リスキルラボ 管理職の役割と果たすために必要な能力を紹介【職場の質を高める】

管理職研修
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仕事での実績が認められて、管理職に出世する社員もいる。しかし管理職に出世した途端、活躍できなくなるケースがある。その理由の1つが「管理職の役割を理解できているか」だ。

管理職の役割を理解しないと、好ましくない行動をとってしまう。その結果、職場の雰囲気が悪くなり、成果を挙げられないチームになる。その状態を防ぐには、管理職が役割を知り、必要な能力を身につけることが求められる。

そこで本記事では管理職の役割と、それを果たすために必要な能力を紹介していく。

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管理職とは何か

管理職とは職場で一定の権限を持っている社員のことだ。部長や課長など、部下を管理する方のことを指す。

ちなみに管理職の年齢は、まちまちだ。20代の方もいれば、50代の方もいる。これは社員の実力や会社の従業員数・社内規則によって、タイミングが異なるからだ。大半の企業では入社からしばらく経つと、後輩社員が入社して管理する機会が回ってくる。そのときに適切な行動をとるためにも、管理職の役割と必要な能力は理解した方が良い。

管理職の役割

管理職には様々な役割がある。ここでは、主な役割を紹介していく。

チームの成果を挙げられる状況を作る

管理職は、チームの成果を挙げないと評価されない。そのため、プレイヤーよりもマネージャーとしての資質が求められる。普段から社員たちの様子を見たり、問題点を見つけて改善するための行動をとったりできないと、成果を上げる状況をつくるのは難しいだろう。

業務管理・改善

「部下たちが業務をスムーズに進められているか」「業務を進めづらい原因がないか」を探し、業務管理・改善していく。問題点を見つけて、それを解決するための行動がとれるかがカギだ。

ときには部下に、業務管理・改善を指示することもある。その際は、部下を納得させながら説明することが求められる。

部下の育成

直属の部下はもちろん、その他関係部署の社員が育つ環境を整えていく。育成のスケジュールやカリキュラム、指導方法などを考えながら、部下の戦力を上げる。上手に育成すると部下たちの業務の質が高まり、成果を挙げるチームへ変貌していく。

経営理念・方針の浸透

経営理念・方針が部下に浸透しないと、部下たちは違う方向を向いて仕事を進める。チームワークが乱れて、メンバー間の意思疎通ができなくなる。結果、チームの成果が伸びない。部下たちが同じ方向を向いて、チームの成果を上昇させるためにも、経営理念・方針は浸透させた方が良い。

役割を果たす上で管理職に必要な能力

ここからは、管理職の役割を果たす上で必要な能力を紹介する。

部下と経営陣の視点

管理職は部下と経営陣の視点を持たなければならない。それぞれの視点がないと、上手くチームを回せないからだ。たとえば部下の視点がないと、部下の気持ちを無視した指示出しになってしまう。部下の不満が溜まり、チームワークの乱れにつながる。

また、経営陣の視点がないと会社の意向を無視して業務を進める形となり、会社に貢献しない社員だと認定されてしまう。その結果、評価してもらえなくなる。管理職は部下と経営陣の板挟み状態となっていることが多い。両者に気に入ってもらうためにも、部下と経営陣の視点を持つべきだ。

業務の進捗管理能力

業務の進捗管理能力が必要な理由は、業務の進み具合によって対応方法を変えるからだ。たとえマニュアル通りに進めるのがスタンダードでも、イレギュラーが起こった際は普段と違う行動をとる。その際、業務の進捗管理ができていないと誤った行動をとり、二次災害を生み出すかもしれない。

管理職はイレギュラーがあっても冷静に判断し、その場に合う行動をとらねばならない。それを実現するためにも、業務の進捗管理能力はあった方が良い。ちなみに業務の進捗管理では、以下のことを意識するといいだろう。

細かく確認する

細かく確認する理由は、部下と上司の認識違いを防ぐためだ。その状態で話を進めると、部下と上司の話が噛み合わなくなり、業務上でトラブルが起こる。それを防ぐ意味で、上司は細かく確認すべきだ。

たとえば、部下に確認するときは「10ある業務のうち、何個の業務を終えたか」「残っている業務は何か」と確認すると良い。部下の進捗状況が具体的に分かるため、お互いの認識違いを防げる。

