リスキルラボ 今さら聞けない!?報連相の「報告」と「連絡」の違い・ポイントを解説【やり取りをスムーズに】

新人研修・入社前研修
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新入社員が仕事を円滑に進める上で大事なのが「報連相」だ。なかでも「報告」と「連絡」は、似ていて違いが分からないという声もある。

新入社員の中には、違いが分からないまま何となく報告と連絡をしているケースもある。しかし違いが分からないまま行っていると、相手への伝え方が中途半端になってしまい、意思疎通しづらくなるかもしれない。

報告と連絡の違いが分かれば、使い分けられるようになり、社内でのやり取りがスムーズになるかもしれない。そこで今回は「報告」と「連絡」の違いや、それぞれのポイントについて解説していく。

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「報告」と「連絡」はなぜ必要か

報告と連絡には、共通したメリットがある。それは従業員間で状況を把握しやすくなって、お互いのフォローが楽になることだ。従業員同士のコミュニケーションの機会が増えるため、自然と意思疎通しやすくなる。

一方、報告と連絡を実施しなかった場合、従業員間でのやり取りが減りお互いの状況が分からなくなる。そのため、意思疎通をとるのが難しくなり、チームの連携力が弱くなってしまう。

会社としてのパフォーマンスが低下する原因にもなるため、報告と連絡は両方とも行った方が良い。

「報告」と「連絡」の違いとは

「報告」とは指示を与えられた人が、指示を出した人に業務や進捗状況などを伝えることだ。伝えなかった場合、会社に不利益を与えるケースが多い。

たとえば進捗状況を報告しなかった場合、作業の遅れに気付かず上司が誤った対応をとってしまうかもしれない。会社を守る上で、報告は重要なアクションだと言える。

一方「連絡」とは、自分の持っている情報を関係者へ伝えることを指す。気付きや共有したい内容を関係者へ伝える行為として用いられる。このように伝える内容や目的が異なるため、両者は違うものだと言えるだろう。

「報告」の具体例

ここからは報告の具体例を解説していく。

例①業務が完了したことを伝える

業務が完了したことを伝えるのは、報告の具体例として挙げられる。進捗状況を伝える行為に該当し、一般的に上司へ伝えるべき内容だからだ。

仮に業務が完了したことを伝えなかった場合、いつまで経っても他の業務の指示を出せない状況になり、社内業務が滞ってしまう恐れがある。

例②仕事で大きなトラブルが起きたことを伝える

仕事で大きなトラブルが起きたことを伝えるのも報告に該当する。進捗状況を伝える行為になるからだ。

仮にトラブルが起きたことを伝えなかった場合、別の被害が出てしまうかもしれない。

例③商談後の取引先からの結果を伝える

商談後の取引先からの結果を伝えるのも、進捗状況を話すことに該当するため報告に含まれる。
商談結果は上司へ報告すべき重要事項であるため、報告の具体例として含んでいいだろう。

「連絡」の具体例

連絡についても具体例を紹介していく。

例①業務に役立ちそうなツールが見つかったことを伝える

業務に役立ちそうなツールを共有するのは連絡の具体例だ。関係者にツールの存在を教えたり、やり方を伝えたりする行為が該当する。

関係者に伝われば社内の業務効率が飛躍的に向上するかもしれない。

例②自社の業績について共有する

自社の業績について共有するのも連絡に該当する。業績の共有は進捗状況とは違う。極端な話、自社の業績を知らなくても、業務をスムーズに進めることは可能だ。

しかし業績を教えてあげれば、それが取引先への話のネタになったり、仕事への向き合い方を変えたりするきっかけになるかもしれない。

例③世の中で起こっていることを伝える

世の中で起こっていることを共有するのも連絡に該当する。例えば「税率が上がった」「新しく法律が制定された」ことを伝える行為が挙げられる。

これらの内容は新聞やニュースで情報を得ようと思えば得られるため、絶対に伝えるべき内容とは言えない。ただ自分だけでは情報を集めきれないケースもあるため、連絡として役立つだろう。

「報告」する際のポイント

業務に支障をきたさないという点で見ると、連絡よりも報告の方が重要だと言える。連絡においては社内で共有できていなくても大きなトラブルにつながることは少ないが、報告を怠った場合は会社としてのアクションを間違えてしまい、業績悪化を招いたり、社内業務が滞ったりする原因になるからだ。

