リスキルラボ 限界認知とは?マルチタスクとの違い・活用するポイントを解説【従業員の戦力アップを目指す】

業務効率化研修
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限界認知とマルチタスクは似ているようで異なるものだ。これらのバランスを上手くとれるかで、従業員の働きぶりが決まると言っても過言ではない。

本記事では、限界認知とマルチタスクの違いを説明しながら、従業員を成長させるコツを紹介していく。

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「限界認知」と「マルチタスク」の違い

限界認知とは、今の状況が限界だと感じることだ。人間の脳内で理解できる量は決まっている。その中で、これ以上理解できないと思った段階のことを「限界認知」と呼ぶ。

限界認知を感じると、現状のままでは成長できないと思うようになる。成長意欲のある人は、今とは違う行動をしなくてはならないと感じるようになり、新しいことにトライしたり、今の状況を改善したりする姿勢が生まれやすい。

「限界認知」についてはこちらのコラムでも詳しく解説している。
「限界認知」とは?限界認知を克服し、組織の成長を促進する

一方、マルチタスクとはさまざまな作業を短時間で行うことだ。数分刻みでタスクを切り替えたり、2つの作業を同時に取り組んだりする状態を指す。

マルチタスクが得意な人は、複数のタスクを処理することに対して苦手意識を感じることが少ない。そのため、幅広い業務をこなすのに向いているだろう。

限界認知とマルチタスクの具体例

ここからは限界認知とマルチタスクの具体例について説明していく。

限界認知の具体例

限界認知の具体例は以下の通りだ。

他部署の業務をこなそうとしたが限界に感じる

他部署の業務をこなそうとしたが限界に感じて、これ以上発展性がないと思い込んでしまった場合、限界認知が起こったと言える。

たとえば自身が配属されている部署と業務の進め方が違い、流れについていけなかった場合、もう無理だと感じやすくなる。結果、限界認知が起こりやすい。

想定外の業務を振られて、これ以上やっても上手くこなせないと思い込んでしまう

想定外の業務を振られて、これ以上やっても上手くこなせないと思い込んでしまうのも限界認知が起きている状況だ。

想定外の業務の場合、いつもとは違うアクションをとらなくてはならない場面が多い。今までのやり方が通用しない場面に遭遇して、空回りしてしまう機会が増えやすいため、限界認知が起こりやすい場面だと言える。

新規事業が上手くいかない

新規事業を考えていたが、これ以上考えても上手くいかないと認識した場合、限界認知が訪れたと言える。

新規事業に携わる場合、今までにはないことを考えることが多い。ルーティンワークではないため、今までの知識では通用しない場合もある。そのため、新規事業に取り組む場面も限界認知が起こりやすい。

マルチタスクの具体例

一方、マルチタスクの具体例は以下の通りだ。

従業員に指導しながら自分の業務を進める

従業員に指導しながら自分の業務を進めるのは、2つのことを同時に行っているためマルチタスクだと言える。

従業員に口頭で指導する傍ら書類を作成したり、従業員の現場をチェックしながら、自分の作業を進めたりする行為などが挙げられるだろう。

複数の人とのやり取りを同時に行う

複数の人と同時にやり取りを行うのもマルチタスクだ。Aさんとはプロジェクトに関するやり取り、Bさんには進捗状況の確認、Cさんには業務進捗の報告をするというようなイメージだ。

それぞれ異なる内容のやり取りを行っているため、マルチタスクだと言える。

資料を読みながら別の業務を行う

議事録や説明書などの資料を読みながら、別の業務を行っている場合も、2つの作業を同時に進めているためマルチタスクに該当するだろう。

限界認知を克服しマルチタスクをこなせる=従業員の戦力が上がる

限界認知を克服しマルチタスクをこなせる従業員は、自身の業務効率を高められる。そのため社内において力を発揮する可能性が高い。最後に、この状況をつくるポイントを紹介していく。