定期的に進捗確認をする

定期的に進捗確認をする理由は2つある。1つ目は、部下の異変に気付くためだ。定期的に進捗確認を行わないと、部下の異変に気付くまで時間がかかる場合がある。すると対応が遅れてしまい、損失につながるかもしれない。異変を感じても上司に言えない部下もいる。そのような社員を減らすためにも、行った方が良い。

2つ目は、仕事のサボり癖をつけないためだ。定期的に進捗確認をすれば、部下には報告が生じる。報告によって力の入れ具合が分かるため、仕事をサボれない。よって、部下が一生懸命働く環境をつくる上でも効果的だ。

ちなみに進捗確認を習慣化させる方法として、週1でチームミーティングを開催したり、月1で定期面談を行ったりなど様々な方法がある。

ツールを活用する

部下の進捗度をオンライン上で管理できるものや、社内のタスクを全て掲示できるシステムなど様々なツールが存在する。ツールを活用すれば、進捗確認の手間が減る。作業効率を上げられるため。活用すべきだ。

コミュニケーションスキル

コミュニケーションスキルは、部下たちと円滑な関係性を築く上で重要だ。部下とやり取りができない管理職は、悩みを全て抱え込む。その結果、部下の助けを借りられず潰れてしまう。

管理職であっても、ときには部下に助けを求めなくてはならない。行動に移せる状態をつくるためにも、コミュニケーションスキルの習得は重要だ。ちなみにコミュニケーションスキルを習得するには、以下の力を身につけると良い。

聞く力

コミュニケーションスキルで基礎となるのが、相手の話を聞く力だ。聞く力がないと、相手の気持ちを理解せず話を進めてしまう。部下に嫌われてしまい、管理職としての居場所がなくなる。部下に嫌われないためにも、聞く力は身に着けた方が良い。

伝える力

この力がないと部下は上司の話を理解できず、聞いても無駄だと感じる。その結果、頼りない上司だと思われてしまう。指示の内容を聞き入れてもらうためにも、伝える力はあった方が良い。

伝える力を身に着ける際は、語彙力を伸ばすといい。語彙力を伸ばせば、言葉の言い換えが楽になるからだ。様々な言葉を知っていれば、部下の目線に合わせて言葉を選べる。そのため、部下に理解させる説明ができる。

ポジティブな発言

ポジティブな発言を心掛けることも大切だ。ネガティブな発言が多いと、相手の気持ちも暗くなり、コミュニケーションに支障をきたす。前向きな言葉や、相手を励ます行動をとったりすることが大事だ。

自己開示

自己開示とは、自分のことを相手に開示することだ。たとえば自身の過去や、実情などを話すと、部下は心を開いて口数が増えていく。上司への信頼度が増していき、部下とのコミュニケーションが楽になる。

柔軟性

結果が一緒なのに、同じ行動をとっても意味がない。管理職はTPOに応じて行動を変えなければならない。変化に対応するためにも柔軟性が必要だ。ちなみに柔軟性を身につけるときは、以下のポイントを抑えるといい。

ゼロベース思考を身につける

ゼロベース思考とは、固定観念や思い込みをなくしてフラットな状態で考えることだ。自身の知識や経験がない状態で物事を見る力がつき、柔軟性を身に着けるのに役立つ。

相手が言ったことを受け入れる

相手が言ったことを受け入れると、自身の価値観のみで行動しなくなる。新たなことにトライする習慣ができるため、柔軟性を身に着けるのに効果的だ。自分が体験したことがない話でも、拒絶せず最後まで聞くことが大切だ。

自身で業務を遂行していく力

自身で業務を遂行していく力が必要な理由は、他の社員にその姿を見せるためだ。管理職が一生懸命行っている姿を見せれば、社員たちのモチベーションが上がる。結果、社員たちの動きが良くなっていく。

ちなみに自身で業務を遂行する力を身に着けるには、普段から業務に携わる習慣をつけるのと良い。業務に携わる習慣をつくれば、業務の質を上げるための努力をする。結果、自身で業務を遂行していく力を向上させるのに役立つ。