ここでは、報告する際のポイントを解説していく。

ポイント①要点を絞ってから報告する

報告する際は要点を絞った方がいい。なぜなら報告の時間は限られているからだ。仮に要点を絞らずに報告した場合、タイムオーバーとなり大事なことを伝え忘れてしまう恐れがある。

漏れを防ぐ意味でも、要点は絞るべきだ。なお、要点を絞って報告する際は、以下のことを抑えると良い。

数を決めておく

要点を絞る際は、何個報告するか数を決めておくべきだ。数を決めておけば、自然と無駄な内容が削られていく。そのため、本当に大事な内容のみ報告する状態になりやすい。

報告する内容の優先順位を考える

報告する内容が多い場合は、緊急度が高いものから伝えた方がいい。仮に緊急度が低い内容から伝えると、すぐに対応しなくてはいけないタスクが放置されてしまい、社内の業務に支障をきたす恐れがあるからだ。

なお、緊急度が同じであれば内容が軽いものから先にこなすといいだろう。

事実をベースに伝える

事実をベースに伝える理由は、真実が何か理解してもらうためだ。報告の中に私情が多いと、相手はどのような状況なのか理解しづらくなる。

理解するまでに時間がかかると、スムーズな報告ができなくなってしまう。相手の理解度を高め、話が進みやすくする意味でも事実をベースに伝えるべきだ。

ポイント②報告する順番を意識する

報告する順番を意識する理由は、伝える順番によって相手への伝わり方が変わるからだ。同じ内容を伝えるにしても、順番が違うだけで伝わりづらくなるケースもある。相手の理解度を高めるためにも報告する順番は意識すべきだ。

なお、報告する順番を考える際は、以下のフレームワークを活用するといい。

5W1H

5W1Hとは「When(いつ)、Where(どこで)、Who(誰が)、What(何を)、Why(なぜ)、How(どのようにして)」の視点で進めていくフレームワークのことだ。

5W1Hを用いる際は、報告する内容によって順番を変えることが大事だと言える。例えば、イベントの開催日が決まったことを報告するのであれば「When」を最初に伝えることで、真っ先に相手が知りたい部分を伝えられる。

また、トラブルの解決方法が決まったことを報告する場合は「What」を先に報告すると、具体的な内容を真っ先に伝えることが可能だ。相手の時間を無駄にしないためにも、最も重要な部分を最初に話せるよう、臨機応変に話す順番を変えるといいだろう。

PREP法

PREP法とは「point(意見)→Reason(理由)→Example(事例)→point(意見)」の順番で進めていく形式のことだ。PREP法を用いた場合の流れは以下の通りだ。

(意見)〇〇のため、××にしました。
(理由)理由は△△だからです。
(事例)例えば、過去に行った◇◇の事例では☆☆に成功しています。
(意見)売上拡大を図るためにも、××にすべきです。

上記のように最初と最後に意見を述べることで、熱量が増すため説得力の増す伝え方をしたいときに役立つだろう。

PREP法の解説や効果はこちらのコラムでも詳しく解説している。→PREP法とは?ビフォーアフターで見る例文も紹介!「何言ってるの?」からの脱却

ポイント③早い段階で報告する

早い段階で報告する理由は、相手が迅速に対応できる状態をつくるためだ。報告が遅くなると、今後の対応として選べる選択肢が減ってしまうかもしれない。それを防ぐ意味で、早い段階で報告すべきだ。

「連絡」する際のポイント

業務に支障をきたさないという点で言えば連絡は報告と比べて、そこまで重要ではない。なぜなら伝えなかったとしても、会社にとってマイナスになることが少ないからだ。

報告をしなかった場合、社内業務に支障をきたす恐れがある。しかし連絡の場合はそのようなことは少ないため、報告と比べると重要度は低い。ちなみに連絡する際のポイントは以下の通りだ。

