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教育コラム

【研修担当者向け】ハラスメント研修方法論 - 問題を回避し、効果を上げる

ハラスメント研修

ハラスメント研修を実施する企業は少なくない。しかし研修を実施したからといって、効果が出るとは限らない。研修を開くたびに、多くの問題に見舞われているケースもある。

そこで今回は、ハラスメント研修時に起こる問題を解決する方法を5つ紹介する。開催にあたり困っていることがある方は、参考にしていただきたい。

ハラスメント研修の方法を知る前にハラスメントの概要を理解しよう

ハラスメントとは、他の方に対して嫌がらせをする行為だ。

基本的にほとんどのケースはNG

グレーゾーンはあるものの、それがハラスメントだと思われたものの8〜9割は実際にハラスメントにあたる。それが裁判で負けるかどうかなどは別の問題だが、いずれにせよ企業としてのリスクになっていく。

起こってしまった後の対応はもちろん重要だが、より重要なのは予防策だ。

ハラスメントには多くの種類があるがどのように対応するべきか

ハラスメントには多くの種類がある。パッと上げるだけで次のとおりだ。

ハラスメントの種類 内容
セクシャルハラスメント(セクハラ) 性的な面で嫌がらせをする行為
パワーハラスメント(パワハラ) 職場内における優位性を利用し、相手が嫌がることを強要させようとする行為
アルコールハラスメント(アルハラ) 強引にお酒を飲ませようとする行為
モラルハラスメント(モラハラ) 威圧的な言葉や態度で精神的な嫌がらせをする行為
マタニティハラスメント(マタハラ) 妊娠や結婚をした女性従業員に対して嫌がらせをする行為

何から対応していいか迷うが、基本は「セクハラ」と「パワハラ」の2種類で残りのハラスメントは、この2つのハラスメントが派生されたできたものだと思っていい

たとえば「アルハラ」は、飲むことを強要する「パワハラ」によって誕生したハラスメントである。つまり「セクハラ」や「パワハラ」を抑えることができれば、大抵のハラスメントは防げる。

ハラスメント研修の方法は様々

ひと口にハラスメント研修と言っても内容は様々だ。世の中には、ハラスメントと同時にリスクマネジメントやコンプライアンス・コミュニケーションについて学べる研修もある。

内容もそうだが、まずは研修の方法を決めるべきだ。

自社でやるか研修会社に頼むか

初回は自社でやってもいいが、慣れてどんどん話を聞かなくなる傾向にある。また、話によっては内部の人間に言いづらいケースもあるのはご存知のとおりだ。また人事の担当が上役に向かって話をするのも勇気がいるだろう。

センシティブなテーマになるため、研修会社に頼んでしまったほうがよいケースが多いのは事実だろう。

eラーニングかリアルタイムか

eラーニングはとりあえず受けさせたいときに使うには最適だ。

  • 自社では問題が起きていない
  • 概要だけ知っておいて貰えば十分

という場合には、予算的にも時間的にもeラーニングがいいだろう。

一方その場に集まってorオンラインで実施する研修あれば、グループでのディスカッションや、個人ワークなどが実施される。そのため、参加者に改善して欲しい、修正させたいという強い意志がある場合は、リアルタイム形式をおすすめする。

ハラスメント研修を実施する上でよくある問題

自社でハラスメント研修を実施しても、運営側の想いが参加者に届くとは限らない。実際にハラスメント研修を実施すると、このような課題・問題が起こってしまう場合がある。

  • 当事者意識がない
  • すぐに効果がなくなってしまう
  • 研修で学んでも実践しない
  • 研修へ行っただけでできた気になる
  • 講師の話を聞かない

問題点が多い研修だと、開催するたびに参加者のモチベーションを削いでしまい、やがて悪循環に陥る。

それを防ぐには、ハラスメント研修を開いたときに問題が起こらないようにすることが大事だ。

問題解決の5つの方法

ハラスメント研修時に起こる問題は、工夫すれば解決可能だ。ここでは、解決する5つの方法を紹介する。

①社内におけるハラスメントの状況を把握する

把握する理由は、参加者に関係するテーマをできるだけ多く研修に盛り込むためだ。いくら質の良いハラスメント研修を行ったとしても参加者に関係しないテーマばかりだと、真剣に話を聞いてもらえない恐れがある。

しかし参加者に関係するテーマを盛り込んでおけば、自分事として真剣に話を聞いてもらえるようになる。参加者の耳をこちらに傾けてもらう意味で重要だ。ちなみに状況を調査するときは、Webアンケートを活用するといいだろう。

