職場でもよく耳にする「エビデンス」には、証拠、証言、物証などの意味があります。
エビデンス・ベースト・エデュケーションとは、「エビデンスに基づく教育政策」ということであり、教育経済学者で慶應義塾大学の中室牧子准教授は、「どういう教育が成功者を育てるのかを科学的に明らかにすること」だと説明しています。
エビデンスという言葉は、もともと医療分野で使われていたものです。医療分野には、エビデンスに基づく医療(EBM:Evidence Baced Medicine )というものがあり、EBMには5つのステップがあります。
ステップ1:問題の定式化
・患者の問題をカテゴリに分類
・患者の問題をPatient(患者)、Intervention / Exposure(治療/検査)、 Outcome(どうなる)の3要素に定式化
・患者中心のOutcomeの設定
ステップ2:情報収集
・情報源の種類と特徴
・適切な情報の検索
ステップ3:批判的吟味
・治療の論文の批判的吟味
・治療効果を表す指標と特徴
ステップ4:患者への適応
・論文と実際の医療環境の違いを指摘できる
・論文の内容を患者に説明できる
ステップ5:中止と継続
・うまくいかない場合は、そのプロセスを一旦中止
・中止して、次の問題に取り組む
患者を生徒に、治療を教育に変換して教育にあてはめたものが、エビデンス・ベースト・エデュケーションのフレームです。
企業で実施する研修にも、効果測定の方法はいくつかあります。
例えば、アンケートやヒアリング、e-learningの理解度確認テストなどが挙げられます。
ただし、これら単体ではエビデンスに基づいた教育という観点からは、データの信頼性が高いとはいえません。
さまざまな研修を組み合わせ、エビデンス・ベースト・エデュケーションのフレームワークに落とし込むのがおすすめです。