リスキルラボ マインドフルネスとは?メリット・トレーニング方法を解説

マインドフルネス研修
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内閣府が発表している調査データ(令和5年版障害者白書)によると、日本の障害者の総数は1160.2万人であり、そのうち精神障害者は614.8万人とされている。

これは、人口1000人に49人が精神障害を抱えている状態であり、国民の約9.2%が何らかの障害を抱えて生活している状態だ。特に精神障害に関しては仕事や人間関係のストレスからくる後天的なものも多く、企業での予防や対応策が求められている。

そんな中でマインドフルネスと呼ばれる考え方が注目されている。これはメンタルを整える上で重要な知識で、トレーニングを積み重ねると習得できる。
今回は、マインドフルネスの概要を解説しながらトレーニング方法やメリットなどを解説する。

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マインドフルネスとは

マインドフルネスとは、今を大事にしながら生きていく考えのことだ。人間は過去の失敗を考えたり、不安を抱えたりする状況に陥ることが多い。その状況を引き起こすと自己嫌悪に陥ってしまい、自分に自信をなくしてしまう。

その状態を抜け出すきっかけとして「マインドフルネス」と呼ばれる考え方を身に付けることが大事だと言える。

マインドフルネスが注目される理由

マインドフルネスが注目されている理由は以下の3つだ。

1.現代社会がマインドレスな状態に陥っているため

仕事の他にプライベートな状態でも心に余裕のない生活を送るケースが増えてきた。そうなると必要以上に社会的な立ち位置や周囲の目が気になってしまう。結果、自分自身の考えに目を向けることができず、客観的に自分のことを判断することが難しくなる。それが根拠のない不安を抱えたり、過去の過ちに対して後悔したりする原因になってしまう。

しかしマインドフルネスの考え方を習得すれば、「心ここにあらず」といった状況を防げる。したがって自分が持つ否定的な面を捉えることや、周囲が発言したことに対して感情的な発言をする機会が減る。

とくに2019年以降は、新型コロナウイルス感染症の影響でライフスタイルが変わってしまいストレスを溜める方が増えた。そのため、マインドフルネスの注目度は上がったと言える。

2.根底にある感情が整わなければ、身に付けたスキルや知識が活かせないため

マインドフルネスは、パソコンで表すとOSのような存在だと言われている。OSとは、パソコン全体を管理しているソフトウェアのことで「Windows」や「Mac」などが該当する。仮に質の高いアプリを作ったとしても、OSと適合しなければ作動しない。

マインドフルネスについても同じことが言える。事務処理能力や接客スキルなど業務上で役立つ能力を身につけても、自分の感情や考え方が定まっていないと発揮することは難しい。上質なスキルや知識を詰め込んだところで、メンタルが不調になるだけだ。

持っているスキルや知識を活かすには自分の感情や考え方をコントロールしなければならない。そのためにはマインドフルネスを習得する必要がある。マインドフルネスの考え方が頭の中にあれば、身につけたスキルを自由自在に操れるようになる。そういった社員を増やすのもマインドフルネスが注目されている理由だ。

3.社員の定着率が下がっている

現代では転職は当たり前のことになってきた。そのため、自分の精神状況が不安定だと感じただけで、退職する社員が増えている。一昔前は苦しい状況になっても、我慢をして同じ会社で働き続ける考えが根付いていた。

しかし現在では、新入社員で入社した会社を定年まで続けるという考えは薄れ、社員の離職率は高まっている。それを解消するための手段としてマインドフルネスが活用されだしたのも、注目されだした理由の1つだ。

マインドフルネスで期待できる効果

マインドフルネスの考え方を習得すると、以下のような効果が期待できる。

1.心身ともに健やかな状態になる

自分の心と向き合うため、心身ともに健やかな状態へ持っていくことが容易になる。健やかな状態を保つことができれば、仕事だけではなくプライベートの充実につながる。結果、質の高い人生を歩むことにつながるのだ。

2.自己管理能力が高まる

自身のマインドをコントロールしやすくなるため、自己管理能力を高めるのにも役立つ。その状況になれば、自分の状況に合わせて仕事量を調整したり、日頃の過ごし方を変えたりする能力が身につく。

仕事だけではなく私生活も自分のコントロール下に置けるようになって、心のゆとりも生まれやすくなる。

3.長期にわたり成果を出せるようになる

自身のメンタルを整えれば仕事に対する意欲やモチベーションを高めるだけではなく、冷静な状態で仕事と向き合える。仕事に対するマインドが変わるため、長期にわたり成果を出しやすくなるのだ。