たとえば「google フォーム」と呼ばれる機能を使えば、URLを送るだけでオンライン上からアンケートに答えてもらえるため便利だ。

ただ名前を記入しなければいけないという理由で、アンケートに回答してもらえないケースもある。その場合は匿名で記入させるのも1つの手だ。

たとえば「30代女性」というように名前が分からないようにしておくと、答えてもらえる確率が上がるかもしれない。

多くの方に答えてもらえれば様々なデータが集まるため、社内におけるハラスメントの状況が具体的に分かってくるはずだ。

②ハラスメント研修のプログラムを参加者ごとに設定し、当事者意識を持たせる

参加者ごとにハラスメント研修のプログラムを変えれば、より当事者意識を持たせられる。

既存のプログラムが全ての企業に合うとは限らない。ミスマッチを防ぐためにも、これらの作業を忘れないようにしよう。

管理職なのかメンバークラスなのか

管理職向けか、それともメンバー職向けなのか、どちらの研修を実施するか決めよう。たとえ一緒にやる場合でも、どちらを重視するかは研修会社に伝えておこう。

自社の状況にあっているのか

上記のアンケートとも重なるが、自社の状況に合っているか確かめよう。できれば数個、自社に即した事例が入っているといい。研修企業に事例を入れてもらえるか相談するべきだ。

③参加者を退屈にさせない研修を実施する

研修に参加したものの、講義を聞かずに眠ってしまう方もいる。ハラスメントに関する座学を行うのも重要だが、それだと参加者が退屈に感じてしまう場合がある。だからこそ、参加者を退屈にさせない研修を心掛けなければならない。

たとえばグループワークの時間をとれば、参加者同士で話したり意見を述べたりする時間が増えるため、参加者が寝落ちする確率を抑えられる。その他に講師が参加者に対して質問する機会を増やすのもアリだ。

講師が参加者の誰かをあてれば、他の参加者は「次、あたるのではないか」と緊張する可能性がある。それによって、参加者が寝てしまう確率を減らせる。このように参加者が取り組める研修を提供できるかも、大事になってくるだろう。

④研修後にアンケートをとり、参加者の状況を確かめる

参加者の感想を知るために、研修後には必ずアンケートをとろう。参加者のフィードバックが、今後の研修プログラムを決める重要な資料になるからだ。

運営側が自信のあるプログラムだと思っていたのに、参加者の満足度が低いというケースは少なくない。だからこそフィードバックをもらって、運営側と参加者側のギャップを知っておくことが大事だ。

もちろん満足度が低いからといって、悪い研修とはならないのがハラスメント研修だが、確認しておいて損はない。

ちなみにアンケートを作成するときは、記述式ではなく選択式を多くした方が答えてもらいやすい。なぜなら、選択式の方がアンケートを記入する労力が少ないからだ。記述式の場合だと、文章を考えたり書いたりしなければいけない。

しかし選択式であれば、文章を考える必要がなく直感で答えられる。研修疲れでアンケートに答える気力がない方のことを考えると、選択式の方がいいだろう。

⑤定期的にハラスメント研修を行う

ハラスメント研修を一度受講しただけでは、全て理解できないからだ。一度聞いただけでハラスメント研修の内容を理解するのは不可能だ。体に覚えこませるには、反復学習が大事になる。だからこそ定期的にハラスメント研修を行った方がいい。

ただし定期的に研修を行うときは、内容を少しずつ変えよう。ハラスメントに関するシミュレーションを入れたりグループワークの種類を変えたりなど、参加者が飽きないように変化させよう。そうすれば定期的に受講してもらえるはずだ。

ハラスメント研修を行うときのコツ・注意点を7つ紹介

ハラスメント研修を行うときのコツや注意点についても7つの項目に分けて紹介する。上記と重なっている部分もあるが、再確認の意味でも見ておこう。

①研修の目的をハッキリとさせる

研修の目的をハッキリさせる理由は、中身のない研修にしないためだ。目的を決めずに研修を行ってしまうと、プログラムの内容や研修の進め方が適当になってしまい、参加者に何もメリットのない研修になることがある。

それを回避するために不可欠なことだ。ちなみに目的を決めるときは、以下の内容を考えよう。

  • 参加者にどのような知識・スキルを身に着けてもらいたいか?
  • 研修後、どうなってほしいか?

