まとめ
OJT研修
OJT研修とは、On the Job Trainingの頭文字を取ったもので、職場で業務を行いながら、必要な知識やスキル、仕事の進め方を習得させることを言います。基本的には、新入社員に対して決められた期間(1年程度)にて担当者を付けて実施します。
リスキルのOJT研修では、先輩社員が効果的にチームのOJTを進めるために、そのノウハウを習得することを目的(ねらい)としています。
OJT研修の目的とは https://recurrent-tools.s3.amazonaws.com/uploads/media_image/image/665/ojt.jpg
OJTとは何か
OJT(On the Job Training)とは、新入社員や中途採用者などの「指導対象者」に対して、「OJT担当者」が働きながら育成を行い、スキルを高めていくことが目的です。
OJTの担当者を「トレーナー」、OJTを受ける対象者を「トレーニー」と呼びます。
OJTの進め方の具体例(一例)
1.目標を立てる
2.目標達成のための計画を立てる
3.計画の実行と管理をする
4.評価をする(部下へのフィードバックをする)
OJTとOFF-JTの違い
職場を離れた研修などでスキルや考え方を醸成することを「Off-JT(Off The Job Training)」と言います。
その違いは、職場において指導をするか否かです。
リスキルのOJT研修では、先輩社員が効果的にチームのOJTを進めるために、そのノウハウを習得することを目的としています。
OJTとOFF-JTの違い https://recurrent-tools.s3.amazonaws.com/uploads/media_image/image/528/ojt_offjt.png
OJTの期間
OJTの期間は、通常3カ月から1年と言われています。しかし、具体的な基準は存在しません。
企業が掲げるビジョンに基づいた新人教育の目標と、その達成度合いが、OJT期間の設定の目安となり、企業によるという状況です。
OJT制度を利用することのメリット・デメリット
OJT制度のメリット・デメリットについて理解をすることで、上手く運用することができます。
OJT制度のメリット
企業や組織において、OJT制度を運用していくことには、大きく分けて3つのメリットがあります。
1. 個人の特性に合わせて人材育成が提供できる
OJTでは個人の特性に合わせて人材育成が提供できるため、苦手な点、得意な点を見極めながら適切に成長を促すことができます。またOJTを実施している期間内は指導担当に質問をすれば良いという形になるため「困っていることを誰にも確認できない」「誰にどうやって聞けば良いかわからない」という状態を避けることにも効果的です。
全員に一律で教えることでは中々成長に繋がりません。一人ひとりの強みや違いを理解した上で指導することが重要です。
2. 即戦力となる人材を育成できる
職場で実施されるOJTでは、その場・その時にフィードバックすることが可能です。
実施した業務に対してすぐフィードバックが入ることで、教えられる側として「改善すべき点」「疑問点」が明らかになり、成長しやすくなるというメリットがあります。
3. 社内全体が向上する
OJT制度が適切に運用されていくことで、社内でのコミュニケーションも活発化されます。仕事に関する社内のコミュニケーション頻度は社内環境の活発化に関係しており、良い効果が期待できます。
OJTを行うメリット https://recurrent-tools.s3.amazonaws.com/uploads/media_image/image/529/ojt_point.png
OJT制度の課題・デメリット
上記のメリットがある反面、OJT制度には課題やデメリット(弱点)もあります。研修を受けることでこれらの課題を改善していくことが期待できます。
1.場当たり的な対応になりがちで、体系的な指導にならない
1つ目の課題は、体系的な育成が難しいことです。
OJTでは現場での「仕事そのものについて」「仕事のやり方について」を教えることを目的にしているため、結果として「仕事の本質はどこにあるのか」「他のケースにも応用できる根本的な考え方はなにか」が置き去りにされてしまいがちです。結果的に新人が「仕事はできるが、応用は利かない」となってしまう可能性があり、大きな課題となっています。
2.教える側のスキルに依存してしまう
2つ目の課題は、教える側のスキルに依存してしまうことです。
教える側(OJT担当者・トレーナー)の育成スキルが低ければ、そのまま新人の成長時間に跳ね返ってきます。また、OJT担当者自身の経験則に依存した指導も多くなり、「会社の基本方針と違ってくる」「数年後に役立たなくなっている」などの例も見られます。担当者の力量に完全に依存してしまうのは大きなデメリットです。
3.忙しいと後回しになる
3つ目は、OJT担当者(トレーナー)が多忙になることで指導が後回しになってしまうこともデメリットとして挙げられます。
OJT担当者が育成をする期間は、半年から一年が基本です。はじめのうちは丁寧に対応できていても、忙しい中でなかなかOJTが機能しなくなるということはどの企業でも起こりやすいことです。忙しい中でもOJTが適切に機能し、指導対象者が成長していく環境を作り上げる必要があります。
研修を通してOJT全体の流れを学び、計画的な育成をする
OJTには多くのメリットがある反面、行きあたりばったりの対応になりがちです。
OJTを通して育成する目的が曖昧になることや、育成が後回しになったり、個々の担当の力量や経験則に依存してしまう恐れがあります。
OJT研修でOJTの方法論を学ぶことで、チーム全体で効果的な指導や育成が実施できるようになります。
リスキルのOJT研修では、OJTの全体像を以下のように分け、それぞれのフェーズでOJT担当として行いたいポイントを確認していきます。
OJT全体の流れとポイント https://recurrent-tools.s3.amazonaws.com/uploads/media_image/image/583/development-ojt.jpg