このように、マインドフルネスを通して、心や身体が悪い状態をニュートラルな状態に戻そうという働きが起きる。

※参考ページ:マインドフルネスとは何か?~本当の定義、やり方、学び方のまとめブリーフセラピー・カウンセリング・センター

マインドフルネスのメリット

マインドフルネスのメリットは以下4つだ。

1.費用をかけずに行える

マインドフルネスは、高額な費用をかけなくても習得できる。場所さえ確保すれば、実践できるためだ。自分の部屋やオフィスの一室、移動中の車内など様々な場所で行える。ふとしたときに実践できるのも、マインドフルネスのメリットと言える。

2.イライラが減る

マインドフルネスを実践するとメンタルが整うため、イライラが減っていく。相手が言ったことに不快感を持ったとしても、上手に流せるようになる。相手の発言を気にしすぎてしまう方にも、マインドフルネスは効果的だ。

3.ポジティブな発想をしやすくなる

自身が持つネガティブな発想を取っ払えるようになれば、ポジティブな発想をする機会が増える。結果、物事を前向きに捉える能力が身について、積極的に行動する習慣がつく。

4.コミュニケーションがとれやすくなる

冷静な判断ができるようになって、コミュニケーションがとれやすくなる。社内外でのやり取りがスムーズになり、仕事を進めるときにプラスの効果が出る。仕事を優位に進めるのにも、マインドフルネスは役立つのだ。

マインドフルネスを活かしたトレーニング方法

マインドフルネスを活かしたトレーニング方法は複数存在する。ここでは代表的なトレーニング方法を2つ紹介する。

1.瞑想

瞑想はトレーニングの中でも、基本的なものだ。以下2つの瞑想方法を紹介する。

①呼吸瞑想

呼吸を意識しながら、瞑想をしていく方法だ。背筋を伸ばした状態で、椅子に腰をかける。その後、鼻から息を吸ったり吐いたりする。

なお呼吸を繰り返すときは「鼻から息が流れていること」or「呼吸によってお腹が膨らんでいること」に意識するといい。初めのうちは1セット2~3分程度とし、場数を踏むにつれて徐々に時間を増やしていくといい。

②ボディスキャン瞑想

自分の体に不調がないか意識しながら取り組んでいく瞑想のことだ。腕を真上に上げた状態で、仰向けの状態に寝転がって目を瞑る。その後、体が床についている状況を意識して呼吸を10回前後繰り返す。

ちなみに呼吸をするときは、息が体の至る所を通過していくことを意識する。下半身、上半身、全体といった形で、順番に息が流れていくことを感じ取れば、体の不調に気付きやすくなる。体の状況が悪くなっていないか確かめる意味で、効果的な取り組みだと言える。

2.マインドフルネス認知療法

精神状態が安定している方に向けての治療方法で、うつ病などの精神疾患の再発を防ぐために行う。さきほど紹介した呼吸瞑想やボディスキャン瞑想など、多種類のプログラムを実施していく。

これらのプログラムをこなしていき、最終的にはうつ病が再発しそうになったときのサインを自分で掴めるようにする。体との付き合い方に向き合うための実践術と言える。

マインドフルネスのポイント

最後にマインドフルネスのポイントを5つ紹介する。

1.環境を整える

環境が整っていないと、マインドフルネスの効果を発揮させるのは難しい。自分と向き合うためにも、集中できる場所で実践すべきだ。環境を整えるときは、以下3つのことが大事になる。

①周囲に物がない

周囲に物が置いてあると、物に関することを考えてしまい、気を散らす恐れがある。極力、物が置いてない場所で実践するといい。

②騒音がしない

騒音がすると、気が散ってしまい自分の心と向き合えなくなる恐れがある。極力、静かな場所の方がいい。騒音がする場所しかない場合は、窓を閉めて音が聞こえない環境を作るべきだ。

③誰にも邪魔されない

誰にも邪魔されない場所を選ぶことも重要だ。マインドフルネスを実践しているときに、声を掛けられる場所だと、思うように自分の心と向き合えなくなる。その結果、中途半端な状況で終わってしまう。

