象を自分事として捉えてもらうためだ。自分事として捉えれば、仕事に対して真剣に向き合う空気ができる。結果、モチベーションアップに役立つ。

なお、従業員に目標を設定させるときは以下のことを心掛けると良い。

目標の内容は具体的に

目標の内容は具体的に設定させることが大事だ。抽象的だと目標達成に向けて、どのようなアクションをとればいいか、進捗状況がどうなっているか分からなくなる。

仮に来月は営業活動を頑張るという目標であれば、今月は新規契約10件、売上個数100個を目指すといった形で設定するといいだろう。数字を入れることで、アクションの取り方が分かるためゴールを目指しやすくなる。

締め切り日を決めておく

目標に対して締め切り日を決める理由は、ゴールまでのスケジュール感を把握させるためだ。仮に締め切り日を決めなかった場合、時間に余裕があると思い込み、いつまで経っても動かない恐れがある。

従業員が動かない時間をつくるのは、会社にとって機会損失となってしまう。従業員がゴールに向かって動く環境をつくる意味でも、締め切り日は設けた方が良い。

目標に対して結果がどうだったか明確にさせる

目標に対しての結果を明確にさせる理由は、改善案を出しやすくするためだ。目標は立てて終わりではない。結果に対して今後何をすべきか決めることで、目標を立てる意味が現れてくる。結果を分析できる流れが生まれるため、今後の業務に活かしやすくなるはずだ。

従業員によって活用の仕方を変える

期待理論を活用する場合は、従業員によって活用の仕方を変えた方がいい。同じ施策でも、従業員のタイプによって効果の出方が違うからだ。

活用するなら、より大きな効果が出るように施策を考えたい。そのため、活用の仕方を考えるのは重要だと言える。なお、従業員のタイプを知るには以下の施策を行うと良い。

性格診断を行う

性格診断とは質問を回答してもらうことで、どのような性格か診断することだ。紙だけではなくオンライン上でも実施できるため、リモートワークが多い企業でもできるだろう。

聞き取り調査をする

聞き取り調査を行って、従業員のタイプを知ることも可能だ。当人だけではなく、周囲の上司や部下などからも聞くことで、より深い所まで分かるかもしれない。ちなみに面と向かって聞き取るのが難しければ、アンケート形式で実施するのも効果的だ。

企業側がサポートして従業員と伴奏する

従業員に任せっきりだとやる気が出ず、モチベーション低下を招く。そのため、会社は従業員と伴奏することが大事だ。なお企業側がサポートする際は、以下のことを心掛けると良い。

コミュニケーションの機会を増やす

コミュニケーションの機会を増やす理由は、会社と従業員の距離感を縮めるためだ。会社側がコミュニケーションの機会をつくらないと、従業員側は投げっぱなしにされていると思われる恐れがある。

従業員のモチベーションを削ぐことにつながってしまう。会社として支えていることをアピールする意味でも、コミュニケーションの機会は増やすべきだ。

従業員のニーズを把握しながら対応する

会社側の都合のみで対応すると、従業員にとって迷惑に感じるかもしれない。会社側のサポートが邪魔になってしまう恐れがあるため、従業員のニーズを把握しながら対応すべきだ。

今の悩みや今後の目標など、さまざまな視点から質問することでニーズを把握しやすくなるだろう。

社風に合わせて活用する

社風に合わせて活用すべき理由は、各社の社風によって効果の出方が異なるからだ。Aの方法が良い場合もあれば、Bの方法が良い場合もある。会社の文化によって効果の出方が違うため社風に合わせて活用すべきだ。

従業員へのフィードバックを怠らない

従業員へのフィードバックを怠らない理由は、従業員の行動を見ていることをアピールするためだ。従業員にアピールすれば、それに対して応えようとする従業員が増えるかもしれない。結果、各従業員のモチベーションが高まり会社の士気アップにもつながる。

それを実現させるためにも、フィードバックすべきだ。なお、フィードバック時は以下のことを行うと良い。

注意だけではなく褒めることも行う

フィードバックは注意するだけではなく褒めることも盛り込んだ方がいい。注意ばかりだと、相手のモチベーションを削いでしまう恐れがあるからだ。

褒めることは相手の自己受容感を高めることにつながる。何を褒めるべきかあらかじめピックアップしておけば、スムーズに褒められるだろう。

相手の価値観を尊重しながらフィードバックを行う

上司の一方的な都合でフィードバックすると、相手を不快な気持ちにさせてしまう恐れがある。フィードバックの内容を理解してもらえない恐れもあるため、相手の価値観を尊重しながら行うべきだ。

相手の立場を考えて使う言葉や言い回し方を変えたり、伝える内容を調整したりすると良いだろう。

期待理論を活用している会社

期待理論は多くの会社で用いられている。最後に期待理論を活用している会社を紹介していく。

株式会社資生堂

資生堂では「カンガルースタッフ制度」を採用することで、働く社員でも子育てしやすい状態をつくっている。

ワークライフバランスが整っている分、子育てしている従業員のモチベーションが高まりやすい。結果、子育てしている従業員も働きたいと思える職場になっている。

サイボウズ株式会社

サイボウズでは「働き方宣言制度」の導入によって、各従業員が自分に合った働き方を選びやすくなった。自分に合う働き方ができるため、仕事時のモチベーションアップに役立つ。

自分にとって快適だと感じる働き方を選択できれば、業務の質向上につながっていく。そのため、業務効率を向上させる上で重要だと言えるだろう。

株式会社リクルートホールディングス

リクルートホールディングスでは「Ring」制度を設けることで、従業員が新規事業やビジネスを提案しやすい状態を整えている。

チャレンジングな環境があるため、好奇心のある従業員はモチベーションが上がりやすい。新事業を打ち出したい会社にとって、良い政策だと言えるだろう。

まとめ

期待理論を社内で活用できれば従業員のモチベーションを高められる。その結果、社内の士気が高まったり業務効率が良くなったりすれば、会社の業績アップにつながっていく。

従業員・会社ともに恩恵を受けられるため、期待理論は積極的に活用すべきだ。なお、期待理論の具体例として以下の内容が挙げられる。

  • 成果に対する期待度合いによってモチベーションが変わる
  • 成果と報酬のバランスによってモチベーションが変わる
  • 自分が目指している目標に対して魅力的に感じるかでモチベーションが変わる

上記3つにおいて会社でコントロールできれば、期待理論の効果が出やすくなるだろう。実際に期待理論を活用する際は、以下のポイントを抑えておくと良い。

  • 従業員に目標を設定させる
  • 従業員によって活用の仕方を変える
  • 企業側がサポートして従業員と伴奏する
  • 社風に合わせて活用する
  • 従業員へのフィードバックを怠らない

これらを意識すれば、期待理論を社内に活かしやすくなるだろう。従業員たちが働きやすい環境をつくるためにも、会社として力を入れていただきたい。

この記事の監修者
リスキル事務局
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Q&A
  • 期待理論とはモチベーションに関連する理論のことです。目の前にある成果物や報酬に対する感じ方によって、モチベーションの高さが変わっていくことを説明しています。
  • 自身の成果に対して満足度が高くなるにつれて、モチベーションが上がっていく。成果に対する報酬の満足度が高まるにつれて、モチベーションが上がっていくという状況が、期待理論の具体例だと言えます。
  • 従業員に目標を設定させたり、期待理論の用い方を変えたりすることが大事です。その他に社風に合わせて活用方法を変えたり、従業員へのフィードバックを行ったりするのも大切だと言えるでしょう。
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