リスキルラボ キャリア開発とは|手法・注意点を解説【社員の能力を最大限に引き出す】

キャリアデザイン研修
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場数を踏んだ社員でも、現場で活かせなければ「宝の持ち腐れ状態」に陥る。過去の経験で得た知識を活かす社員を増やすには、会社が「キャリア開発」を行う流れをつくるといい。キャリア開発が上手くいけば、社員がスキルを発揮しやすい状態が生まれる。結果、社員の戦力アップに役立つ。

しかしキャリア開発に力を入れても、間違った方法では効果が出ない。本記事ではキャリア開発の概要を紹介しつつ、手法や注意点を紹介する。

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キャリア開発とは

キャリア開発とは、過去から現在において体験したことを中長期的に活かせる状態へ持っていくことだ。キャリア開発を行うことで、社員がスキルを活かせる状態をつくっていく。今では多くの企業で導入されているが、一昔前は根付いていなかった。なぜなら入社~退職まで、会社で面倒を見るのが当たり前だったからだ。

昔は企業が設定したキャリアを歩めば、退職まで働ける保証があったため、キャリア開発は重要視されなかった。しかし現代では年功序列が崩壊し、会社がキャリアを描いても、それが通用するとは限らない。その結果、多くの企業でキャリア開発が導入され出した。現代では時代の移り変わりが早いため、努力を怠ると置いていかれてしまう。その状態をつくらないためにも、キャリア開発は必要だと言える。

キャリア開発の目的

ここからは、キャリア開発の目的を紹介する。

社員の潜在的能力を開花させる

キャリア開発では、未経験のことにトライさせる機会も多い。不可能だと思っていたことができるなど、想定外のことも起こる。

その状態が増えれば、社員は自分に自信がつき、積極的に行動する。最終的に、自身の潜在的能力を開花させる流れができていく。

組織を活性化する

全社員のキャリア開発を行えば、それぞれが自身の経験を活かせる状態が出来上がる。その結果、社内の業務効率は上がり、組織の活性化につながる。

社内の問題解決に役立てる

長年仕事で悩んでいた社員が、キャリア開発によって解消される場合もある。つまりキャリア開発は、社内の問題解決を担う手段としても役立つ。

キャリア開発によって、次々と問題解決できる状態が生まれれば、問題が山積みにならずに済む。スピーディーに業務が進み、社内で課題を抱えずに済む。

キャリア開発の手法

キャリア開発の手法には、様々なものがある。ここでは、4つの手法を紹介していく。

研修

社員の才能を発揮させる研修を行い、キャリア開発を進めていく。以下のステップを踏んで研修を行う。

ステップ⓵対象者によってカリキュラムを変える

対象者によってカリキュラムを変える理由は、受講者によって最適な内容が異なるからだ。Aプランの研修で成果が出る社員もいれば、Bプランの研修を実施して、初めて効果が現れる社員もいる。全ての社員が能力を活かせる状態へ持っていく意味で重要だ。

なお、はじめに受ける研修としてはキャリアデザイン研修のように、「キャリアとは何か」「キャリアデザインとは何か」「なぜ行わないといけないか」を学ばせる内容を実施することがおすすめだ。自身の今と将来に必要なことである、と理解してもらうことで、今後の研修参加へのモチベーションをアップすることに繋がる。

ステップ⓶研修を実施する

カリキュラムを組んだら、スケジュールに合わせて研修を実施する。実施する際のコツは、受講者が飽きない状況をつくることだ。飽きてしまうと、他人事のように研修を受講し、キャリア開発を妨げる恐れがあるからだ。

たとえば「ワークを盛り込んで自身で作業させる」「自分の可能性を信じられる状態をつくる」といった流れを研修に落とし込めば、全員参加型の研修が出来上がる。アクションを起こしたり、アウトプットしたりする習慣が生まれ、キャリア開発に良い影響を与える。

ステップ⓷定期的に研修を行う

1回の研修のみで、効果が現れるわけではない。定期的に研修を実施することが大事になる。受講回数が増えるにつれて、研修の中での理解度が上がる。

研修に対する感じ方や自分への向き合い方、キャリア開発の進み方などが変わっていく。2,3回で効果が現れる研修もあれば、5,6回行わなければ効果が出ないケースもある。テーマによって、研修の回数を変えることが重要だ。