万が一、人がいる部屋でしかできない場合は、前もって声をかけてはいけない時間をメンバーに共有しておけば、邪魔をされずに済む。

2.繰り返し実践する

トレーニングを1度行っただけでは、マインドフルネスの効果は期待できない。なぜなら、元の状態に戻ってしまうためだ。自分の体を改善させるには繰り返し実践して、トレーニング前の状態に戻さないことが大事になる。スマホのアプリにスケジュールを登録したり、繰り返し実践したくなる仕組みを作ったりすると、実践するのが当たり前になる。

3.トレーニングを義務にしない

マインドフルネスについて理解する初期段階などは、マインドフルネス研修を受けたり、自己学習などでトレーニングする内容を覚えることは重要だ。

しかし、その後日々行うことを義務化してしまうと、億劫になったり実践するのが苦しくなったりする恐れがある。したがってトレーニングは、自発的に行うべきだ。自発的に取り組むことを意識すれば、自然と義務感はなくなっていく。

4.うまくできなくても落ち込まない

初めのうちはトレーニングを実践しても、うまくいかないものだ。落ち込んでしまうと精神的に病んだり、マインドフルネスを実践しない理由を作ったりするため危険だ。大目に見ることを心掛けた方がいい。

しかし意識しても、落ち込んでしまう方もいる。そのときは、進歩したことにフォーカスするといい。「前回と比べて〇〇ができた」というように、成長した出来事に目を向ければ、落ち込むことが減る。完璧主義の傾向が強い方は、その意識を一旦横に置くと、楽な気持ちで取り組める。

5.慎重に指導者を選ぶ

マインドフルネスを教わるときは、慎重に指導者を選んだ方がいい。指導のされ方によって、効果が変わってくるためだ。選ぶときは、以下のことを意識するといい。

①マインドフルネスを習得しているか

マインドフルネスを習得している指導者を選ぶべきだ。習得できていない方が指導者だと、知識が備わっていないため、良質な指導を受けるのは難しい。プレイヤーとしても優れているか確認した方がいい。

②指導経験があるか

マインドフルネスを習得していても、指導経験をこなしていないと適切な指導は難しい。相手へ分かりやすく伝えたり、コミュニケーションをとったりなど、指導者に大事なスキルが備わっていない恐れがあるためだ。

仮に講師の能力が優れていても、相手が習得できなければ指導者の質は低い。指導者としての実績などを調べて、どのくらいの指導力があるか調べておくことが大事だ。

まとめ

マインドフルネスは現代社会において身に付けるべき考え方の1つだ。とくに2019年以降は新型コロナウイルス感染症の流行によって、ライフスタイルが大きく変化した。それに伴い心に余裕がなくなった方が増えた。時代が激変したからこそ、マインドフルネスは今後も重要になる。なお、マインドフルネスには以下の4つメリットがある。

1.費用をかけずに行える
2.イライラが減る
3.ポジティブな発想をしやすくなる
4.コミュニケーションがとれやすくなる

体調面だけではなく、仕事においても役立つ能力を身につけられる。そのため社会人にとってもメリットは多い。

ちなみにマインドフルネスを習得する代表的なトレーニングは「瞑想」だ。呼吸をしながら心身ともに健やかな状態にしていく。しかし正しい方法で行わなければ効果は期待できない。以下のポイントを抑えながら実践するといい。

1.環境を整える
2.繰り返し実践する
3.トレーニングを義務にしない
4.うまくできなくても落ち込まない
5.教わる場合は慎重に指導者を選ぶ

これらを意識すれば、効率的にマインドフルネスを習得できるはずだ。初めのうちは慣れるまで難しいかもしれないが、何度も行っていくうちにコツを掴めるようになる。心身ともに健康な状態を維持させるためにも、日々の生活に組み込んでいただきたいと思う。

この記事の監修者
リスキル事務局
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  • 過去や未来のことにとらわれず、今を大事にしながら生きていく考え方のことです。自分の中で生まれてしまう不安な気持ちを、持たないために必要なことだと言えます。
  • 心身ともに穏やかな状態をつくれます。イライラすることが減ったり、ポジティブな発想が生まれたり、コミュニケーションをとれやすくなったりします。しかも費用をかけずに習得できるため、お金の心配をする必要もありません。
  • 代表的なのは瞑想です。呼吸を意識しながら、体の状態を整えていきます。ボディスキャン瞑想と呼ばれる方法を取り入れると、体の不調を発見するのに役立ちます。
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