優先順位をつける

優先順位をつければ複数の作業があっても、どの順番で行うべきか分かる。そのため、作業の順番で混乱する機会を減らすことが可能だ。

作業の順番で混乱しなくなれば、マルチタスクをこなせるようになる。結果、限界認知を打破できて戦力アップにつながる。

なお、優先順位をつける際は以下のことを行うといいだろう。

やらない作業を決める

やらない作業を決める理由は、無駄な項目を失くし優先順位をつける項目を減らすためだ。仮にやらなくても良い項目がたくさん入っていると、その分優先順位を付ける項目が増えて、余計な時間を割いてしまう。

優先順位をつける項目が少なければ、その分時間を削減できる。よって、やらない作業を決めるのは大切だと言える。

重要性と緊急度を意識する

重要性と緊急度を意識しながら、優先順位をつけるのも重要だ。重要性と緊急度の度合いによって、適切に優先順位をつけやすくなる。

たとえば、以下のように優先順位をつけるといいだろう。

重要度×緊急度で優先順位を付けてタスクをこなす

優先順位が最も高い(重要性・緊急度ともに高い)
2番目に高い(重要性は低いが緊急度は高い)
3番目に高い(重要性は高いが緊急度は低い)
最も低い(重要性・緊急度ともに低い)

上記のように分ければ、優先順位をつけるときが楽になるはずだ。

成果が出るまでの工程やパフォーマンスを意識する

優先順位をつけ終わった際に、同じぐらいの優先度でどちらの作業をすべきか迷うケースもあるだろう。その場合は、成果が出るまでの工程やパフォーマンスを考えた上で、決めることが大事だ。

たとえば工程が短かったり、パフォーマンスが出やすかったりする作業の優先順位を高くすると決めておくと、優先順位が同率だった場合も迷わずに取り組めるはずだ。

大きなタスクは細かく分けて処理する

細かく分けて処理すれば、タスク業務の負担を減らせる。タスクによっては、細分化した方が作業しやすくなるだろう。

ちなみに、細分化する際は以下のポイントを抑えると良い。

業務の流れを明確にする

業務の流れを明確にする理由は、細分化の仕方を間違えないためだ。単に細かく作業を分けるだけだと、細分化した後に作業がしづらくなったり、業務効率が落ちたりする場合がある。

それを防ぐ意味で、どのようなプロセスを経て最後どのようにゴールするのかは、イメージした方がいいだろう。

どこまで細分化するか明確にする

どこまで細分化するのか明確にするのも大切だ。たとえば、1つの作業を5つに分けた方がいい場合もあれば、10個に分けた方がいいケースもある。分け方を間違えると、作業のクオリティが落ちる原因になるため、明確にした方がいい。

なお、細分化する際は一定の基準を設けるといいだろう。たとえば「一気通貫しなくてはいけない作業は細かくしすぎない」「作業日が違っても問題ない場合は細かくする」といった形で、細分化の目安を決めておくと楽に作業ができるはずだ。

リフレッシュの時間を設ける

リフレッシュの時間を設ける理由は、脳内が混乱しない状況をつくらせるためだ。脳がつかれていると、パフォーマンスを発揮しづらくなる。作業効率を高める上で、リフレッシュの時間を設けさせるのは大切だ。

なお、リフレッシュの時間を設ける際は以下のことを行うと良い。

定期的に休憩できる仕組みをつくる

定期的に休憩できる仕組みを作る理由は、無意識のうちに仕事に没頭しすぎないようにさせるためだ。

従業員によっては、身体が限界を迎えるまで仕事に励むケースがある。それが常態化すると、脳が疲れるだけではなく体調不良を起こし、業務に励めなくなるかもしれない。その結果、業務中に集中力がなくなったり、欠勤者を増やしたりする。

それを防ぐ意味でも、定期的に休憩できる仕組みはつくるべきだ。たとえば「〇時から15分間は休憩タイム」と決めておけば、必然的に休憩をとる習慣が生まれる。このように、定期的に休憩することが大事だ。