面談

面談で上司が助言することで、キャリア開発を行うパターンもある。面談時は、以下の流れに沿って行うといい。

ステップ⓵面談で話す内容を決める

予定通りの面談ができるように、前もって話す内容を決めておく。話の流れやタイムスケジュールを設定しておけば、無駄な時間をつくらずに済む。

ステップ⓶面談を行う

話す内容を決めたら面談を行う。面談時は上司が聞き手になることを意識した方が良い。なぜなら、相手から話を聞き出すためだ。

上司が一方的に話すと、部下から情報を聞き出せない。しかし、上司が聞き手になれば部下から多くの情報を聞き出せる。その結果、効果的な改善案を提示しやすくなる。スムーズに面談を進めるためにも、上司は聞くことをメインにした方が良い。

ステップ⓷フォローアップする

面談後は、話した内容をもとにフォローアップする。たとえば「スキルの向上が捗る体制をつくる」「新たなことにトライさせる機会をつくる」といったイメージだ。部下の仕事のレベルを上げるためにも、フォローアップの機会はつくった方が良い。

キャリアの提示

社員に合うキャリアを提示する手法もある。キャリアを提示すれば「このキャリアは自分に合っている」「違ったキャリアを進んだ方が良い」など、自分の考えが出てくる。その結果、どのようなキャリアを歩むべきか意識するようになり、キャリア開発に役立つ。

部署異動

別の部署に異動させると、今までとは違う業務に携われる。その中で、得意なことが見つかって、新たな道を歩める可能性がある。結果、キャリア開発に役立つ。

キャリア開発の注意点

最後にキャリア開発の注意点を紹介していく。

社員が主体であると認識する

会社がキャリア開発を一方的に行うと、社員は他人事に捉えてしまう。それを防ぐには、社員が主体であると認識させることが重要だ。他人事として話を聞かなくなり、キャリア開発の効果が現れやすくなる。

社員が主体であると認識させるときに効果的なのが「内発的動機づけ」だ。「仕事で成果を挙げたいから頑張る」、「スキルアップしたいから愚直に学ぶ」というように、自分の気持ちがきっかけで起こる動機づけのことだ。内発的動機づけを促すときは、以下のことを意識すると良い。

自律性を育てる

考える時間を与えたり、作業を任せたりするといいだろう。自分軸で動く機会を与え続けることで、自律性が育っていく。

有能感を満たす機会をつくる

有能感とは、自身の能力を信じることだ。有能感を満たす機会をつくるときに大切なのが、周りに認められている環境をつくることだ。

たとえば同僚が褒めたり、良い成果を挙げた社員を表彰したりする機会をつくると、周りに認めてもらっていると実感できる。結果、有能感を満たすのにつながる。

社員間の関係性を良くする

社員間の関係性を良くすることも大事だ。たとえば、コミュニケーションをとれる環境をつくれば、自然と社員間のやり取りが増える。お互いの距離感が縮まり、一緒に行動したいという気持ちが生まれる。それが、内発的動機づけをもたらす。

キャリア相談できる窓口を設ける

キャリア相談できる窓口を設けるのも効果的だ。ちなみに相談窓口を設けるときは、以下のことを意識すると良い。

社員のニーズを調べる

社員のニーズとかけ離れたサービスを提供しても、利用者は増えない。その状態が続くと、時間とお金の無駄になる。利用者を増やすためにも、社員たちのニーズを調査し、それを満たす相談窓口にした方がいい。

相談窓口の存在を社員に周知する

相談窓口を設置しても、社員たちが知らなければ利用者は増えない。相談窓口の稼働数を増やすには、社員への周知が必要だ。社内にポスターを貼ったり、社内サイトで知らせたりするといいだろう。

専門家を配置する

社内のスタッフのみでは、上手に運用できないケースもある。そのときは、専門家を配置するのも手だ。産業医やカウンセラー、キャリアコンサルタントなど様々な方がいる。

専門家が担当者になれば、知見がない方と比べて適切なアドバイスができる。結果、キャリア開発に良い影響を与える。

場合によっては社外の相談窓口を紹介する

社内の相談窓口では、対応できないこともある。そのときは、社外の相談窓口を紹介してもいいだろう。社員の状況に合わせて、紹介先を使い分けるといいだろう。

社員の属性や志向に応じたサポートをする

社員の属性や志向に応じた、サポートも大切だ。なぜなら、社員によって状況が違うからだ。

スキルや性格は社員によって異なる。同じ対応だと、育たない社員が出てくる。どのような対応をすれば、キャリア開発の効果が出るかは社員によって違う。よって、属性や志向に応じたサポートをするのは大切だと言える。