ポイント①連絡手段を使い分けていく

連絡手段を使い分ける理由は、相手に迷惑をかけないためだ。電話で連絡した方が相手にとって好都合の場合もあれば、メールやチャットで十分な場合もあるだろう。

こちらからの連絡によって、相手の仕事が止まってしまい、迷惑をかける場合もある。したがって連絡の内容や緊急度、相手の状況によって連絡手段を使い分けることが大事だ。

ポイント②漏れなく必要な人たちに連絡する

漏れなく必要な人たちに連絡するのも大切だと言える。漏れがあると、連絡しても効果を発揮しづらくなるからだ。

例えば、10人に伝えた方がいい内容を3人にしか伝えなかった場合、残り7人には情報が行きわたらない。そのため、関係者全員に情報が行きわたるまでに時間がかかってしまう。

無駄な作業時間をつくらないためにも、漏れなく必要な人たちに連絡すべきだ。なお、関係者に漏れなく連絡するには以下のことを心掛けると良い。

誰が関係者か前もって挙げておく

誰に伝えるべきか関係者を前もって挙げておけば、連絡漏れを防ぎやすくなるだろう。チェックシートをつくって、関係者に連絡したか確認するのも効果的だ。

専用のグループチャットで伝える

チャットで連絡する際は、専用のグループチャットで伝えてもいいだろう。関係者をあらかじめ登録しておけば、連絡するたびに都度送信先を設定しなくても、関係者へ一斉送信ができる。そのため、漏れなく関係者全員に伝えられる状況を実現できるはずだ。

ポイント③連絡した後に内容を理解できているか確認する

連絡した後に、相手が内容を理解できているか確認した方がいい。なぜなら、伝えた内容を理解できていない恐れがあるからだ。

理解できていないのに分かったふりをしたり、勘違いしたりしているケースも0ではない。その状態になっている従業員が多いと、連絡をしても業務がスムーズに進まない。よって、理解できているか確認すべきだ。

なお、連絡した後に内容を理解できているか確認する際は、以下のことを行うと良い。

いくつか質問をしてみる

「〇〇のときは、どうしますか?」といった形で質問をしてみると、相手が理解しているか判断しやすくなるだろう。

たとえば相手が答えられなかったり、誤った回答をしたりすれば、理解できていないと判断できる。このように探りを入れることが大事だ。

内容を理解できているか現場でチェックしてみる

現場で仕事ぶりをチェックするのも方法だと言える。現場業務をこなせていなかったら、連絡した内容を理解できていない可能性が高い。定期的に仕事ぶりをチェックすることで、相手の理解度をある程度見極められるはずだ。

まとめ

報告と連絡について紹介した。報連相の中に両方とも含まれているが、重要度が高いのは「報告」の方だ。なぜなら報告をしなかった場合、会社に損失を与えてしまう恐れがあるからだ。

報告を受けなかったことで上司や会社が判断を誤って、会社の業績が悪くなってしまう場合がある。そのため、連絡よりも報告の方が重要だと言えるだろう。

なお、報告と連絡する際のポイントは下記の通りだ。

報告時のポイント

  • 要点を絞ってから報告する
  • 報告する順番を意識する
  • 早い段階で報告する

連絡時のポイント

  • 優先度によって連絡手段を使い分けていく
  • 漏れなく必要な人たちに連絡する
  • 連絡した後に内容を理解できているか確認する

上記のことを抑えておけば、新入社員も報告や連絡を使い分けながらアクションを取れるはずだ。

なお、新人研修・入社前研修新入社員ホウレンソウ研修などを実施することで、来年度入社の新入社員に対して事前に報連相スキルを強化しておくことも可能だ。
社内のコミュニケーションを円滑に進めるためにも、会社として力を入れていただきたい。

この記事の監修者
リスキル事務局
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Q&A
  • 報告とは業務の進捗状況や結果などを伝えることです。一方、連絡とは自分が知った情報を関係者に共有する意味合いが強いです。報告を怠ると会社に損失を与えるケースが多いですが、連絡を怠っても会社にダメージを与えることは少ないです。そのため、報告の方が重要度は尭と言えます。
  • 要点をいくつか抽出してから伝えることが大事です。その他に伝える順番を意識したり、早めに伝えることも重要だと言えるでしょう。
  • 優先度によって連絡手段を使い分けることが大切です。その他にも関係者へ漏れなく伝えたり、連絡した後に内容を理解できているか確認したりするのも重要と言えます。
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