社内で雑談の習慣をつくる

社内で雑談の習慣をつくるのも大切だ。たわいもない会話が、従業員をリラックスさせるはずだ。万が一、従業員間のコミュニケーションがない場合は、上司から部下へ積極的に会話するといいだろう。

会社によっては、雑談スペースを設けているケースもあるようだ。

オーバーワークさせない

オーバーワークをさせると、リラックスできる時間が生まれない。そのため、オーバーワークをさせないのも大切だ。他の従業員が助けたり、お互いが気にし合って業務を進めたり、長時間労働を防止したりすることで、実現できるだろう。

またオーバーワークになっている従業員を見かけた際に、従業員間で声を掛け合うことを習慣化すれば、オーバーワークの抑制に役立つ。そのため、導入してもいいだろう。

各従業員の個性を意識しながら業務を与える

従業員によって、持ち味は違う。従業員が力を発揮できる状況をつくれば、会社に貢献しやすくなる。よって、各従業員の個性を意識しながら業務を与えるのも覚えておいた方がいい。

なお、従業員に作業を振る際は最低限以下のことは行うことが大事だ。

従業員のことを知る

従業員のことを知る理由は、割り当てる作業の内容を間違えないためだ。従業員の仕事の状況やスキルはもちろん、性格や特徴、得意分野・苦手分野など細かく知っておいた方がいい。

従業員のことを知らずに作業を振ると、大きなミスが連発したり社内の他の業務がストップしたりして迷惑をかけるかもしれない。従業員が働きやすい環境をつくるためにも、従業員のことを知るべきだ。

会社都合のみで与える業務を決めない

会社都合のみで与える業務を決めない理由は、従業員に不信感をもたれないためだ。仮に会社にとっての駒として扱われていると認識されると、会社に対して不信感が生まれてモチベーション低下を招く。

その結果、作業を振ってもパフォーマンスが悪くなってしまう恐れがある。従業員が最大限の効果を発揮できる状態をつくる意味でも、会社都合のみで動かない方が良い。

丸投げせず周囲がサポートする

作業を丸投げせず、周囲がサポートするのも大切だ。いくら優秀な従業員であっても、キャパオーバーしたり精神的に滅入ったりして思うように進まないことはある。その際、1人に任せるとプレッシャーに押しつぶされて、働けなくなるかもしれない。

しかし周りがサポートすれば、困難なことがあっても立ち向かいやすくなる。従業員がイキイキと働く状態をつくる上でも、周囲のサポートは必要だと言えるだろう。

まとめ

限界認知とマルチタスクは関連性がある。たとえ限界認知が訪れたとしても、マルチタスクスキルを高めることができれば、従業員の戦力はアップしていく。

ちなみに限界認知とマルチタスクの具体例は以下の通りだ。

限界認知の具体例

  • 他部署の業務をこなそうとしたが限界に感じる
  • 想定外の業務を振られて、これ以上やっても上手くこなせないと思い込んでしまう
  • 新規事業が上手くいかない

マルチタスクの具体例

  • 従業員に指導しながら自分の業務を進める
  • 複数の人とのやり取りを同時に行う
  • 資料を読みながら別の業務を行う

仮に限界認知が訪れても克服し、マルチタスクの能力を高めることができれば従業員の戦力アップにつながっていく。それを実現させるには、以下のことを行うと良い。

  • 優先順位をつける
  • 大きなタスクは細かく分けて処理する
  • リフレッシュの時間を設ける
  • 各従業員の個性を意識しながら業務を与える

上記のことを意識すれば、限界認知の壁を乗り越えて戦力アップになるはずだ。

なお、これらを社員一人ひとりが独学で学ぶことは難しい。業務効率化研修や、タスク管理研修などの研修を受講することも良い手段だ。ぜひ検討してみてほしい。

社内業務を上手く回すためにも、限界認知を克服させてマルチタスク能力を高めていただければと思う。

この記事の監修者
リスキル事務局
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