目的が決まれば、あとは目的を実現させるためのプログラムを決めればいいだけだ。自分よがりにならず、参加者側の視点に立って考えよう。

②自分事として興味を持ってもらうための仕組みを作る

ハラスメント研修では、自分事として興味を持ってもらう仕組みを作ることも大事だ。たとえばハラスメント認定された方のことを長時間話していたとしても、他人事として聞かれてしまうかもしれない。

しかし参加者が、加害者として認定される場合があることを話題にすればどうだろうか。自分が当事者にならないよう、必死に話を聞く方が増えるかもしれない。このように参加者が興味・関心を持つ話題を、いくつ話せるかで参加者の聞き具合は変わるのだ。

昔の常識が通用しないことや、予期せぬことでハラスメント認定されることがある話など、参加者が関心を示す話をして飽きさせないことが大事である。

③全員参加型の研修にする

参加者へ質問したり答えてもらったりする「全員参加型」の研修を行うことも忘れてはいけない。これは研修内容を自分事として捉えてもらいたいときにピッタリだ。

参加者全員で1つのテーマについて考えたりディベートしたりなど、強制的に取り組まなければいけない研修にしておけば、1人で取り残されることはなくなる。

研修に対して積極的な気持ちを持ってもらうためにも、全員参加型の研修を実施するのは大事だ。進行役のファシリテーターを付けて研修を円滑に進めるなど、様々な方法があるので試してほしい。

④説教にならないようにする

これは意外と重要だ。人は自分に都合が悪い情報からは耳を塞ぐ傾向にある生き物だ。

ある程度クッション的な言葉を挟むように調整するようにするなど研修企業へ頼んでおくべきだろう。「これは部下へのハラスメントです」が「たしかに難しいところなのですが、これは部下へのハラスメントになってしまいます」と言われれば感情的になる人はほぼいなくなる。

⑤できるだけ従業員全員に受講させる

1人1人が気持ちよく働ける職場にするには、従業員全員ハラスメントのことを知り、周囲の方を嫌な気持ちにさせないことが大事だ。

仮にハラスメント研修を受講していない方が社内にいると、ハラスメントに関する注意喚起をしても関心を持ってもらえない場合がある。

「自分には関係ない」「気を付けたい方がやればいい」といった考えを持つ社員が残ってしまい、社内にハラスメントが起きない環境を作ろうと思っても難しい。

全ての従業員にハラスメント研修を受講させれば、ハラスメントがダメであることや概要を全ての人間に伝えられる。少なくとも、管理職以上のものは全員参加させるべきだ。

ハラスメントをしない職場へ変えたい場合は、覚えておいた方がいいだろう。

⑥役職によって研修の種類を変える

可能であれば、役職によって社内での立ち位置が違う分、ハラスメント研修の種類も変えるべきだ。たとえば管理職ではない新入社員の場合、部下がおらず上司や同期と接することが多い。したがって、現実的にイメージがつきにくく、注意点などをさらっと伝えるだけでもいい場合がほとんどだ。

しかし管理職の場合は、重さが異なる。また、自分がハラスメントをしない方法を学ぶだけでは足りない。他の方がハラスメントをしたり受けたりしたときの対処法や、部内でハラスメントが起きないようにする方法などを学ぶ必要がある。

役職のことを考えずに研修の種類を決めてしまうと、効果が出ない場合もあるので気を付けよう。

⑦オンラインで行うときはカメラをONにする

ハラスメント研修は全部門に渡ることから拠点をつないでオンラインで一気にやることも多い。

オンラインでハラスメント研修を行うときは、カメラをONで参加してもらうことだ。やはりコンプライアンス系の研修は退屈だと人は思うため、内職を始める社員がいる。カメラは少なくともONにしておくこと、またできる限り考えさせることが重要だ。

ハラスメント研修方法のまとめ

ハラスメント研修の実施によって起こる問題を解決するには、5つの方法を意識して行うことが大事だ。

  • 社内におけるハラスメントの状況を把握する
  • ハラスメント研修のプログラムを参加者ごとに設定し、当事者意識を持たせる
  • 参加者を退屈にさせない研修を実施する
  • 研修後にアンケートをとり、参加者の状況を確かめる
  • 定期的にハラスメント研修を行う

上記を意識すれば、参加者にとって効果的なハラスメント研修を実施できるようになるだろう。研修を行うときに発生する時間やコストの無駄が減り、研修の効果を感じてくれる参加者も増えるはずだ。

また、ハラスメント研修を行うときは以下の7点についても抑えておこう。

  • 研修の目的をハッキリとさせる
  • 自分事として興味を持ってもらうための仕組みを作る
  • 全員参加型の研修にする
  • 説教にならないようにする
  • 従業員全員に受講させる
  • 役職によって研修の種類を変える
  • オンラインで行うときはカメラをONにする

これらを意識すればハラスメント研修の効果は変わる。本記事で紹介した方法を参考にし、良いハラスメント研修を実施してもらえればと思う。

よくあるご質問

一言で表すと「いかに当事者意識を持ってもらえるか」です。詳しくは文中をご確認ください。

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