メンバーたちに理念を共有する行動力

チームの理念をメンバーたちに共有する行動力も大事だ。共有すれば、部下たちは共通の目的に向かって進んでいく。結果、部下たちは一致団結してチームにまとまりができる。ちなみに理念を共有するときは、以下のことを実践すると良い。

1回で終わらそうとしない

1回共有しただけでは、理念は浸透しない。繰り返し共有することで、部下に浸透していく。したがって、定期的に行った方が良い。

部下との信頼関係を築いておく

いくら共有しても、上司に対して不信感を持っていると拒絶しようとする。部下に分かってもらうためにも、部下との信頼関係は普段から築いた方が良い。

メンバーたちが発言できる雰囲気づくり

メンバーたちが発言できる雰囲気づくりが必要な理由は、社員たちの声を反映させるためだ。管理職のみで意見を決めると部下が管理職に不満を抱え、職場の雰囲気が悪くなるかもしれない。後々揉めないためにも、メンバーたちが発言できる場を設けるべきだ。ちなみにメンバーたちが発言できる場をつくるときは、以下のポイントを抑えるといい。

発言内容によって不利益を与えない

発言内容を理由に、降格や左遷など社員に不利益な状態を与えてはいけない。それが常態化すると、発言しづらいからだ。降格や左遷が起こると、部下たちは自分を守ろうと無難な発言しかしなくなる。結果、議論が活発的に行われなくなり、形式的なものになってしまう。

議論の活性化は、会社に新しい風を吹き込むときに大事だ。会社を成長させるためにも、発言内容によって不利益な状態を与えてはいけない。

発言者に対して怒鳴らない

発言者に対して怒鳴るのもNGだ。この光景が見受けられると、社員たちが委縮して発言が減るからだ。場合によっては、パワハラとして部下に訴えられる恐れもある。快適に発言できる雰囲気を提供するためにも、怒鳴ってはいけない。

弱みをさらけ出せる状態をつくる

社員たちが弱みをさらけ出せる状態をつくれば、発言しやすくなる。人が弱みをさらけ出すことで、発言のハードルが低くなるからだ。ハードルが下がれば、他の社員も気にせず発言できる。

チャット上で発言できる場をつくる

人前では発言できないが、テキストベースだと意見を伝えられる社員もいる。その場合、チャット上で発言できる場を設けると良い。社員と面と向かってやり取りしないため、発言しやすくなる。匿名で書き込めるツールもあるため、活用するといいだろう。

まとめ

ほとんどの会社に在籍する管理職には、様々な役割がある。たとえば、以下の役割が存在する。

  • チームの成果を挙げられる状況を作る
  • 業務管理・改善
  • 部下の育成
  • 経営理念・方針の浸透

上記の役割を理解すれば、管理職として社内で活躍できる。会社や部下から頼りにされる管理職になって、現場で活躍できる人材になるはずだ。しかし管理職の役割を果たすには、様々な能力が必要だ。なかでも以下の能力はあった方がいい。

  • 部下と経営陣の視点
  • 業務の進捗管理能力
  • コミュニケーションスキル
  • 柔軟性
  • 自身で業務を遂行していく力
  • メンバーたちに理念を共有する行動力
  • メンバーたちが発言できる雰囲気づくり

上記の能力値を上げれば、成果を挙げられるチームへ導けるはずだ。部下も働きやすさを感じ、社内業務が円滑に進むだろう。

なお、管理職研修などを受けてもらうことで、新任管理職には役割の理解から初めてもらうことができるため効果的だ。

戦力となる管理職を生み出すためにも、役割を意識しながら働く習慣をつくっていただければと思う。

この記事の監修者
リスキル事務局
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Q&A
  • 管理職とは職場で一定の権限を持っている社員のことです。部長や課長など、部下を管理する方のことを指します。 近年では、年功序列の不調もなくなったため、優秀であれば20代でも管理職に就く人もいます。
  • チームの成果を挙げられる状態をつくることです。そのために、業務改善や部下の人材教育、経営理念の共有に力を入れています。
  • 部下と経営陣の視点を持ったり、部下の進捗状況を管理したりすることが大切です。その他に、コミュニケーションスキルや柔軟性、プレイヤーとして業務を行う力も求められます。
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