挑戦の機会を与える

様々なことにトライさせれば、自分の可能性に気付けるチャンスが増える。新たな自分を発見できてキャリア開発がスムーズに進んでいく。よって、挑戦の機会は与えた方が良い。なお、挑戦の機会を与えるときは以下のことを意識すると良い。

社員のレベルに合わせて挑戦の機会を与える

難易度の高いものに、挑戦させればいいわけではない。なぜなら、社員のモチベーションを失う原因になるからだ。ハードルが高すぎると消極的になり、やる気を失くす。それを防ぐためにも、社員のレベルを考慮しながら、挑戦の機会を与えた方が良い。

挑戦の機会を与えるときは、頑張ればできそうなことをさせるといい。自分の可能性を信じるため、モチベーションを下げずに済む。

権限を決めてトライさせる

権限を決めてトライさせる理由は、失敗したときのダメージを抑えるためだ。権限を決めずにトライさせると行動が大胆になり、取り返しのつかない状態になる恐れがある。しかし前もって権限を決めれば、失敗したときのリカバリーが楽だ。傷口を広げないためにも意識した方が良い。

部下に考えさせる時間を与える

部下に考えさせる時間を与える理由は、自力で解決する姿勢を身につけるためだ。自分で考えるのが当たり前になれば、何も考えずに人へ頼らなくなる。結果、立ち向かう姿勢ができて、積極的に挑戦する社員になっていく。

上司の価値観を押し付けない

上司の価値観を押し付けない理由は、チャレンジ精神を失わせないためだ。チャレンジしている部下に上司が価値観を押し付けると、部下は思い通りに動けなくなる。フリーズしてしまい、トライするのが怖くなってしまう。

常態化すると指示待ち人間になり、自分からチャレンジしなくなる。社員の積極性を奪わないためにも、上司の価値観を押し付けてはいけない。

部下に相談されたときは答える

部下が安心してトライするには、サポートする姿勢も大切になる。適切なサポートができれば、部下は安心してトライしていく。迅速にサポートすれば、悩みや問題にぶつかっても、すぐに立ち直れる。

早めに軌道修正した方が、仕事がサクサク進む。社員の業務スピードを落とさないためにも、相談されたら答えた方が良い。

まとめ

正しい方法でキャリア開発を行えば、過去の経験やスキルを活かせる社員が増える。社員たちの実力が発揮され、組織が活性化する。結果、会社全体の業績も上がっていく。ちなみにキャリア開発の方法は、以下の4つに分類される。

  • 研修
  • 面談
  • キャリアの提示
  • 部署異動

上記の手法を使い分ければ、効率的にキャリア開発を進められるため、社員の人材育成も楽になるだろう。しかしキャリア開発を行う際には、いくつかの注意点が存在する。

  • 社員が主体であると認識する
  • キャリア相談できる窓口を設ける
  • 社員の属性や志向に応じたサポートをする
  • 挑戦の機会を与える

上記の注意点を抑えないと、キャリア開発は失敗に終わってしまう。各社員がスキルを活かせる環境をつくるためにも注意すべきだ。

社員の潜在的能力を引き出すのに、キャリア開発は役立つ。個性を活かしやすくなり、やりがいを持って働く方も増えるはずだ。

社員の中にはキャリアに関する悩みを持っていて、モヤモヤを感じる方もいる。しかし、キャリア開発ができれば一筋の光が見えて、悩みの解消につながるかもしれない。自身の強みを発揮できる状態をつくるためにも、キャリア開発に力を入れていただきたい。

この記事の監修者
リスキル事務局
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Q&A
  • 過去に積んできた経験で得たスキルを活かせる状態にすることです。キャリア開発を進めると、潜在的能力を活かすのが楽になります。
  • 研修・面談・キャリアの提示・部署異動の4つです。状況に合わせて使い分けるといいでしょう。
  • 社員が主体であることを認識させて、自分事として行わせるのが大切です。その他に社員が相談しやすいように窓口を設置したり、サポート体制を整えたりすることで、キャリア開発の成果が出やすくなります。
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